北九州でカウンターを極める【16】~『Peace Ave.』編~

北九州市に来たばかりで知り合いがいない、などの理由で、いわゆるソロ活を余儀なくされる機会も多々あるかと思いますが、初めてのお店に一人で入るのはなかなか勇気がいるものです。

そこで、一人で行っても馴染みやすい、一人なのに不思議とさみしくない!そんな、北九州市のカウンターのあるお店をご紹介していきたいと思います。

店主さんとおしゃべりしたり、他のお客さんと仲良くなったり。 “一人だからこそできる楽しみ方”をぜひ北九州市で極めてください。

【Peace Ave.】

最初の一歩

小倉駅から徒歩10分弱、平和通りのモノレール駅やバス停の目の前にあるビルの地下に、その名もズバリ『Peace Ave.』(平和・通り)という名のバーがあります。

看板が出ていれば、オープンの合図。地下へと続く扉を開けるのは少し勇気がいるかもしれませんが、その扉が、新しい世界へと続く入口になっている。そんな、発見と楽しさに満ちたバーなんです。

お酒が飲める人も飲めない人も

まずバーというと、“お酒を飲む場”というイメージがありますよね?ところが『Peace Ave.』のグランドメニューを見てみると・・・なんと、半分はノンアルコール!

モクテルと呼ばれるノンアルコールのカクテルに加え、コーヒーメニューも充実しています。「お酒は飲めないけどバーの雰囲気を味わってみたい」「飲める人も飲めない人も同じお店で楽しみたい」と思っていた人にはもってこいのお店です。誰にでも入りやすく、今までバーが“未知”だった人にとってはグッとハードルが下がるのではないでしょうか。

バーテンダーでもありバリスタでもあるオーナーさんだからこそ、カクテルのみならずコーヒーにも造詣が深く、こだわりの本格的な味が楽しめます。パティシエがつくるケーキもあり、夜カフェとして利用できるのも嬉しい。北九州市には夜まで美味しいコーヒーが飲めるお店はあまりないので、貴重ですよね。

モクテルの人気メニュー『D-TOWN BOSTON COOLER』は、材料を溶かした上で、分離させて濾して透明にしているという手の込んだ一杯。甘みと酸味の絶妙なバランスにジンジャーエールの爽快感が加わり、これからの時期にピッタリです。飲めない人はもちろん、飲めるけれど今日はアルコールを控えたい、という人にも満足できる一杯を提供してくださいます。

ツイストカクテルとは?

そしてもちろん、美味しいお酒を求めて来る人も大満足間違いなし!のカクテルが揃っています。

メニューを見てみると、想像力を掻き立てられるような個性的なカクテルがずらり。それもそのはず、『Peace Ave.』が得意としているのは、ツイストカクテルなんです。

ツイストカクテルとは、クラシックなスタンダードカクテルをベースとしつつ、アレンジしたりひと手間加えてひとひねりしたカクテルのこと。オーナーの純平さんは「もともとあるカクテルに遊び心を加えて、みんなが楽しめる面白い解釈でカクテルを提供したい」という思いで、他にどこにもないようなわくわくするカクテルを日々考えているそう。純平さんが好きなヒップホップ、レゲエ、ブラックミュージックのオマージュとしてカクテルに落とし込むものもあれば、「この名前のカクテルをつくりたい」と名前からインスピレーションを受けてつくることも。

もともとのカクテルはクラシックだからこそ、それをしっかりと熟知した上でのアレンジが必要となりますが、純平さんはカクテルコンペティションでも優勝したことのある腕の持ち主。想像のつかないような組み合わせでも、飲めばこれ以外には考えられないと思ってしまうような最高の一杯を生み出してしまうのは、さすがの一言です。

独創的なカクテルの数々

そんなカクテル、気になりすぎたのでいくつかいただいてみました。

まずは現在のシーズンメニューである、『TAKI TAKI MARGARITA』。コーヒーの氷にアレンジしたマルガリータを注いだもので、最初はマルガリータの味を楽しみ、徐々にコーヒー感が加わってくるという変化を楽しめる一杯。

そしてこちらもシーズンメニューである『POPPIN CANDY SHOP』。キャンディライクな、甘くて見た目にもかわいらしいカクテルですが、口の中でパチパチと弾けるお菓子がトッピングされており、実は刺激的でもあるというギャップが楽しい一杯。

そしてグランドメニューからは『P.I.M.P SOUR』を。“売人”をイメージして塩が入った小さい袋が添えられていて、ストーリー性まで感じられる一杯となっています。

どういう経緯でできたのか、何をイメージしてつくったのか。聞かないとわからない、聞けばガラッと印象が変わる。一杯のカクテルによって、こんなにもわくわくする体験ができるとは驚きです。

Peace Ave.誕生まで

純平さんは自身の1店舗目となる『coffee bar J』というお店を2018年にオープン。始めた当初、バーでコーヒーを出すお店というのはほとんどなかったそうですが、「これから確実にくる」と感じたといいます。

バー自体は北九州にたくさんあったため、コーヒーバーなら「コーヒー飲み行く?コーヒーを使ったカクテル飲み行く?お酒飲み行く?」といった、“バーに行く”という選択肢の一つ前で選ばれるお店になれる。最初の導入として選択肢の幅を広げ、ハードルを下げたかった、と純平さん。

その願い通り、実際にコーヒーだけを楽しむお客さまも多く訪れ、「時代とバランスの取れたお店がつくれた」と一つの達成感を得たことで、今度は「カクテルをしっかりつくるお店がやりたい」と2022年11月に『Peace Ave.』をオープンしました。

オーナーの想い

誰もにバーという場を楽しんでほしいという思いから、新しい技法やスタイルを取り入れたオリジナルカクテルのお店を始めた純平さん。そこには、「北九州市に住んでいる人の選択肢を増やしたい」という思いがあります。30代、40代くらいの一番脂が乗っている時期に、ちゃんとおしゃれして遊べるような場所が北九州にはなかなかない。歳を重ねるにつれてお店選びに困る。どの年代でもわくわくするようなお店がない。そんな北九州のネックを打破するため、純平さんは『Peace Ave.』を開きました。

北九州が地元、というわけではないにも関わらず、自分が住んでいる街が少しでもカッコよくなるように、『Peace Ave.』が北九州に行く理由になるようなお店にしたい、と語ってくれた純平さん。

『Peace Ave.』に行けば、カクテルに興味がわいて、もっと知りたい!と思うはずです。カクテルやお酒のことなど、「どんどん聞いてほしい!」とのことですので、メニューを見るだけではわからない奥深さについてとことん聞いて、カクテルを最大限に楽しんでほしいと思います。

詳細情報

小倉北区魚町3- 4-6 B1F


営業時間/19:00~3:00

定休日/不定休

※臨時休業などの情報はInstagramをご確認ください

さいごに
もちろんみんなでわいわいするのも楽しいですが、ひとりの楽しみ方は無限大!特に北九州市は人懐っこい人が多いので、店主さんもお客さんも気軽に話しかけてくれてすぐに打ち解けられる、ソロ活にはもってこいの地域です。これからもひとりで行ってもさびしくない、親しみやすいお店を紹介していきますので、お楽しみに!

協力:門司港ゲストハウスポルト

北九州でカウンターを極める

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