北九州市に来たばかりで知り合いがいない、などの理由で、いわゆるソロ活を余儀なくされる機会も多々あるかと思いますが、初めてのお店に一人で入るのはなかなか勇気がいるものです。
そこで、一人で行っても馴染みやすい、一人なのに不思議とさみしくない!そんな、北九州市のカウンターのあるお店をご紹介していきたいと思います。
店主さんとおしゃべりしたり、他のお客さんと仲良くなったり。 “一人だからこそできる楽しみ方”をぜひ北九州市で極めてください。
【くつろぎカフェ とまりぎ】
最初の一歩
西小倉駅から徒歩5分ほど。決してわかりやすい場所ではありませんが、隠れ家感に心が躍ります。
ガラス張りなので店内の様子も伺えて、おひとり様でも入るのに抵抗はないはず。しかし、実は扉を開けたときにちょっとしたサプライズが。店内に入ると・・・いらっしゃいませ、ではなく「おかえりなさ~い」と迎えてくれるんです!
え、初めてですけど??と一見さんはきっとドギマギしてしまうと思いますが、これはとまりぎのお決まりの挨拶。というのも、以前はリピーターさんにだけ「おかえり~」と言っていたそうなんですが、とある取材で『誰にでもおかえりと言うお店』と紹介されたことをきっかけに、お客さまをもれなく「おかえりなさい」と言って迎えることになったのだとか。たまに不思議そうな顔をされることもあるそうですが(笑)、一度お店に行った人は「おかえりなさい」と言われたことに納得して帰るのではないかと思います。なぜってとまりぎは、とにかく“実家感”にあふれたお店だから!
そんなとまりぎの魅力に迫ってみたいと思います。
とまりぎ誕生物語
現在、ご夫婦でお店を営まれているとまりぎ。
もともとは奥様が、別のオーナーさんのもとカフェを開いたのが始まり。結婚し、お子さんができたことをきっかけに一人立ちすることになったそうですが、出産という大仕事を控え、カフェを開けることが困難に。そこで白羽の矢が立ったのがご主人でした。別の仕事をしていたご主人ですが、いつも家に友人を招いて料理をふるまっていたそうで、「家でやるならお店でやってよ」と奥様がもっともなことを言って(笑)夫婦でお店を切り盛りするようになったそう。
飲食店がやりたかったわけではなく、交流の場としてカフェをやりたかった、という奥様。人と人が繋がれる場所がつくりたい、という思いはご主人にも共通しており、夫婦で経営するのは必然だったともいえます。
家だと話せないことを第三者に伝えられるような、サードプレイスをつくりたい。そんな二人の思いが、“第二の我が家”ともいえるとまりぎの、居心地がよくてほっとできる雰囲気を生み出しているのです。
どんな人もしっくりくる、第二の我が家
実家感があって誰もがくつろげるとまりぎは、幅広いお客さまに愛されています。
平日はおひとり様とファミリー層がメイン。なんと、おひとり様のお客さまが多すぎてカウンターの席が足りず、立ち飲みになることもあるのだとか!
おひとり様で来た人がとまりぎにハマるのは、美味しい料理はもちろんですが、おそらくお店のアットホームな雰囲気と、店主のキャラクターにもあるのだと思います。ご主人はとにかくおしゃべりが達者(笑)!芸人さんかと思うほどのトーク力に、一人で行ってもさびしくなる暇なんてありません。たとえ一見のおひとり様が遠慮してテーブル席に座っても、果敢に話しかけるという徹底ぶり(笑)。ご主人の暴走を奥様が温かい目で見守っているのもなんだかほんわかします。
おひとり様と同じくニーズが高いのがファミリー層。店頭にのぼりがある通り、『赤ちゃんの駅』でもあるとまりぎは、赤ちゃんや子連れ大歓迎のお店なんです。おむつかえの台やお子様用の椅子、絵本なども置いてあり、安心して過ごすことができます。何より“子連れウェルカム!!”というのがビシバシ伝わるので遠慮がいらず、入りやすいのではないでしょうか。
土日はまた雰囲気が変わり、カップルやお友達同士のお客さまが増えるそうです。下は0歳から、上は最近常連になったという81歳のおじいちゃんまで、どんな人でも気兼ねなく来れるのがとまりぎの特徴です。
これぞ実家感!愛情たっぷりの料理
「自分たちが食べたいものだけを出している」というとまりぎのメニュー。昼も夜も共通しているのは、とにかくお野菜たっぷりということ。それには、「自炊だとどうしても野菜が足りなくなってしまうので、とまりぎでしっかり栄養を取ってもらいたい」という思いがあります。なので野菜多めなだけでなく、玄米を混ぜたご飯など、バランスも考えられているのが嬉しい!
特におすすめはプレートにもついてくるスープ。もともと食べるスープのお店をつくりたかった、というほどスープにはこだわりがあり、とにかく具だくさんで食べ応えアリ。原価無視と言ってもいいほどたくさんの種類のお野菜が入っており、とまりぎで一番お得なメニューなんだそうです(単品もあり)。お野菜だけでなく全体的にもかなりボリューミー。それもそのはず、「足りないよりは残すくらいあってもいいんじゃないか」という思いが根底にある、と店主さん。健康的な料理を、しっかり食べてほしい。まるでお母さんや寮母さんみたいですよね。お客さんを想うあまり、「最近野菜食べてない」なんて言うお客さまがいれば説教することもあるとか(笑)。とにかく母のような愛で包み込んでくれるとまりぎが恋しくなって、吸い寄せられるように何度も通ってしまうのは納得です。
店主と同じくサービス精神旺盛なメニューの数々
母のような愛にあふれているだけでなく、とにかくどのタイミングで行っても満足できるとまりぎのメニュー。
奥様自慢のスイーツは、昼も夜も食べられます。季節限定のメニューもあるので、チェックが欠かせません。この日もあれこれ目移りしつつも、どうしても桃のタルトが食べたかったので注文しましたが、惜しみない量のフルーツで満足感が半端なかったです。ちなみにとまりぎのタルトは固さが特徴なので食べるときには注意が必要です。
とまりぎの人気メニューがおうちで食べられるとあって、お弁当も人気。忙しい人や毎日の献立を考えるのに疲れてしまったママさんなどに「楽を買ってほしい」という優しい願いが込められています。
夜に人気なのはその名も『実家定食』。お肉とお魚が日替わりなので毎日行っても楽しめ、今日のメニューを見ることもなく「実家定食で!」と注文する常連さんもいるくらい、間違いのないメニューの一つ。お酒のおすすめは『塩ハイボール』。グラスのふちに塩が付いているので塩をつまみに飲めてしまうという魅惑の一杯です。「健康にいいものを出そう」という思いはドリンクにも共通していて、アマピスは“飲む点滴”とも呼ばれる甘酒が使われています。ちなみに味がカルピスっぽいことから命名されたとのこと。アマピスに限らず、メニュー表にも遊び心たっぷりなので、ぜひじっくり見てほしいところです。
とまりぎのとまりぎたる所以
「ここにきてゆっくりしてくれる人は、何よりも“とまりぎという場所”を楽しんでくれている」と店主さん。ご飯を食べに来たりお酒を飲みに来たり、というのはもちろんあるけれど、ここに来るのが好きだから来る、という人が多いのだそう。何か嫌なことがあっても、とまりぎでリセットして、スパッと帰る。家のことをいったん忘れたいときに、とまりぎに来てリフレッシュする。二人が望んだ通り、とまりぎはお客さまにとって、ほっと一息ついて羽休めができる、なくてはならない場所になっているようです。
「第二の実家というからには、変わらずここにあり続けないといけないと思っている」と語ってくれた店主さんの言葉に、なんだか私もものすごく安心しました。いつでも帰れる場所があるというのは、こんなにも幸せなことなんだなぁ。
ふいに帰りたくなる場所、とまりぎ。やっぱりお決まりの挨拶は「おかえりなさい」以外には考えられません。
店舗情報
北九州市小倉北区竪町1丁目2−33
営業時間/12時~23時
定休日/不定休
※ご来店の際はInstagramをご確認ください
もちろんみんなでわいわいするのも楽しいですが、ひとりの楽しみ方は無限大!特に北九州市は人懐っこい人が多いので、店主さんもお客さんも気軽に話しかけてくれてすぐに打ち解けられる、ソロ活にはもってこいの地域です。これからもひとりで行ってもさびしくない、親しみやすいお店を紹介していきますので、お楽しみに!
協力:門司港ゲストハウスポルト
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