食を通して北九州市の良さを伝える書籍「おいしい北九州」の著者、東 恭子さんが新たに開拓した飲食店を紹介する企画【やっぱりおいしい北九州】。北九州市内の“おいしい”飲食店を素敵な記事と写真で紹介します!!
小倉駅新幹線口から西側に歩いてすぐという便利のいい場所にあるBase Café。オープンから約15年。カフェでありながらコーヒーや軽食といったいわゆるカフェメニュー以外にも、お酒とつまみ、更に本格的なフレンチコースまでが楽しめる店である。
オーナーの重松司さんはフレンチシェフ。高校卒業後、大阪の調理師専門学校へ進み、卒業後はリーガロイヤルホテル大阪で1年半、その後リーガロイヤルホテル小倉で約7年間勤務。退職後に店舗経営を学ぶためにレストランで経験を積んだのち独立し、Base Caféを開店した。
重松さんがフレンチの道に進むきっかけは、高校生の頃、バイクを買うお金を貯めたくてバイトを始めた店がたまたまフレンチレストランだったこと。
当時高校生のバイト先の選択肢としては飲食が圧倒的に多かったというのもあるが、「何故、お店のハンバーグは家とは違うソースがかかったりしていて美味しいのだろう?」という疑問を持っていたことから、飲食店への興味は元々あったそうだ。
バイクのためにバイトを始めたはずの重松さんだが、すっかり料理の世界の魅力にはまってしまい、手に入れた念願のバイクはほぼバイトの通勤用と化していたらしい。
長くフレンチの世界に身を置きながら、フレンチレストランではなくカフェという形態の店を出したのは、誰にでもカジュアルに立ち寄ってもらいたいという思いから。フレンチの店で勤務していた頃、兄に「お前の店には気軽に行かれん」と言われたのがきっかけだった。確かにフレンチレストランだとちょっとハードルが高いと感じる人も多いはずだ。
素材の産地や品質にこだわり、自家製のドレッシングやソースを使ったフレンチシェフだからこそのクオリティの料理をカフェスタイルで楽しむことができるのがBase Caféの魅力。
今回のおすすめの一品は鴨のロースト。鴨肉といえばフレンチの定番ともいえるが、見た目の品のある美しさもまたフレンチならではというところ。鴨独特のコクはあるがクセはない。柔らかさと歯ごたえのバランスが良く、ブドウの酸味と甘さがアクセントのソースが濃厚な鴨の味を引き立てる。いい素材の見極めとローストするまでの下準備が重要なのだそう。
また、人気の本日のランチは週替わりの魚と肉料理の両方が一度に味わえる上にたっぷりのサラダ付き。コスパがいい、という月並みな表現では申し訳ない満足度の高さだ。
現在はそれぞれ理事を務める全日本司厨士協会による講習会、北九州市調理師連合会の活動で子供達向けのワークショップ等の開催など、次世代の育成にも力を入れる重松さん。料理の世界も子供の頃から興味を持ってもらうことが必要なのではとの思いがあるそうだ。第12回北九州技の達人にも推薦されている。
急げば新幹線のホームまで3分とかからない立地の良さにもかかわらず、小倉城口ほどの喧騒がないのも魅力のひとつ。新幹線の発車時間までの時間調整にもちょうどいい。
地元の人から旅行者、ビジネスの打ち合わせや友達同士のランチ、飲み会後の二軒目など様々なシーンでの利用者が訪れる。様々なシチュエーションで気軽に寄れるし、小倉駅周辺でランチを食べそびれた時、他の店より少し遅くまでランチをやっているので本当に助かる店でもある。
主なメニュー(税込み)
・本日のランチ(サラダ・魚料理・肉料理・パンorライス)※12:00~15:00 1100円
・おまかせディナー ※18:00~21:00 3500円~
・本日のデザートプレートセット(ケーキ、フルーツ、アイスクリーム、コーヒーor紅茶) 858円
・アミューズ 440円~
・鴨のロースト 1980円
・サラダ 748円~
・魚料理、肉料理 858円~
・パスタ、バゲットサンド 748円~
・ピッツァ、ご飯物 748円~
営業時間
12:00~15:00、18:00~23:00
定休日
不定休
アクセス
住所:北九州市小倉北区浅野2-13-24
電話番号:093-511-2070
公式Instagram