【やっぱりおいしい北九州】 腸活cafe ICHI（小倉北区）

食を通して北九州市の良さを伝える書籍「おいしい北九州」の著者、東恭子さんが新たに開拓した飲食店を紹介する企画【やっぱりおいしい北九州】。北九州市内の“おいしい”飲食店を素敵な記事と写真で紹介します!!

北九州市の中心市街地、小倉北区京町。ちゅうぎん通りから少し西側に向かうと、外壁の緑がひと際目を引く「腸活cafe　ICHI」の入り口がある。「いち」という響きと場所でピンとくる人もいるかもしれない。そう。ここは昭和34年創業の「喫茶いち」が2022年5月にリニューアルオープンした店だ。１日の食事のうち1食は腸活を意識した食事に置き換える「頑張らない腸活」を提唱している。

腸内環境を整えることで体の不調が解消されると言われ、注目されるようになった腸活。腸活に欠かせないとされる発酵食品を日々の食事に取り入れるよう心がけている人もいるだろう。ICHIがそんな時代の流れに沿った腸活をテーマにしてリニューアルしたのには理由がある。

「喫茶いちには戦前から続くぬか床があるので、リニューアル後のメニューにはぬか炊き定食を入れることを最初から決めていました」と話してくれたのは、ICHIの広報担当で腸活アドバイザーの阿南さん。
ぬか床といえば発酵食品の王様と言われる存在。腸活をテーマにしたのは単に時代のトレンドに合わせただけではなく、老舗喫茶の歴史を受け継ぐ意味もあるのだ。ちなみにICHIには阿南さんのほかに５名ほどの腸活アドバイザー資格を持つスタッフがいるとのこと。

この日の腸活ランチプレート（日替わり）のメインは大豆ミートの麻婆豆腐。大豆ミートといえば植物性タンパク質が豊富で、普通の肉より食物繊維が取れる上に低カロリーということで注目の食材だ。付け合わせのお惣菜のひとつ、中華炒めも大豆ミートを使ったもの。どちらもしっかりとした味付けで雑穀米のご飯によく合う。正直、言われなければ大豆ミートだと気づかないかもしれない。大豆ミートもプロが手がけた調理方法や味付けで、ここまで満足度の高い仕上がりになるのだ。

腸活サンドウィッチのさばカレーグリルサンドは、さばとカレーという相性の良い組み合わせのメインと一緒に、床漬けパプリカや豆乳マヨネーズを使ったポテトサラダなどのひと手間加えた野菜もたっぷりサンドされている。

スイーツには小麦粉不使用、グルテンフリーのメニューも揃う。豆腐のガトーショコラは濃厚かつしっとりなめらか。添えられた豆乳クリームがあっさりしており、個人的には普通の生クリームより食べやすい。映えておいしいスイーツは大抵かなりの高カロリーだが、ICHIのスイーツは映えておいしい上に高たんぱく低カロリーなので、食べきった後も罪悪感とは無縁だ。

ICHIの食事で腸に関する悩みが解消したという話を聞くと、やりがいや喜びを感じるという阿南さん。店のスタッフからも、まかないを食べるようになってから自然に減量が出来たり、体調が良くなったという声が多いそうだ。現在女性客が多いICHIだが、健康に気を付けなければと思いながらもなかなかバランスのとれた食が取れないという男性にも是非おすすめしたい。