北九州の良い点を書こうとしたのに、 気付いたら小倉の美味しいものについて書いていた【エッセイコンテスト 入選作品】

エッセイコンテスト「第1回 キタキュースタイルカップ」 入選作品

私は北九州に生まれて約4半世紀、小倉生まれ小倉育ちの地元っ子である。
地元の大学を卒業後、公務員になった。理由はまだない。今のところは「なんとなく」だ。
そんなゆとり育ち丸出しの私だが、同世代と比べると多少は地元の北九州への愛が強いと自負している。もちろん異論は認める。私の思う北九州の良さを、文章にしてみようと何故か急に思い立ったために、この寄稿を行った次第である。
冒頭でもお伝えしたとおり、私は小倉の人間である。北九州にまつわることを書こうと応募をしてみたが、書けば書くほど小倉のことばかりを思いついてしまう。
なので今回はいっそ、小倉に絞って書いてしまおうと思う。これはある意味北九州市民らしさとも言えるので、お許しいただきたい。
北九州市は1963年に旧5市(小倉、戸畑、若松、門司、八幡)が対等合併した事で発足した自治体だ。そこから7つの行政区に分かれているが、旧5市それぞれの文化が既に形成されているため、一様に北九州市民とまとめることは難しい。みんな、各々の地元が一番だと信じてやまないのである。この点は旧5市全てが思っているので、ある意味北九州市民共通の特徴と言える。

さて、私の地元小倉を紹介していきたい。
知っている方も多いと思われるが、焼きうどんやぬか味噌炊きなど小倉発祥の食べ物がいくつかある。天寿司や大太鼓、田舎庵をはじめとした各ジャンルの名店や北九州の台所「旦過市場」など食に関する魅力が豊富である。
今回は小倉育ちの人であれば必ず1度は食べたことがあるもの、名付けて「新三大小倉のソウルフード」を紹介していこう。

まず最初にご紹介したいのはちゅうぎん通りに面した中華料理屋「娘娘」である。小倉で学生時代を過ごしたことがある方であれば一度は食べたことがあるであろうお店だ。
この店の名物は何と言っても肉焼きめし。少し薄めの味付けの焼き飯の上に、甘辛く煮込んだような肉がたっぷりと乗せられたボリュームたっぷりの一品だ。しかもラーメンスープもついて一皿550円とリーズナブル。
高校時代、部活終わりに先輩や同級生と一緒に、わざわざ小倉まで自転車を漕いで何度も食べに来たことがある思い出の味だ。今思えば、初めて北九州を訪れた友人を私は必ずこのお店へ連れていっている。そして必ず満足してもらえている鉄板のお店である。
なお、娘という字を2つ並べたとても可愛らしい名前だが、厨房に立つのは職人然としたお父さん方だ。正直最初は怖かった。注文する時のプレッシャーは想像以上だったが、慣れてくるとそれもまた親しみを感じる。

続いてご紹介したいのは「資さんうどん」だ。このお店を小倉のものと言ってしまうと、各所から批判を浴びるため、そうとは言わない。しかし、北九州を語る上では絶対に外せないお店である。
こちらのお店についての細かい説明は必要ないと思われるので省いて、私のおすすめメニューを紹介したい。それは「つくねそば」だ。うどんじゃないのかよとツッコんでいる方々も多いと思うが、資さんはそばが、いや、そばも美味しいのだ。加えて、ジューシーなのにどこかあっさりとしたつくねとそばの相性が抜群なので、ぜひ皆さん一度ご賞味いただきたい。
余談だが、資さんうどん社長のTwitterのエゴサが異常に早く正確であることが個人的に気になっている。

最後にご紹介したいのは「ドンバル堂」だ。ほぼ全ての小倉の中学校・高校の出身者が舌で味を覚えていることだろう。
今でこそ、北九州市内の中学校は給食が導入されているが、つい10年ほど前までは弁当を持参しなければならなかった。しかし、中には何らかの理由で弁当を準備できない世帯もあった。そのような世帯のために、各中学校では朝にパンを注文して、昼に届けてもらえる「パン注(昼)」という文化があった。その「パン注」を一手に引き受けていたのがこのお店だ。美味しいことはもちろん、メニューも豊富で毎日頼んでも飽きることはない。何より、学生に優しい低価格だ。
私のオススメは食パンに大量のザラメとバターで焼き上げたトースト。1枚70円(当時)。中学時代の友人は、朝に注文していたパンを昼に全て食べずに一つだけ残しておき、部活の前に食べていたことを覚えている。この文章を書きながら久しぶりに食べたくなってしまったので、書き終わったらすぐに買いに行くことを決めた。

ここまで文章を書き進めてきたが、こうやって書いてみるといかに自分が小倉のまちに胃袋を掴まれているかがわかった気がする。紹介したどの店も10年以上食べ続けているが一度も飽きることはなかった。まだまだ他にも紹介したいお店はあるが、今後もしこのような機会があれば紹介させていただきたいと思う。
なお、このような文章を書かせてもらうことは初めてのことであり、拙い文章だったと思われるが、最後までお読みいただいた方には感謝を申し上げたい。

作者:チッパさん