インタビュー企画「KITAQ Style 1000 Project ~北九州市の“人”をもっと知る~」

”陰も陽も包み込む街”北九州で育ったからこそ生まれた表現とは。/パフォーマー・ルキノ【KITAQ Style 1000Project No.6】

–ご夫婦の生活が紹介されているコミック「漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件」を拝見しました

お読みいただきありがとうございます。マンガにも書いてある通り、7年前に東京都の渋谷区から千葉県成田市に移住しました。普段は夫と二人で、半分を農業、もう半分で自分のやりたい仕事をする「半農半X」という生活を送っています。

–出身は北九州市ですよね。どのあたりで生まれ育ったんでしょうか?

生まれてから高校卒業までの18年間を、小倉で過ごしました。魚町銀天街の周辺で遊ぶことが多かったですね。お茶屋さんの辻利で友達とおしゃべりしたり、東映会館でショッピングしたり。

–どんな幼少時代でしたか?

小学校くらいの頃から芸能界への憧れを持っていた子どもでした。男の子がパイロットやサッカー選手に憧れるような、ふんわりとした夢でしたけど。
高校1年生のとき、北九州のタウン誌「おいらの街」に、北九州で撮影する「スーパー・ハイスクール・ギャング」という映画のオーディション情報が載っていたのを見かけたんです。そのオーディションに合格して、セリフが一言だけの役でしたが、映画に初出演しました。

–映画に出演したあとはそのまま芸能界に?

当時はインターネットもなかったですし、北九州にいながらにしてどのように芸能界にアクセスすればいいかよく分からなかったんです。勉強と部活の両立で高校生活が忙しすぎて、芸能界への夢も忘れかけていました。

大学に進学後、やはり芸能関係の仕事をしたいと思って、大学を休学して実家がある福岡に戻りモデル活動を始めました。そこでの仕事のメインは、地元雑誌の温泉特集などでバスタオル姿でニコニコして写真を撮られる、というものでした。芸能活動ではあるけれど、私がやりたかったこととは少し違うな、と感じて。やっぱり女優のお仕事をしたい、と思い20才の時に上京しました。

とはいえ、東京では生活するだけでお金がかかるので、家賃や食費を稼ぐなど、最初は生きていくことに精一杯でした。生活のためのバイトをしながらオーディションを受けまくるも、全く受からなくて。上京から1年後に大学の同級生が撮影する映画の主演をやってみないかと誘われ、ようやく女優への道筋ができました。

そこから何本かインディーズ映画に出演しました。でもそんなに順調にはいかなくて、25歳のときに仕事がなくなって、完全に行き詰まってしまった。悩んだ末に「自分には向いてなかったのかも」と女優の夢を諦めて実家に帰ろうと思いました。そこで東京を離れる前に、せっかくだから東京でやりたかったことを全部やろう!と思ったんです。

そのときに、中学生の頃「東京に行ったらアンナミラーズのような可愛い制服を着てアルバイトしたい!」と憧れていたことを思い出しました。そこで、メイド服を着て働くのって楽しそうだなと思って、秋葉原のメイドカフェの面接に行ったんです。面接の時に、「カフェのメイド達でアイドルグループを作ろうとしてるんだけどあなたも入る?」と聞かれて、「やります!」と即答している私がいました。

その後、メイドブームが来て、テレビに出演することが増えました。芸能の仕事を諦めてメイドカフェで働きはじめたはずが、この時期が一番テレビに出ていましたね(笑)

2年後、秋葉原のメイドアイドルグループが解散した後に「やっぱりまだ自分は芸能活動を続けたい」と思い、新しい事務所に所属して、女優として再出発しました。でも事務所の方針と自分のやりたいことがずれてしまって、鬱っぽくなってしまったんです。
そこで事務所をやめて、出会ったのがコスプレでした。

–どんなジャンルのコスプレをしていたんでしょうか?

コスプレイヤーってアニメのコスプレをすることが多いと思うんですが、私は日本昔ばなしの金太郎とか、クレオパトラとか、ちょっと変わったコスプレをしていました。アニメにあまり詳しくなかったので、純粋に着てみたいと思った衣装を着たり、これだ!と思ったキャラクターを取り上げたりする感じでしたね。

モデルだけでなく、自分で企画から立ち上げて、衣装やロケ地など全てをコーディネートして、コスプレ写真集を自主制作していました。「アートとサブカルとグラビアのちょうど真ん中」をコンセプトに、自分が好きなものをMIXした、自分が見たい作品を作っていました。

私は胸が小さいことが長年のコンプレックスでした。でもコスプレ写真集の活動の中で、グラビア的な、ちょっと肌の露出をする写真を公開するようになったときに、「その小さな胸こそがかわいい!」と言ってくださる方がたくさんいて。そこで初めて自分の体を肯定できるようになって、コンプレックスが解消できたんです。

ずっと劣等感を持っていた”小さい胸”をいいと言ってもらえて、人の役に立っているということがとても嬉しかったですね。コスプレ活動を通じて、胸が小さいことはマイナスじゃないんだ!と知ったことが、今回の「HINNEW♡♡」ミュージックビデオに繋がっています。

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