「北九州市の“人”をもっと知る」がコンセプトのインタビュー企画・KITAQ Style 1000Project。
第8回は、北九州市小倉北区で「Oneness Coffee Brewers」を経営している津村さんをご紹介。元自衛官の津村さんは令和元年に「Oneness Coffee Brewers」を開業。以降、多くの人に親しまれており、お店で行われるさまざまなイベントも好評です。
※本記事は北九州フィルム・コミッションとの共同企画です。
–カフェを開業したきっかけを教えてください
津村さん「元々、自衛官として生活をして定年を迎えた後に、趣味を生かしてコーヒー店を開こうかと思っていました。
ちょうどその頃、親戚や友人が若くして亡くなりました。僕の人生もいつ終わるかわからないと考えると、後悔はしたくない。
このタイミングで一歩踏み出さないと次がないんじゃないかと考え、令和元年の5月1日に、小倉北区黄金町にある築95年の古民家である実家で『Oneness Coffee Brewers』を開業しました」
–コーヒーに興味を持った理由はどういったものでしょうか?
津村さん「以前趣味にしていた自転車でいろんな場所を巡るとき、コーヒーをよく飲んでいたんです。最初は缶コーヒーを飲んでいたんですが、あるときからリバーウォーク北九州のスターバックスで時間を過ごすようになりました。そこでお店の方とお話をしていくうちに、コーヒーにはいろんな違いがあることを知りました。その後、少しずつ味の違いがわかるようになってきました。
当時はコーヒーを飲みに行くたびに、SNSにアップしていたんです。すると、コーヒー好きの人からおすすめの豆が届くようになりました。浅煎りから深煎りまでそれぞれセレクトが違っていて、同じブラックコーヒーでもさまざまな味があることを知り、少しずつコーヒーにハマっていきました。
その後、友だちを集めてみんなでコーヒーの飲み比べをやるようになり、コーヒーのことをもっと知りたいと思うようになりました。それがだいたい8年ぐらい前の話です。
そのうちに、コーヒーを淹れてくれるんだったらうちのイベントに来てコーヒー入れてよ、と声がかかるようになりました」
–開店されて3年経ちましたがどのように感じていますか?
津村さん「お店がコミュニケーションの場になっていると感じています。
コーヒー屋さんって、ただ単純にコーヒーが好きな人、またはこういう空間が好きな人以外はなかなか来ない場所だと思うんです。
『コーヒーを飲みたい』ともうひとつ何かがないと人は動かないと思っているので、お店でさまざまなイベントを開催しています。
カラー診断の先生を呼ぶイベント、自己啓発的系のイベント、ただ単純にミスチルが好きな人たちがコーヒーを飲みながらミスチルの話だけをするイベントなど、幅広く開催しています。
イベントを開くと、必ず新規のお客さんが来てくれます。来店さえしてもらえれば、お店の良さを分かってもらえるので、そこからが勝負だと考えています。
なので、さまざまな人に響くようなイベントを定期的に開催しています。
僕はたまたまコーヒーにハマったから、コーヒー屋さんをやっているんですが、突き詰めていくと、結局は誰かとコミュニケーションが取れる場を作るのが楽しいんだなと思っています。
お店でイベントを開くときも、そこに誰が来るか、集まったときにどんな化学反応が起きるか、というのが楽しみのひとつだったりします。
コーヒーにはそういうコミュニケーションツールの側面もあって、とても面白いなと思っています」