2022年からプロ野球独立リーグ「ヤマエ久野 九州アジアリーグ」に、北九州市に本拠地を置くプロ野球チーム・福岡北九州フェニックスが参入しています。
3月に北九州市民球場で開幕戦を迎えたフェニックスは、4月以降下関、大牟田、飯塚、中津などでホームゲームを開催してきました。6月24日(金)、25日(土)、26日(日)の3日間、福岡ソフトバンクホークス(三軍)を相手に、3カ月ぶりに北九州市民球場でホームゲームを開催。続いて8月5日(金)、6日(土)、7日(日)の3日間、火の国サラマンダーズを迎えて北九州市民球場で三連戦を行います。
そこでこの記事では、試合観戦をより楽しめるよう、福岡北九州フェニックスの監督とコーチ、選手、そして試合の見どころを紹介します。プレーをしている選手を知ることで、より一層試合が楽しめることでしょう。
福岡北九州フェニックスの監督
西岡剛選手兼任監督(背番号7)
福岡北九州フェニックスの指揮をとるのは、かつて千葉ロッテマリーンズ、阪神タイガース、ミネソタ・ツインズで活躍した西岡 剛選手兼任監督。
西岡監督はいつも一塁コーチャーズボックスから選手に指示を出しているので、一塁側スタンドから間近に見ることができます。
選手兼任なので、試合にも出場します。開幕戦でもスターティングメンバーに名を連ねていました。代打、代走で出場することも。
福岡北九州フェニックスのコーチ
ジョニー・セリスヘッドコーチ(背番号3)
ヘッドコーチを務めるのは、ベネズエラ出身のジョニー・セリスコーチ。三塁コーチャーズボックスが定位置です。昨年(2021年)はBCリーグの茨城アストロプラネッツの監督を務めました。
寺原隼人投手コーチ(背番号61)
投手コーチは福岡ソフトバンクホークスや横浜ベイスターズ、オリックスバファローズで活躍した寺原隼人コーチが務めます。ピンチになるとマウンドに向かい、選手に指示を出します。
北方悠誠選手兼任投手コーチ(背番号22)
唐津商業3年時に150キロを超える速球で甲子園を沸かせ、その後横浜DeNAベイスターズにドラフト1位で入団した北方悠誠投手が兼任コーチを務めます。試合展開を問わずマウンドに上がり、変わらぬ剛速球を見せてくれます。
ラモン・カブレラ選手兼任バッテリーコーチ(背番号38)
バッテリーコーチはラモン・カブレラ選手が兼任で務めています。西武ライオンズやオリックスバファローズなどで大活躍したアレックス・カブレラを父に持ちます。2015年、2016年はメジャーリーグのシンシナティ・レッズでプレー、昨年(2021年)はBCリーグ・茨城アストロプラネッツでプレーしました。主にキャッチャー、ファースト、DHで出場します。
ルーカス・ホジョ選手兼任野手コーチ(背番号15)
野手コーチは元WBCブラジル代表のルーカス・ホジョ選手が兼任。2018年から3年間、BCリーグの栃木ゴールデンブレーブスでプレーしました。今季途中に福岡北九州フェニックスに入団。主に、サード、ファーストで出場します。
福岡北九州フェニックスの選手
ここからは福岡北九州フェニックスの選手を紹介。投手、野手、そして北九州市に縁のある選手をそれぞれ5人ずつ紹介します。
福岡北九州フェニックスの注目選手(投手)
荒巻千尋投手(背番号34)
3月21日に行われた開幕第2戦で勝利を挙げたのが荒巻千尋投手。確かなコントロールとチェンジアップが武器の右腕で、これまで(2022年6月13日現在)チームトップの5勝を挙げています。チームのツイキャスではヘアカットの腕前を披露するなど、意外な一面を見せてくれます。南筑高校-至誠館大学。
大江海透投手(背番号17)
これまで(2022年6月13日現在)中継ぎで2勝を挙げている大江海透投手。威力あるストレートが魅力のサウスポーです。6月12日(日)の大分B-リングスで初先発。勝利を挙げることはできませんでしたが、今後に期待を持てるピッチングを披露しました。神埼清明高校(佐賀)-久留米工業大学。
櫻井政利投手(背番号21)
修徳高校2年時に甲子園に出場し、同年秋には国体で優勝した経験を持つ櫻井 政利投手。クラブチーム・ハナマウイ在籍時には都市対抗野球に出場するなど、大舞台の経験が豊富な投手です。開幕カードでは中継ぎを務めましたが、5月に入ってからは先発での登板が増えました。修徳高校(東京)-平成国際大学-SUNホールディングス-ハナマウイ-ジェイファム。
瑛斗投手(背番号8)
5月4日の大分B-リングス戦で好投し初勝利を挙げた瑛斗投手。「えいと」の名の通り8番を背負います。広島新庄高校3年時に国体決勝での登板経験あり。昨年は栃木ゴールデンブレーブスで25試合に登板。広島新庄高校-九州産業大学-栃木ゴールデンブレーブス。
松本直晃投手(背番号66)
フェニックスの抑えを任されているのが松本直晃投手。2016年から2019年までの4年間、西武ライオンズに在籍していました。環太平洋大学を卒業後に進んだ医療法人養和会で本格的に投手を始めたといいます。 気持ちの入った投球は一球たりとも目が離せません。東海大翔洋高校-環太平洋大学-医療法人養和会-香川オリーブガイナーズ-埼玉西武ライオンズ-琉球ブルーオーシャンズ。
福岡北九州フェニックスの注目選手(野手)
大河選手(背番号23)
大河選手は2016年、熊本県・秀岳館高校で春夏連続甲子園に出場し、ベスト4進出に貢献しました。その後侍ジャパンU-18代表に選ばれ、同年のプロ野球ドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから3位で指名されます。フェニックスでは中軸に座ることが多く、打率、安打数ともリーグトップです(6月14日現在)。試合前の入念な準備にご注目ください。主にサード、ショート、セカンドを守ります。秀岳館高校-横浜DeNAベイスターズー琉球ブルーオーシャンズー茨城アストロプラネッツ(派遣)。
神谷建太朗選手(背番号2)
フェニックスで最年少(19歳)の神谷選手。甲子園でもおなじみの強豪・常葉大菊川(静岡)でキャプテンを務めていました。高校時代と同じストライプのユニフォームを身にまとい、グラウンドを縦横無尽に駆け抜けます。4月30日の試合では国歌独唱を担当。走攻守、そして歌と4拍子揃った選手です。元々は内野手ですが、今季は外野にも挑戦中。常葉大菊川高校- 国士舘大学(休学中)。
吉岡翼選手(背番号28)
福岡大学在学中に九州六大学リーグで2度首位打者を獲得している吉岡選手。5月6日の試合では4安打、5月15日と6月2日には3安打と、左打席からヒットを量産します。外野およびファーストを守ります。祐誠高校-福岡大学-高知ファイティングドッグス。
妹尾克哉選手(背番号51)
主に1番、2番を打つ妹尾選手は北米独立リーグでのプレー経験を持ちます。走攻守三拍子揃っており、今季は投手としても登板しました。内野ならどこでも守れる器用さがセールスポイント。マウンドの投手に声をかけることも多く、フェニックスのムードメーカーのひとりです。神戸国際大学附属高校-香川オリーブガイナーズ-ロックランド・ボールダーズ-茨城アストロプラネッツ。
秋庭蓮選手(背番号27)
5月30日に福岡北九州フェニックスに入団した秋庭捕手。6月2日に初のスタメンマスクを被ると、投手陣の持ち味を生かす好リードを見せました。この日はフェニックスでの初安打、初打点を記録し勝利に貢献。強肩が魅力の捕手です。日大豊山高校ー白鷗大学(中退)ー栃木ゴールデンブレーブスー埼玉武蔵ヒートベアーズ。
福岡北九州フェニックス 北九州にゆかりのある選手
ここからは北九州市にゆかりのある選手を5人紹介します。
中村道大郎選手(背番号1)
キャプテンを務める中村選手は守恒中学校、戸畑高校出身。守恒中学校では野球部に所属し、チームの中心メンバーとして福岡県大会で優勝。戸畑高校では主将としてチームを県ベスト8に導きます。四国アイランドリーグplus・香川オリーブガイナーズ、BCリーグ・神奈川フューチャードリームスを経て2022年、福岡北九州フェニックスに入団。チーム一の元気者で、選手たちが口を揃えて「キャプテンが一番声が出ている」と言います。戸畑高校-日本体育大学-香川オリーブガイナーズー神奈川フューチャードリームス。
武蔵選手(背番号8)
武蔵(渡邊 武蔵)捕手は九州国際大付属出身。広角に打てるバッティングと強肩がセールスポイントです。地元・北九州でのプレーは9年ぶり。5月7日の火の国サラマンダーズ戦ではフェニックス入団後初の本塁打を記録しました。九州国際大学付属高校ー沖コンピュータ教育学院ー信濃グランセローズー埼玉武蔵ヒートベアーズー大分B-リングス。
豊村直大投手(背番号19)
豊村投手はセンバツで優勝経験を持つ強豪・清峰高校(長崎県)の投手として活躍。夏の選手権長崎県大会決勝で、現西武ライオンズの隅田知一郎投手と投げ合うなど、県内屈指の好投手として注目の存在でした。北九州市立大学を経て福岡北九州フェニックスに入団。右腕からのキレのある速球が魅力の右腕です。清峰高校ー北九州市立大学。
力丸泰地投手(背番号10)
力丸投手は八児中学校、北九州市立高校出身。卒業後は九州総合スポーツカレッジで3年間プレーします。投手陣で最も年下の21歳。ピンチの場面で登板する、強気な投球が持ち味の左サイドスローの投手です。北九州市立高校ー九州総合スポーツカレッジ。
野元涼選手(背番号65)
2018年夏の北福岡大会で折尾愛真の中心選手として6本塁打を放ち、同校の甲子園初出場に大いに貢献した野元選手。「ゴジラ」を捩って「ノモラ」と呼ばれたスケールの大きなバッティングに注目です。折尾愛真高校ー関東学院大学。
福岡北九州フェニックスの試合の見どころ
ここからは、初めて福岡北九州フェニックスの試合を見る方のために、見どころを5つ紹介します。
攻撃中に流れるクラブミュージック
「攻撃中にクラブミュージックが流れる」というのが福岡北九州フェニックスの試合の最大の特徴ではないでしょうか。
NPBのように楽器や太鼓を使うものが野球の応援としておなじみですが、フェニックスの応援はそれとは全く異なっており、攻撃中にずっとクラブミュージックが流れます。流れる音楽に合わせて、スティックバルーンを叩くのがフェニックスの応援スタイルになりつつあります。
ベンチの明るい雰囲気
どの選手も「フェニックスのベンチの雰囲気は明るい」と口を揃えます。いちばん声を出しているのは中村道大郎主将(多数選手談)とのことですが、他の選手もよく声が出ています。NPBとは違ってベンチやグラウンド上の選手の声もよく聞こえるので、選手がどんな声を出しているか耳を傾けてみるのも面白いかもしれません。
多言語が飛び交うグラウンド
フェニックスには、ラモン・カブレラ選手兼任コーチ、ルーカス・ホジョ選手兼任コーチの2人の外国人選手が在籍しています。ラモン選手がファースト、ルーカス選手がサードを守っているときなどは、フェニックスの内野陣は日本語、英語、スペイン語でコミュニケーションを取ります。(と大河選手が教えてくれました)
スタジアムDJ
フェニックスのホームゲームでスタジアムDJを務めるのは、福岡の劇団・万能グローブ ガラパゴスダイナモスに所属する俳優の友田 宗大(MUNE)さん。
今シーズンより
【福岡北九州フェニックス】
スタジアムMCを担当します!!!福岡北九州フェニックスのファンの皆様、一緒に会場を盛り上げていきますので、どうぞ宜しくお願いします❗️#福岡北九州フェニックス https://t.co/uziXdHfDaG pic.twitter.com/0qKa2eFacw
— 友田 宗大(Munehiro Tomota) (@stom1104) April 29, 2022
攻撃中には選手のコールも担当。あの手この手で場内を盛り上げてくれます。
フェニックスポーズ
既に試合を見たことがある方にはおなじみのフェニックスポーズ。「不死鳥」(フェニックス)をイメージし、両手を上げて翼のように広げます。選手がヒットを打った後に塁上で披露したり、本塁に生還した後に選手同士でポーズをとったりと、あらゆるタイミングでフェニックスポーズを見ることができます。試合後のヒーローインタビューのときには選手と一緒にフェニックスポーズを取りましょう!
選手との距離の近さが独立リーグの魅力
この写真は、5月7日に大牟田市延命球場で行われた試合の後の写真です。選手たちが球場で応援してくれたフェニックスファンをお見送りしています。この後、選手にサインを求める人の姿もありました。このように、選手との距離の近さが独立リーグの魅力のひとつです。試合後の写真撮影やサインにも気軽に応じてくれるので、積極的に声をかけてみてください。状況が許せば撮影にもサインにも対応してもらえると思います。(節度ある声掛けをお願いします!)
さいごに
福岡北九州フェニックスの監督とコーチ、選手、そして試合の見どころを紹介しました。
野球の楽しみ方は人それぞれ。こうでなければならない、というものはありません。
まずは気軽に、福岡北九州フェニックスの試合を観戦してみてくださいね。実際に生で観戦することで分かることがたくさんあると思いますよ。
福岡北九州フェニックス試合情報
福岡北九州フェニックス 北九州市民球場での試合日程(2022年6月15日現在)
福岡北九州フェニックスの北九州市民球場での試合日程は以下の通りです。チケットは好評発売中。
- 6月24日(金)18時~ vs.福岡ソフトバンクホークス三軍
- 6月25日(土)13時~ vs.福岡ソフトバンクホークス三軍
- 6月26日(日)13時~ vs.福岡ソフトバンクホークス三軍
- 8月5日(金)18時~ vs.火の国サラマンダーズ
- 8月6日(土)18時~ vs.火の国サラマンダーズ
- 8月7日(日)18時~ vs.火の国サラマンダーズ