北九州の面白いを創る大人たち【エッセイコンテスト 入選作品】

エッセイコンテスト「第1回 キタキュースタイルカップ」 入選作品

北九州には面白い大人がたくさんいます。私は北九州の隣町、水巻町で生まれ育ち、十六歳の時に北九州に引っ越してきました。引っ越してきてからはいろんなイベントが行われていることを知り、参加してきました。それを通じて、たくさんの面白い大人に出会ってきました。北九州愛が強い人、北九州を盛
り上げたいという夢を持った人。そんな私が出会った北九州の面白い大人と転入してきて知った北九州のステキな魅力を紹介したいと思います。

私が初めて北九州に携わったのはクリスマスの夜に黒崎駅前で行われたイベントです。昔の黒崎は繁栄都市だったそうです。現に今も黒崎駅の利用者数はとても多いですが人が立ち止まリたくなるような場所は少なく、すっかり寂しい街になっています。そんな黒崎を昔のようにもう一度盛り上げようと行われたのがこのクリスマスマーケットでした。このイベントで私が一番面白いと思ったのがイベントで使われたガーデンイグルー(ドーム型の東屋)を一から作ったことです。しかもただ作ったのではなく、竹害とされている竹を使って作ったのです。北九州は竹林面積がとても広い地域です。それは同時に放置竹林や竹害にも悩まされているということです。そんな悩ましい問題の「害」から「価値」が生まれる。なんて面白いしステキなんだと刺激されました。もちろん、このイベントで使われた竹は、竹害問題全体で見ると僅かではありますが、こんなふうに北九州が抱える問題について考えて、少しでも解決に近づけるように行動している大人が北九州にはたくさんいることをもっと皆さんに知っていただきたいです。そんな大人たちが一丸となって作り上げたイベントはとても盛り上がり、イベントを知ってわざわざ黒崎に来てくださったカップル、たまたま帰り道に通りがかったお父さん、たくさんの方に来ていただきました。私にとっても楽しい特別なクリスマスになりました。

次に紹介したいのは、毎年小倉で行われているフードフェスティバルです。何年か前にボランティアスタッフとしてイベントに参加させていただきました。このイベントは、「北九州には本当に美味しいお店が多い」ということを伝えるために始まったそうです。北九州で営業されている飲食店をバックアップして、より多くの人に知ってもらい楽しんでもらう。運営の方と飲食店という異業種の人たちがタックを組んで共に北九州を盛り上げよう、としている姿には北九州愛を強く感じました。準備の為にイベント前日、会場に行くとたくさんのボランティアスタッフの方が和気あいあいと作業をしているのを見て余計にそう思いました。北九州の食を盛り上げたいという思いでアイディアを出し合って、創り上げて行く大人たちはとてもカッコよくて面白いなと感服しました。私はほとんどの方と面識がなくはじめましてでしたが、同じ目標の為に、一緒に楽しく作業ができたのはすごく嬉しかったです。このイベントの魅力はもちろん「食」ですが、それ以外にも「人とのつながり」「北九州への愛」を感じられました。機会があれば是非たくさんの方に行ってもらいたいイベントです。

紹介した方以外にも北九州には面白い大人がたくさんいます。では、なぜ大人たちはこんなにも北九州を愛し夢中になるのか、いろんな人に出会いお話して見てきた中で私が感じた北九州の魅力は、ワクワクやドキドキといった楽しい感情がたくさん溢れているところだと思います。言わずとも、北九州は住みやすくて、都会も自然も楽しめる場所です。食べ物も美味しくて、怖いイメージを持たれがちですが、そんなことはなく人も温かいです。ですが、住みやすくて温かい街なんていうのは、北九州に住んでいる私たちからすればもう当たり前になってしまっています。特別が日常になってしまっている北九州市民に刺激を与えてくれる大人がいること、それこそが北九州の最大の魅力です。楽しいことが発信されている間も、終わった後も次は何をしてくれるんだろうとずっとワクワク、ドキドキさせられます。無限ループになりますがそんな楽しいことを発信してくれる面白い大人がいるからみんなは北九州を好きになり地元を盛り上げたい、地元に恩返しをしたい、となるんだと思います。

今では私もすっかり地元愛が強い北九州市民です。何か北九州に携われることがあれば積極的に参加したいとまで思うようになりました。そんな時に今回、このエッセイコンテストの動画を作ることとなっていた方から挿絵の依頼を受け、是非!と喜びながら描かせていただきました。

私のように北九州を好きになる人がもっと増えるように北九州から楽しいことをもっと発信して、もっと面白い街にして、もっと笑顔が溢れる北九州になることを願っています。

作者:わかさん