北九州モノレール【エッセイコンテスト 入選作品】

エッセイコンテスト「第1回 キタキュースタイルカップ」 入選作品

今や北九州の代名詞となった北九州高速鉄道都市モノレール。
北九州市が紹介される時には必ず小倉駅前と北九州モノレールが走る風景が出て来ます。

私が故郷倉敷市児島から北九州市に転居したのは昭和60年。北九州市出身の奥さんと出会い北九州市に来るきっかけになったのは小倉駅前にあった義姉が経営していた「焼鳥いしだ」というお店を手伝うことになったため。

飲食の世界に入り将来の夢は自分のお店の開業。
しかし故郷児島にいては夢を叶える可能性も少なく、北九州に行くことで何か自分自身の人生を変えるキッカケになれば…と思っていました。

初めて北九州で住まいを探した時、決め手となったのはまだ開業間もないモノレール駅に近くスーパーダイエーも徒歩圏内にあった下城野に決めたのもモノレールに依ることが多いにありました。

風雨や雪、台風にも強く渋滞も関係ないので遅れることもまずない。
その頃はまだ小倉駅に直結ではなく平和通り駅が終点。
まだまだ小倉南区も発展途上で昼間の利用客も少なくガラガラで苦戦していました。

やがて小倉駅前再開発でそごうデパートが出来るということになり『焼鳥いしだ』は立ち退きと共に閉業。
奥さんがパートで勤めていた『中華そば藤王』で初代店主と知り合い昼間藤王をお手伝いしていた関係もありいしだの閉業と同時に藤王で本格的に働くことにしました。

その後娘が生まれ、小学校入学前にモノレール終点企救丘に転居することに。
たまたま企救丘モノレール駅前に新築マンションが建設中でモデルルームを見て一目惚れ‼︎
子供が小学生になるまでに下城野からの転居を考え北九州市内の中古マンション巡りをしていましたが、やはり決め手になったのはモノレール駅から徒歩2分という利便性とモノレールに乗ってしまえば小倉まで17分という快適さ。
しかしその頃の企救丘にはマンションはポツポツと建築中だったもののスーパーもコンビニもない竹林の原野。
モノレールの利便性はあったものの今現在とは想像もつかない小倉の街から遠い世界でした。

北九州の魅力は何と言っても個性的な5市が合併して北九州市という政令指定都市になった事。
それぞれの街の個性と地元のお祭りも、小倉祇園太鼓祭り、黒崎祇園祭り、戸畑提灯山笠。若松みなと祭り五平太ばやしなど…。
特色があるものばかり‼︎

そして夏の締めくくりにはそれらのお祭りが小倉の街に集結して百万踊りと共に盛り上がる「わっしょい百万夏祭り」があります。
門司港では関門海峡を挟んで15000発の花火が夜空を彩る関門海峡花火大会も北九州の夏の風物詩。

北九州は海にも山にも近く街の中心からの移動も便利でドラマや映画のロケ地として注目され数々のドラマや映画の舞台となりました。

そんな北九州の玄関口小倉駅。開業当時は小倉駅まで乗り入れてなかった北九州モノレールも今や小倉駅に直結となりJRとの乗り換えも便利になりました。

小倉駅を出発すると北九州最大の魚町商店街前の平和通り駅。次は北九州の台所旦過市場。競輪発祥の地小倉競輪があるメディアドームのある香春口三萩野。北九州で初めて住んだ城野駅を過ぎると北九州市立大学と競馬場に直結した競馬場前。

小倉南区守恒や徳力公団前が住宅地と大きく拓けたのはモノレールのおかげ。

春には志井川沿いの満開の桜をモノレールから観る事が出来ます。

志井駅から終点企救丘駅に向かうモノレール沿いには今や所狭しとマンション群が建ち並び夜その間をモノレールが縫って進む様は近未来の乗り物に乗っている気分です。

北九州に初めて住んだ頃から毎日のように利用してきた北九州モノレール!

あれから35年。

何度か仕事場近くへの転居も考えましたが便利なモノレール以外の交通機関の利用は考えられず、これからもこうした魅力一杯の北九州に住んで北九州モノレールに毎日乗り続けることでしょう‼︎

北九州市と北九州モノレールは共に北九州の歴史とドラマを紡いでいきます。

作者:井手瀬 伸一さん

ホームページ

Facebookページ

Facebook

Twitter