地域貢献に取り組む小倉きふね病院 松井 豊院長【KitaQ Style 1000Project No.11】 #PR

「北九州市の“人”をもっと知る」がコンセプトのインタビュー企画・KitaQ Style 1000Project。
第11回に登場していただくのは、開院50周年を迎えた「小倉きふね病院」(北九州市小倉北区)を経営している松井豊院長です。本業である医療や介護に加え、映画やスポーツを通して地域貢献に取り組む松井院長にお話を伺いました。

※本記事は北九州フィルム・コミッション様との共同企画です。

ーー開院50周年おめでとうございます

小倉きふね病院 松井 豊院長

ありがとうございます。
病院としては50周年を迎えましたが、診療所としては母が昭和40年7月に黄金市場近くで自宅兼診療所として、耳鼻科だけのクリニックを開院したのが始まりです。

その後他の医院で勤務していた父が戻ってきて、内科と耳鼻科、リハビリを行う「松井病院」を昭和47年4月に開設しました。

「医療と介護は連続したサービス。長く自宅で生活できるようなサービスを提供する」という父の考えを元に、老健施設や介護施設を開設して、徐々に事業規模を広げていきました。

現在は父の遺志を継ぎ、病院の隣に有料老人ホームを建設して医療と介護が充実している法人を目指してるところです。

しかし、移転直後から新型コロナウイルス感染症が流行し、思い描いていた活動が全くできなくなりました。

50周年を記念して、地域の人たちに来てもらえるイベントを病院前のスペースで行う計画でした。普段病院に縁のない方でも病気のことを相談しやすくなるよう、と考えていましたが実現できませんでした。病院内でも50周年の祝賀会を開けず、記念となる「50周年」は静かに過ぎていきました。今はまだ先の計画を立てられない状態です。

コロナ前には小倉南区の高野と吉田にある介護施設で地域の人たちと協力しあっていたんですが、今はそういうのも途絶えてしまったため、最初の関係づくりから始めなければなりません。

ーー現在の場所(貴船町)に移転したのはいつでしょうか?

平成30年12月に今の場所に移転しました。移転前は主に医療と介護で北九州市に協力していましたが、移転後は前の病院の建物を映画の撮影に使ってもらったり、ギラヴァンツ北九州のチームドクターをしたりと医療と介護以外でも地域貢献をするようになりました。

ーー映画の撮影に病院を貸すようになったきっかけを教えてください

2019年のお盆の時期に、北九州市内で病院の撮影ができる場所を探しているとのことで北九州フィルム・コミッションさんから電話がかかってきました。もともと知り合いがいたわけでもないので、とても驚いた記憶があります。その2週間後に東京から映画監督たちが来て、さらに1~2週間後に制作スタッフが病院内の手直しを始め、9月20日あたりに撮影が開始になるという慌ただしいスケジュールでした。

実は、現在の場所に移転してきた後にそれまで使っていた黄金町の古い建物をどうするか全く決まっていませんでした。更地にして建て直す案、中を改装して使うという案などがありましたが、移転後忙しかったこともあり、何もせずにそのまま放置していたんです。だから映画の撮影で使用することについて何の支障もありませんでした。タイミング的にも良かったと思います。

「映画」という形で半永久的に古い病院が残るというのはすごく感慨深く、施設を使っていただいてよかったなと思います。

ーー先生も撮影を観に行かれたんでしょうか?

医療系の作品だったので、いくつかのシーンでアドバイスをさせていただき、あとは現場をゆっくり見学させてもらいました。

2時間くらいの映画に多くの人と時間が使われてることを知り、映ってないところにも多くの人がいることがわかったので、これからは映画をもっとしっかり見ようと思いました。

ーー今後も撮影のご予定はありますか?

病院全体を使わずに、病室だけ、診察室だけといったものも含めて3~4本ほど施設を提供しています。今後も北九州フィルム・コミッションさんからのお話には全面的に協力していきたいと考えています。

ーー今後の活動についてお聞かせください

さまざまな形での地域貢献を考えています。
近くの企業さんと連携したイベントや、市民センターでの健康講話など、病院への接点をたくさん作って、病院にくるハードルを下げていきたいと考えています。病院の前のスペースもうまく活用したいですね。地域の方に開いた医療機関となるように活動していきたいと思っています。

今は映画やスポーツなど、地域貢献の範囲が広がってきています。映画やスポーツを支援することで、少しでも北九州市が盛り上がり、市民が楽しく過ごせるようになることを期待しています。

また、北九州市は高齢者が多いので、元気な高齢者を増やすためのアプローチも始めたいです。寝たきりにならないための健康作りのバックアップをしているんですが、ひとつの医療機関だけでは難しいので、市とも連携しながら地道にやっていくしかないと思っています。

地元出身の友人、知人に東京で会うと、年を取ったら北九州に帰りたいってみんな言うんですよね。北九州に帰ってきている同級生は、帰ってきて良かったと口をそろえて言います。
仕事をリタイヤして北九州に帰っていきたいという人たちや、縁はないけど北九州市で余生を過ごしたいと思う人たちが北九州市に少しでも来やすくなるようなことにも関わっていくことができるといいですね。

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