北九州芸術劇場が20周年、北九州市立響ホール（八幡東区）が30周年を迎えたことを記念し、両施設の母体である公益財団法人北九州市芸術文化振興財団がオリジナルダンス「財ダンス」を創作します。
財団全体が一体となってオリジナルダンスを創作し、財団職員自らが踊ることで、北九州市の芸術文化の振興を担う財団として、自ら芸術文化の魅力や可能性を発信していくことを目的としています。
振付を担当するのは、国内外での作品上演をはじめ sumika「MAGIC」MV やサンリオピューロランドのショー「Nakayoku Connect」振付など多彩に活躍するダンサー・振付家の中村蓉さん。昨年度から約 1 年間の職場視察や職員向けワークショップを経てダンスを創作しました。楽曲は1MC・1ギターの自由なスタイルでファンを魅了し続けるMASSAN×BASHIRY が手がけ、視察から着想を得たオリジナルの歌詞を用意しました。
また、北九州を中心に活躍するダンスカンパニー 太めパフォーマンス（乗松薫、鉄田えみ）のおふたり、ダンサー／振付家／演出家の今村貴子さん（イマ☆タカ）、そして俳優・ダンサーの青野大輔さん（非・売れ線系ビーナス／万能グローブ ガラパゴスダイナモス／音漏れとチラリズム）がアシスタントを務めます。
今回は、7月26日（水）に行われた「財ダンス」全体練習会におうかがいしたので、その様子を紹介していきます。
ダンスは部署ごとに5チームに分かれて行うそうです。この日は4チームが練習に参加していました。
埋蔵文化財調査室のみなさんは麦わら帽（中央部はヘルメット）を着用して参加していました。
全体練習以外にも、部署ごとの自主練を行っているそうです。想像していたものよりもはるかに「ガチ」で驚きましたが、皆さんが楽しそうに踊っているのが印象的でした。
練習を終えた2人の職員さんにお話をうかがいました。
劇場事業課・柳井百恵さん
ーー普段はどんな仕事をされていますか？
チラシの折り込みの束を作ったり、外部の公演に対して北九州芸術劇場の公演のチラシを入れていただけるようやりとりをしたりなど、公演のチラシをいろんな方にお届けするという仕事を担当しています。
ーーいつもは公演を「支える側」ですが、ご自分がダンスをすると聞いたときにどう感じましたか？
できるかなって不安だったんですが、いざやり始めて振りとかを覚えてくるとだんだん楽しくなってきて、やりがいを感じるようになりました。人前で演じる喜びを味わえる貴重な体験だと思います。
ーーご苦労された点はありますか？
やはり振りを覚えるのが大変でした。やり慣れないことだったので、他の職員さんが共有してくれた動画を自宅でスマホで見ながら覚えたりしてきました。ちょこちょこ動画を見ているとだんだん頭に入ってきて、それで楽しくなってきましたね（笑）
ーーダンスに取り組むことで変化はありましたか？
実はこのダンスを始めて痩せたんですよ。有酸素運動で汗をかいているのがいいんだと思います。普段はデスクワークが多く肩こりもするんですが、ダンスのおかげで解消されました。
ーー今回の取り組みが今後の仕事に役立ちそうなことはありますか？
自分が表現をすることの楽しさ、嬉しさ、喜び、達成感を今回すごく感じたので、ステージで演じている方々の気持ちがわかるようになればいいなと思います。
ーー本番に向けての意気込みをお願いします。
表現をすることが大好きな人たちが集まって働いてるという、財団の心意気を見ていただければと思っています。
総務課庶務係・炭田菜保子さん
ーー普段はどんな仕事をされていますか？
財団職員の人事面、給与面全般の仕事をしています。
ーーいつもは公演を「支える側」ですが、ご自分がダンスをすると聞いたときにどう感じましたか？
私は体を動かすのが苦手な方で、似たような職員も割と多く、本当に踊れるんだろうかと不安に感じました。
ーー実際に踊ってみてどうでしたか？
ノリノリですね（笑）
自主練習も参加率が高くて、充実した練習をしています。ダンスが苦手だと思っている人が部署に多いので、練習しなきゃという気持ちが強いみたいです。やっていくうちに苦手感はなくなり、楽しさを感じられるようになりました。
ーーダンスに取り組むことで変化はありましたか？
自主練に行くとリフレッシュできるのが良いですね。30分のダンスの練習を挟むことでまた仕事頑張ろう、みたいな気分転換になっています。
あとは、職員みんなでダンスに取り組むことで、課だけではなく財団全体でも連帯感が生まれました。このようにみんなで集まる機会はこれまでになかったので、お互いどこの部署の誰？みたいな状態から始まったのですが、練習を重ねるうちにお互いのことを認識しだしていて、会話がなくても、目配せでイエーイ！みたいなことが誰とでもできる空気が出来上がってきました。
ーー今後の仕事に役立ちそうなことはありますか？
実際にやってみると、最初に想像していたクオリティを超えているんですよ。みんなの力を合わせたら私達はここまでできるんだ、と思えたことが、今後に生かせると思います。
ーー本番に向けての意気込みをお願いします。
周りに伝わるくらいに自分の「楽しい」を出せるように踊りたいです。
北九州芸術劇場では 2013 年度より、北九州市の企業や団体等と国内外の第一線で活躍するアーティストが協働し、オリジナルの実演芸術作品を創作する「地域のアートレパートリー創造事業」を実施してきました。
これまでに、北九州芸術劇場と J リーグクラブギラヴァンツ北九州が協働し、ダンスを使った“新しい応援スタイル”を生み出す「ギラダンス」、北九州芸術劇場と地元北九州を拠点とする航空会社スターフライヤーの協働により生まれた「そらダン」、そしてリバーウォーク北九州の 10 周年に、北九州芸術劇場とリバーウォーク北九州が協働で制作したオリジナルダンス「リバダン！！」などを生み出してきました。今回の「財ダンス」が第4弾となります。
「財ダンス」は、8月6日（日）の「わっしょい百万夏まつり」でパレードバージョンが発表され、9月以降にフルバージョンでPV を撮影・制作する予定です。
