北九州芸術劇場がアーティストとタッグを組みオリジナル作品を創作「イエ系」 10月26日から

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2023年10月26日(木)から29日(日)までの4日間、北九州芸術劇場 小劇場で北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ 「イエ系」が上演されます。

北九州芸術劇場クリエイション・シリーズは、現場スタッフがよりアーティストと密に関わり創作に向き合い、ともに育んでいく枠組みを検討する中で立ち上がった企画で、劇場がアーティストと2年間タッグを組み、北九州のさまざまな場所に出かけたり、地域の人と交流したりする中で、アーティスト自身の創作モチーフを見つめ、それを北九州で作品へと還元していただくものです。

第一弾は劇団太陽族の岩崎正裕さんを招き、2018年4月から2年間かけて女性をモチーフにした「まつわる紐、ほどけば風」を創作。第二弾となる今回は、サンプルの松井周さんを迎え、近未来の研修施設を舞台に繰り広げる、ある疑似家族の物語「イエ系」を上演します。

「イエ系」の企画は2022年4月から本格スタート。5月に行われたオーディションには、九州に限らず関東関西から計114名がエントリー。ベテランから初舞台まで選出された10名の俳優が、9月23日より稽古を始めたとのことです。

10月3日に行われた会見で、「イエ系」プロデューサーの山下璃奈さんは「北九州市での取材やワークショップを通して、創作の前段階でここまで多くの方と触れ合ってきたクリエイションは恐らく初めてだったのではないかなと思います。そこには松井さんの、一人一人と向き合い、それぞれが持っているものを丁寧に引き出しながら、自分と同じところや違うところを受け入れて、それを楽しむ姿がありました」と話しました。

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松井さんは「家族」をテーマにした理由を「僕自身が持っているテーマの一つに、『家族』というものがあります。今まで家族あるいは家という制度も含めて、血の繋がりなどが人を縛るものなんじゃないかと考えてきました。

一方で、近ごろは個人がSNSを使うようになり『個人対世界』のようにみんな1人1人が世界にさらされている状況が普通に起きていて、そこで何かを間違えると徹底的にさらされ、叩かれます。そこで、クッションになるような最小の共同体として家族というものがうまく機能すれば、もう少し生きやすくなるんじゃないかと感じて今回のテーマにしました」と述べました。

本作のあらすじを「単身者が集まって家族という形を作って事業を行うと、優遇措置を受けられる『再家族制度』が制定された北九州が舞台で、商売をするためのトレーニングセンターでトレーニングしている人が主な登場人物です。そこにトレーニングをしている人の肉親が来て、自分たちは捨てられたと訴えて困らせていく、という物語です」と説明。

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ベテラン俳優から初舞台を踏む方まで、幅広くそろった12名のキャストの印象を問われると「いい意味で変な人たちが集まりました。何を考えているのか、何が面白いと思っているのかを知りたくてしょうがなくなった人たちと一緒にやっているという意識があります。オーディションの物凄い緊張感のなか、なんていうか我関せずというか、自分の思っている、あるいは僕がディレクションしたことに対してどんどん変えたり楽しんだりする方たち。それも自分なりのやり方で」と話しました。

北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ 「イエ系」

日程・会場

J:COM北九州芸術劇場 小劇場

10月26日(木) 13:30開演
27日(金) 13:30開演
28日(土) 13:30開演 学校鑑賞が入ります
28日(土) 18:00開演 アフタートークあり
29日(日) 13:30開演

料金

日時指定・全席自由
一般
3,000円

ユース
2,500円(25歳以下、要身分証提示)

ティーンズ
1,000円(13~19歳、要身分証提示、枚数限定)

※未就学児入場不可

作・演出

松井周(サンプル)

出演

石本径代、小野彩加、椎木樹人(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)、鈴鹿通儀、鈴木麻美(にわか劇団けだものの界隈)、高山実花、椿直美、寺田剛史(飛ぶ劇場)、中島晴美、福永知花/上瀧雅大、日髙啓介(FUKAIPRODUCE羽衣)

お問い合わせ

J:COM北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655(10:00~18:00)

備考

企画・製作/北九州芸術劇場

主催/(公財)北九州市芸術文化振興財団
共催/北九州市、(公財)東京都歴史文化財団 東京芸術劇場<東京公演>
助成/(一財)地域創造

北九州芸術劇場クリエイション・シリーズ 「イエ系」