荒巻が粘投、漁野が2打点 北九州下関フェニックスがホームで逆転勝利(2025年5月5日)

2打点を挙げた漁野海人

2025年5月5日、北九州下関フェニックスはホームで大分B-リングスと対戦し、4対1で逆転勝利を収めた。先発・荒巻千尋が7回1失点の粘投を見せ、漁野海人が決勝打を含む2打点の活躍。投打が噛み合い、連敗を止めてホームで価値ある1勝を挙げた。

初回、フェニックスは先頭の河野颯太が四球で出塁し、先制のチャンスを作ったが盗塁死などで無得点。直後の2回表には連打と適時打で1点を失うも、なおも満塁のピンチを荒巻が切り抜け、最少失点で踏ん張った。

4回裏、反撃に出たフェニックスは中田航大の内野安打と盗塁でチャンスを作り、實松泰の中越え適時二塁打で同点に追いつく。続く漁野海人が右翼線を破る三塁打を放ち、2対1と逆転に成功した。

その後も荒巻は粘投を続け、6回は無死一、二塁のピンチを無失点で切り抜けた。7回も投げ切り、被安打10ながら1失点と役割を果たして降板。試合をしっかりと作った。

先発・荒巻千尋は持ち味を発揮し7回1失点

「打たれる場面もあったけど、粘って抑えられました。自分らしいピッチングだったと思います」と荒巻は登板を総括。「今日は投手で勝とうという気持ちで臨みました。前回、前々回の登板が悔しい内容だったので、そこは強く意識しました」と語った。

今季から選手兼任コーチとしてもチームを支える荒巻は、「練習時間が減っているが影響はありません。ただ、プレーで見せないといけないというプレッシャーがあり、そのことが力になっています」と、チームを背負う立場としての覚悟もにじませた。

6回裏には再び漁野が中前適時打を放ち、貴重な追加点を奪う。「初回のエラーで迷惑をかけてしまいましたが、打って取り返せました。守備のミスは…伸びしろですね」と本人も苦笑いを浮かべた。「登場曲も気分転換で昨年の開幕戦と同じ曲に変えて臨みました。気持ちもリセットできたと思います」と意気込みも口にした。

8回には薮怜汰が内野安打と盗塁、捕逸で三塁に進み、平間隼人の野手選択の間に生還。ダメ押しの4点目を挙げて試合を決定づけた。

終盤の継投も盤石だった。8回は中村総一郎、9回は行木俊がそれぞれ無失点で抑え、リードを守り切った。「開幕前から、昨年とは逆の“8回・中村、9回・行木”という形を描いていました。今日それがうまく機能して、理想通りの継投ができました」と平間監督は語った。

8回に登板した中村総一郎
今季はクローザーを務める元カープの行木俊

試合時間は2時間48分。先発が試合を作り、打線が要所で応え、救援陣が締めるという理想的な勝ち方だった。

「前回、大分にやられた荒巻が粘ってくれましたし、野手も要所で一本が出ました。こういう接戦をものにできたのはチームにとって大きいですね。いい勝ち方だったと思います」と平間監督は試合を総括した。