Uターンして分かった北九州の暮らしやすさ【エッセイコンテスト 入選作品】

エッセイコンテスト「第1回 キタキュースタイルカップ」 入選作品

わたしは福岡市で生まれ、その後兵庫県の夙川というところで小学校入学直前まで過ごし、それからは北九州で育ちました。

大学入学のため上京してから約18年、東京で生活していましたが仕事のストレスで体調を崩し、2011年末に実家のある北九州へ帰ってきました。以前から薄々感じていたことではあるのですが、再び北九州で暮らし始めてから、ここは本当に住みやすい街だなとあらためて実感しましたので、そのことについて書こうと思います。

1)北九州と東京の比較

東京は非常に便利な街ですが、人が多すぎて、逆に不便さやストレスを感じることもありました。

北九州は都市としての便利さも享受でき、人も多すぎないので快適に過ごせます。

2)交通の便

これは北九州内でも地域によって若干格差はあるとは思いますが、バスの交通網が発達していて便利です。近年、「西鉄バスナビ」などのスマホアプリによって、バスの運行状況も即座に確認できるようになり、利便性がますます高まったと感じています。わたしが子供の頃と比べバスの運転もずいぶん丁寧になり、立っていても安心して乗車していられるようにもなりました。

3)食の魅力

福岡県といえば食の魅力が語られることも多いですが、北九州も例外ではなく、リーズナブルに美味しいものを食べられるのがありがたいです。関門海峡で獲れる新鮮な魚介類などは東京で同等のクオリティのものを食べるとなると、いくらかかるのか、とついつい考えてしまいます。

また、個人的に愛してやまないのが資さんうどんです。チェーン店でありながら、うどん、そばはもちろん丼もの、カレー、おでん、おにぎり、ぼた餅とどれもハズレがなく美味しいですし、福岡市のうどんほど柔らかくはなく、讃岐うどんほどコシもない麺もバランスの取れた街、北九州を象徴しているように感じます。食べ物の好みがバラバラの複数人で何か食べよう、という時にも豊富なメニューのおかげで誰一人不満を持つことなく、「じゃあ資さんで!」となるのも便利です。

わたしのおすすめは、焼うどん(一緒についてくる削り節粉をたっぷりかけるとさらに美味しい)ととり天とじ丼です。

4)都市の便利さと自然の調和

北九州市の中心といえば小倉駅〜小倉城あたりにかけての都市部で、その中や隣接地域に飲食店街、市場、良質なクラブ(音楽を聴く方の)もあり、それらが徒歩が苦にならない程度の範囲にこじんまりとまとまっているのがとても便利に感じています。しかもそこから少し移動するだけで釣りが出来る海や川があったり、登山も出来たりと、自然にも容易にアクセス可能です。都市部の便利さを享受しながら、自然にも親しみやすい土地の利は、北九州の大きな魅力の一つだと思っています。

5)イベントの充実

お祭りなどのイベントが充実しているのも北九州の魅力です。

小倉祇園太鼓は、大好きなお祭りの一つです。市街を練り歩く廻り太鼓と固定された台で打つ据え太鼓という二つのスタイルがあるのですが、わたしは各団体それぞれの個性が大きく出る据え太鼓を観るのが好きです。演奏はその場の雰囲気で徐々に盛り上がって激しくなっていったり、スローダウンして落ち着いたり、奏者が次々に交代したりと、長時間観ていても飽きません。先にも書きましたように、各団体や奏者ごとに演奏の個性が強く出ますので、色々な団体の演奏を観て、お気に入りを探すのも楽しいです。

そして関門海峡花火大会。都心部の花火大会とは異なり、海上で打ち上げられるため打ち上げ可能な玉の号数も大きく、数も多いので、日本でも有数の花火大会だと思っています。

ちなみに毎年思うのですが、観客数100万人以上って、本当なんでしょうか?

それはともかく、この時ばかりは人の多さを実感します。

わたしのおすすめは、千円程度支払うと入れる環境整備協力席エリアです。椅子はなく、地面に座ることにはなりますが、ゆったりと花火を鑑賞できます。良い場所を確保するためにぎゅうぎゅう詰めの人混みの中、立って鑑賞するのとは大違いなんです。

ちなみに大会終了後は物凄い混雑で普段は徒歩数分の門司港駅にたどり着くまで1時間以上かかったりしますので、混雑が緩和するまでのんびり海峡の夜景でも眺めて過ごすことをおすすめします。

他にもTGC北九州やアニメ、漫画などのイベントを多数開催しているあるあるCity、各種グルメイベントなど、1年中何かしらの楽しみが待っています。

まだまだ書きたいこと(特に夜景の素晴らしさや自然の魅力など)がありすぎて全ては書ききれません。

また、おそらく人によっては全く異なる北九州の魅力を感じているのではないでしょうか。

他の方のご意見も是非読んでみたく思っています。

それほど多様な魅力に溢れた街に住んでいることの幸せを実感しながら、筆を置かせていただきます。

作者:山家 健太郎さん

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