通学路ドライブ 小倉駅新幹線口から関門トンネル【エッセイコンテスト 入選作品】

エッセイコンテスト「第1回 キタキュースタイルカップ」 入選作品

私は、福岡県遠賀町に住む普通の大学生である。しかし、一般的な大学生とは違う一面を持つ。それは、学校への通学(片道約1時間半)を自家用車で行っているということだ。大学入学当初は、JRを利用し通学していたが、家から駅、駅から学校間の距離が長いことや、乗り換えの多さ等を理由に、大学2年生から自家用車での通学を始めた。そこで今回は、毎日の私のドライブに読者の皆様を誘いたい。本来であれば、遠賀-下関間の全区間をお楽しみいただきたいが、字数に限りがあるため、およそ残り3分の1となる、小倉駅新幹線口交差点から、関門トンネルの出口まで国道199号を走る道のりを助手席に乗っている感覚で楽しんでいただきたい。

これから、何か所のおすすめスポットを紹介できるか、楽しみである。自宅を出発し約1時間、小倉駅新幹線口交差点へ到着した。ここから、ドライブのスタートである。まず、オススメしたい箇所は、右左折レーンを含めて4車線あった道路から、2車線になってすぐ左後方に現れる、「ミクニワールドスタジアム」だ。このスタジアムは、主にギラヴァンツ北九州のホームスタジアムとして利用されているようだ、夏に開催される「わっしょい百万大花火」では多くの人出で賑わう。車窓からの眺めとしては、帰り道特に夕方や夜になると、ライトアップされる姿に注目してほしい。また、土日などギラヴァンツ北九州の試合開催日には、窓を開けると聞こえてくるチャントが実に心地よい。それでは、歩みを進めよう。

次に、オススメする場所は「延命寺臨海公園」である。ここは、野球場の他、最近整備されたバスケットコートやスケートボードパークなどがあり、平日は散歩をしている方、土日は多くの若者がおり活気にあふれている場所だ。

さらに、車を進めると赤坂5丁目交差点の先に小さな商業施設がある。ここには、てんぷら屋さんや、釣具屋さんがあるが、一際目を引く看板のサバイバルゲームを体験できる施設がある、私はまだ訪れたことがないが、学生の間に一度訪れてみたい。いよいよ車は門司区に入る。門司区に入ってしばらくすると、車線は1車線となる。小倉駅新幹線口付近と比べると、かなり狭く感じるが、本州との出入り口付近ということもあり大型トラックをよく見かける。小森江駅を右手に、左手に見えるのは「ニッカウヰスキー株式会社門司工場」だ。この工場には、100年以上の歴史があり、焼酎の製造にかかるすべての工程を行う日本有数の工場だそうだ。この工場を車窓から見ると、赤レンガ倉庫が並んでいる様子が印象的だ。倉庫前の花壇には四季折々の花が植えられ、車に乗る我々を楽しませてくれる。

車はいよいよ清滝西海岸1号線を通り、門司港地区へと入っていく。ここは、北九州有数の観光地である門司港レトロが近くにあり、常に通行量の多いイメージだ。道路の両端には、ビルや飲食店、喫茶店が立ち並び「ここらで休憩でもしたいなぁ」という気持ちにさせられる。そんな誘惑に打ち勝ち、車は関門トンネルへと進む。私は、毎日このトンネルを利用するため、回数券を買っている(かなりお得にトンネルを利用できる)。関門トンネルの係員の方に回数券を渡す、この係員の方々は、24時間必ず挨拶をしてくださる。この挨拶と「お気をつけて」という言葉で、一日の元気と安全運転をしなければいけないと再度気を引き締めることが出来る。係員の方には感謝の気持ちでいっぱいだ。北九州側からトンネルに入るときに、フグの顔をあしらったイラストの口の部分から入っていくことになる。いよいよ本州下関への上陸だ。ここから、およそ10分で私の学校に到着する。小倉駅新幹線口から下関までの約30分の道のりの中で私のおすすめスポットを紹介してきた。大学生になり、車を保有することで新しい発見をし、様々な出来事がおこった。北九州をはじめ、いろいろな地域にまだ私の知らない魅力があるはずだ。「若さは武器である」若い間にできる限りたくさんのことを経験したい。また、機会があればエッセイを書き綴ってみたい。今回は貴重な機会を与えていただき感謝する。

作者:遠賀 太郎さん