食を通して北九州市の良さを伝える書籍「おいしい北九州」の著者、東 恭子さんが新たに開拓した飲食店を紹介する企画【やっぱりおいしい北九州】。北九州市内の“おいしい”飲食店を素敵な記事と写真で紹介します!!
八幡西区の折尾駅から199号線を東に向かうと左手に見える白壁の土蔵造りの建物。北九州市の市街地ではなかなか見かけない外観でもあり、ずっと気になる存在だったのが「菩提樹」だ。古い日本家屋をリノベーションした古民家カフェはそれほど珍しくなくなったが、景観保全地区でもない市街地に、土蔵造りの喫茶店というのはなかなか存在しないのではないだろうか。
昭和20年代くらいまでは、醤油蔵としての商いを営んでいた場所だという。国道沿いのこの場所に醤油蔵があったと思うと更に趣が増す。入り口のドアを開け、店内に足を踏み入れるとそこはやはり重なる時を感じさせる空間。ダークブラウンの柱や梁と、暖かい電球色の照明と内装は本物のレトロモダン。心地よく落ち着いた雰囲気の中で食事やお茶を楽しむことが出来る店だ。
醤油蔵の住居部分を改装し、菩提樹がオープンしたのは昭和60年2月。かれこれ40年続く店のオーナー、田中節子さんは二代目にあたる。
田中さんの父親が亡くなった後、醤油醸造を行っていた蔵でコーヒーでも出そうか、と母親が切り出したのがきっかけで、コーヒーだけではなく食事も出来る店として菩提樹を始めることになったという。今ではすっかり地元に根付いた有名店となり、遠方からも多くの人が訪れている。
菩提樹の看板メニューといえば釜飯。創業以来味付けを変えていないという五目釜飯が目的でやって来るリピーターも多数。釜飯をメインにしたセットメニューの種類が豊富で、どれを選択するか非常に悩む。
今回選んだのは菩提樹おすすめのお昼御膳「ミニ釜飯とサイコロステーキ」。目の前に置かれた彩の良い大きな御膳。一見しただけでかなりのボリュームだが、若干お盆からはみ出し気味な品もある。
ミニサイズの五目釜飯、三種類のフライ、そしてサイコロステーキ。どれをとっても主役級の贅沢なセットで、何から食べていいか迷ってしまい、まずは心を落ち着けるために箸をサラダへ。こちらもしっかりとした量だ。
食べやすくカットされたステーキは焼き加減も丁度よく、程よい柔らかさでさすがビーフステーキといった旨味。ソースがなくても充分美味しいのだが、和風のソースでいただくと更に味が引き立つ。
フライはエビフライと白身フライ、チキンカツ。まず揚げ色がクリアで鮮やかな時点で食欲が増す。いずれも軽い衣のサクッとした食感と、素材そのものの味をしっかりと味わうことが出来る。
そしてメインの五目釜飯。このセットの釜飯はミニとはいえちゃんと茶碗一膳分はある。釜飯だけでも美味しく食べられるし、ステーキやフライのお供としても主張が強すぎない味付けになっている。
食事メニューに150円(税抜き)プラスすると、デザートとして手作りプリンか白玉ぜんざいをチョイス出来る。ボリュームたっぷりの食事の後でも、やはりデザートは別腹。白玉ぜんざいは温かいか冷たいかを選べるのもありがたい。非常に満足度の高い、充実したランチタイム。
最後に田中さんからのおすすめ情報だが、月曜と火曜の16時~20時には数量限定で「赤身熟成牛ステーキ御膳」を200g1210円、300g1540円で提供しているとのこと。ちょっと贅沢なディナーをお得に楽しめるので、タイミングが合えば是非。
主なメニュー(税込み)
・ミニ釜飯とサイコロステーキ 1705円※
・ミニ釜飯と温泉豆腐 1375円※
・日替りランチ 880円※
・五目釜飯とタルタルハンバーグ 1672円
・五目釜飯とトンカツ御膳 1518円
※平日ランチメニュー
営業時間
ランチタイム 11:00~15:00(14:40OS)
ディナータイム 17:00~21:00(20:20OS)
定休日
水曜日
アクセス
住所:北九州市八幡西区本城東5-16-24
電話番号:093-691-2308
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