黒崎の「ぢどりとワイン酒場 古夢」にいた

つい最近知人に言われたことである。

「道に迷った時に北九州の人は一生懸命協力して助けてくれた。」

「北九州の人はあったかくて大好き。」

北九州というワードを出すとギョッとされることがあるが、北九州の人は実にあたたかく、一度話せばもう昔からの知り合いのような人なつっこさがある。

思えば、北九州で少しの時間バイトとして過ごした場所は、今では1番縁の深い場所だと感じる。

私が北九州ではじめて働いたお店ーぢどりとワイン酒場 古夢 黒崎店は、黒崎の公園横通りから、今ではふれあい通りに移転してもう7年だそう。

とりあえず働こうと今の会社に入る前に、バイトへ応募した。黒崎に向かってペダルを漕ぐ。自転車の振動が、履歴書の入った軽いトートバックをかごの中で揺らす。

営業時間前の店に現れた店長は、長身で金髪で痩せていて、一言でいうと派手やかな印象だった。私とは違うタイプだ、落ちるなと思っていたのに即採用だった。

当時どうして私を採用したのか、その理由を店長に尋ねると

「今までにいないタイプだったけど、人手が足りなかった当時は大学時代に居酒屋経験があることが大きかった。でも実際入れてみたら、こんな華奢な体でそーとー動くやん!!!っち思った!」

未だに話される程、どうやら相当動くバイトだったらしい。戦力だったならばと安心した。

「(私のように)働いてみたらいい意味で違ったとか、意外と向いているかもとか、逆に開花するとか。面接もあるけど一緒に働いてみるのがいいよね、それで合わなそうだったらちゃんと伝えるよ」

そう話す店長と社員さんは、飾り気がない人柄でとても人情深い人たちだ。

掛け持ちをし始めた時も親身に対応してもらい、実は一度辞めた後に出戻って働いたこともある。

話がそれてしまったけれど、今回は「ぢどりとワイン酒場 古夢 黒崎店」のお話。

古夢では、毎日農家直送の新鮮な宮崎地鶏ーじとっこをいろんなお酒と堪能できる。

平飼いで育った宮崎地鶏のじとっこのおいしさは、口に入れたら柔らかいのに歯ごたえがある。食べるほど、甘さと旨味がどんどん広がるところ。

それぞれの素材にもこだわる

変わらない店長と社員さんと笑って話しながら、料理はQRコードで注文する。

「ぢどりとワイン酒場 古夢 黒崎店」のメニューは、それぞれ使う素材にこだわり、厳選して作っている。

自家製の鶏味噌と新鮮な野菜

当時と変わらないお通し。若松キャベツを初めとした厳選野菜を、自家製鶏味噌でいただく。鶏味噌は秘伝レシピで、バイトができる作業は最後に混ぜるだけ。

鶏のお刺身3種盛り

美しい鳥刺3種盛り。まずは鳥刺しを堪能してみて、とにかく新鮮なのでとろけるレバーは癖がそこまでない。

名物!じとっこ炭火焼き

あつあつの鉄板からジュ〜!!!という音とともにやってくる名物じとっこ炭火焼き。

塩は山口県吉母沖を厳選し、さらに旨味をひきたてる。

小:2人分(150g)、中:3〜4人分(250g)、大:4〜5人分(350g)がある。

店長、何も言わずとも私に合わせた量へ調整してくれたので写真は少なめ。

店内のこと

席ー全体

カウンター席(写真はここから撮影)、テーブル席、奥右手には広いお座敷もある。

席ーカウンター

広めでゆったり。おひとりさまも歓迎なのでひろびろできる。

変わらない味と人柄に触れる

当時手を動かしながら社員さんと話題が尽きることなく話せる距離感と関係性は、今も継承されている。働いて10年目の店長と、9年目の社員さんにバイトの子たち。バイトの子とコミュニケーションが多いという良さは居心地の良さでもあった。

あの時はね、といろいろ話す。ここは古い関係だからね、久しぶりに会ったにも関わらず一瞬で当時の関係性に戻った感覚がある。

時代が変わりスマートなシステムへの変化はあるけれど、お店の味と人との関係性が魅力だと感じる価値観は今も変わらない。

今日も明日も「ぢどりとワイン酒場 古夢 黒崎店」で、あたたかい人たちが変わらない味を作っている。

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