公演が終わるたびに“解散”する劇団を主宰 北九州の若手劇作家・若宮 ハルさん【KITAQ Style 1000Project No.3】

若宮計画第8計画「CONTROL」稽古中に撮影(若宮さんは左から2人目)

自分に起こった強烈な体験をお芝居に

お芝居を始めたきっかけを教えてください。

高校2年生のときに演劇部に入部したのがきっかけです。
それまでは美術部で絵を書いていたんですが、絵ってひとりで書くので、部員はいても“仲間”がいないのでちょっと寂しいなと思ったんです。ふいに集団行動がしたいなと思ったときに、たまたま高校に演劇部があったので入部しました。
高校時代は九州大会には行けたんですが、全国大会には出られませんでした。ただ、九州大会では自分の作品が「創作脚本賞」をいただいたので、悔しさもありましたが嬉しかったですね。
その後大学に進んだんですが、舞台のことをもうちょっと年間通して詰め詰めでやっていきたいと思ったので、去年から休学しています。
そのときに自分のやりたいことを突発的にしてしまうタイプだと思うんです。
一般的な形の劇団にすると、劇団員に相談しないといけないことがいろいろと出てくると思うんですが、そういうのは自分に合わない気がしています。大学しかり演劇しかり、突発的に自分が今一番素敵だと思ったことを、すぐに形にできるのが自分の中での理想です。

これまでに作った作品数を教えてください

若宮計画としては8本です。

作品の題材はどのように考えるんでしょうか?

難しい質問ですね(笑)
パターンがいくつかあるんですが、自分の中でよくあることとしては、自分が実際に強烈な体験をしたときに、「この体験をお芝居にしたい」と思うことが多いですね。自分が思った感覚みたいなところをうまく形にできればいいなあと思います。
去年の6月に上演した、第6計画の「ごめんね、カナメちゃん」っていう作品は、家庭内暴力が理由で親と離れて暮らしている女の子の家庭教師をする、という話なんですが、私自身も似たようなアルバイトをしたことがあるんです。
他には、ドキュメンタリーの番組や映画を見て面白いと思ったことを繋ぎ合わせて話を作る、ということもあります。

若宮さん自身が作品に出演することはないのでしょうか?

初期の頃はやむを得ず役者さんが途中で降板しなくちゃいけないときなどに出てたりしましたけど、今は基本的には出ていません。
普段から、私は役者をやりたくないと周りに言ってるんですが、たまに外部の劇団の方からオファーをいただくことがあります。「やりたくない」と言い続けてる私を呼ぶということはよっぽどの理由があるんだろう、私じゃないときっと成立しないんだろうと思って、出演することもあります。

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