公演が終わるたびに“解散”する劇団を主宰 北九州の若手劇作家・若宮 ハルさん【KITAQ Style 1000Project No.3】

「北九州市の“人”をもっと知る」がコンセプトのインタビュー企画・KITAQ Style 1000Project。第3回は「若宮計画」を主宰する劇作家・若宮 ハルさんをご紹介。

若宮 ハル
2018年、高校在学中に若宮計画を旗揚げ。所属関係なく演劇を楽しむスタイルを保つため、代表の若宮ハル1人しかメンバーがいないユニット制を採用。2021年初頭に東京、浅草九劇にて上演された「アルプススタンドのはしの方」の演出に抜擢される。2021年後半からは、所属、年齢関係なく共に創作を行うスタイルに移行。北九州市生まれ。

公演が終わるたびに“解散”する若宮計画

※提供写真

まず、「若宮計画」について教えてください。

「若宮計画」は私が高校生のときに立ち上げました。
一般的な劇団とは異なり、自分がこういう作品を上演したいって思ったときにメンバーを募り、終わったら解散という形を今まで取り続けています。
はじめは自分の周りの同級生などと一緒に舞台を作りたいなと思ったときに、「若宮計画」という“劇団”の形をとって、みんなで集まって公演をするという形でした。年齢も自分を基準にプラスマイナス3歳、というのが中心だったんですが、去年ぐらいから30代、40代といった年齢の離れた方とも一緒に活動することが増えてきました。
作品ごとにメンバーを集めて公演が終わったら解散、という形を取ろうと思ったのはなぜでしょうか?
決まったメンバーでやるとその人たちを絶対に出演させないといけない、という形になるのかなと思ったからです。実際にそんなことはないんですが、どうしても出演は劇団員中心になってしまいます。
私は、やりたいことをやりたいときにパッとできた方が、楽しくていろんな作品作りができるなと思ったのでこの形をとることにしました。

この形でよかったなと思うことはありますか?

何より、いろんな人と出会えるのが楽しいです。
年の離れた方と一緒に活動をすることが増えてから、「機会があれば『若宮計画』に出たいです」って、役者さんから言っていただけることが増えています。
公演ごとにメンバーを集めるというスタンスだから役者さんに興味を持っていただきやすいんだと思います。声をかけてもらえるのはとてもありがたいですね。
逆に、毎回解散してしまうのでメンバーと一緒に成長する、といった部分がないのは寂しいですね。他の劇団さんのように公演を重ねて一緒に成長していくというのを目の当たりにすると、ちょっとうらやましいなと思います。公演をやっていないときに気にかけてくれてる仲間はたくさんいるのであまり困ってはいないのですが。

毎回の出演者はどうやって決めているんでしょうか?

基本的には、自分が「この人に出てもらいたい」と思った人にだけオファーしています。
ただ、タイミングや他の役者さんとのバランスもあるので、今回の作風やメンバーには合わないかなと思ったときには別の機会にオファーすることもあります。

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