「北九州市の“人”をもっと知る」がコンセプトのインタビュー企画・KitaQ Style 1000Project。
第12回は、シェアオフィスやシェアハウスなどを運営する株式会社北九州家守舎の清原 裕也さんにお話をうかがいました。
ーー清原さんの仕事内容を教えてください
株式会社北九州家守舎でシェアオフィスやシェアハウス、井筒屋の横にある船場広場などの運営を行っています。北九州市と一緒に空き家を活用してスモールビジネスの集積を促進していくというところから会社がスタートしているので、同業他社さんとは少し毛色が異なるかもしれません。
ーーこれまでにどんな仕事をされたんでしょうか？
前職はキャナルシティ博多やリバーウォーク北九州のイベント広告を手がける会社に在籍していました。商業施設を担当していたときに、会議や街のイベントに携わっていくなかで北九州家守舎代表の遠矢弘毅と知り合いました。
その後、遠矢が関わっていたリノベーションスクールに興味を惹かれました。前職ももう10年ぐらい在籍していて、そろそろ転職を考えていていたんですが、ちょうど北九州家守舎がスタッフを募集していたので入社しました。2016年の話です。
ーー転職後に仕事のイメージが違っていたと感じたことはありますか？
前職でつながりのあった北九州の方からは、街に関わる仕事は結構大変だよって言われていたんです。でも、街の人と密に関わることが好きで入社したので、初めからやりがいを感じていました。
ただ、実際に街に関わり始めると予想以上にさまざまな立場の方が多くて驚きました。あまり気にせずに活動していたら、人となりをわかってもらえたようで、その後は活動しやすくなりました。当時「メルカート三番街」に入居していた建築士の田村晟一朗さんに相談に行くこともありました。時間とともに動きやすさも増していった感じでしょうか。ビジネスに関係ないところで人とのかかわりがあることはすごくいいなと思っています。
ーー出身はどちらですか？
熊本です。でも高校までしかいなかったので飲みに行ったりもしてなくて、正直熊本のことはあまりよく分かっていないんです。
北九州に来て12年ほど経ちましたが、お城もあるし街の中心がこぢんまりとしていて密集している感じが熊本に似ているなと思います。
ーー北九州の住み心地はいかがですか？
前職でキャナルシティ担当からリバーウォークの担当になった頃はちょうど北九州の物騒なニュースが出ていた時期だったんです。それもあって北九州に住むのが嫌で、福岡市から通勤していたんです。
結局、通勤がつらくて渋々北九州に引っ越したんですが、実際に住んでみたら、景色もきれいだし思っていた以上に良い街で驚きました。コンパクトで便利で少し歩くと飲み屋さんも多いというサイズ感が自分に合っていると感じました。
ーー今の北九州について感じていることはありますか？
街のことを考える方がもう少し増えるといいんじゃないかなと思います。例えば店舗だったら、店舗内と同じように店舗前にも少し意識を向けるとか。そういう人が増えると、街がもっと良くなるのかなと思っています。
先日、商店街で商売をしている人と、地域の活動に関わる人が増えるといいよねって話をしたところです。年齢構成的に若い人が入ってくるには障壁もあると思うんですけど、ゆるい関わりでも良いので、若い人たちとつながれるといいだろうなと思っています。
お店の前を通ったときに最近どう？といった話をするくらいでもいいと思うんです。でも今はそれすらもないので、近所の人がどういう人で何を考えているのかも分からないんです。そういった関係性を改善できれば、一緒の活動に取り組みやすくなるんじゃないかと思います。
ーーゆるくてもつながりって大事ですよね
弊社で運営している集合店舗では、各入居者と契約書を交わしているものの、運用面ではそこまで厳しくしていないんです。誰が入っているかが分かる程度であればいいと思っているのですが、そのスタンスで関わることがとてもいい形になってきているので、商店街でも同じようにできないものかと思います。
北九州家守舎は、施設の運営において余白を残してる、つまり入居者の方に委ねているところが多いんです。細かな決めごとがないことに入社したときは驚いたのですが、このやり方のほうがみなさんのストレスもたまらないということが分かりました。運営方針に合う人だけが残るので、長期的に見たらこっちの方がいいんじゃないかなと思います。
ーー清原さんが将来やりたいことをお聞かせください
不動産会社も扱ってくれないような古い物件のリノベーションに携わっていきたいと考えています。会社で関わるか、それとも個人で行うのかは分かりませんが。
あとは、フリースペースのような「自分の場所」が欲しいなって思います。同じ思いを持った方々と、リスク少なくシェアできるスペースが作れるといいなと思っています。
僕は自分がメインでガーっていくよりは、人の手助けをする方が好きなんです。普段から関わる方も多いので、人と人とをつないだり、サポートするといったところに楽しさを感じます。その辺をビジネスにできないか模索しているところです。
ーーありがとうございました！
