飛ぶ劇場『誰が殺したペッコロタンゼ』10月23日(金)~10月25日(日) 泊篤志代表に聞く、対立を描く理由

北九州を拠点に活動する劇団「飛ぶ劇場」の新作『誰が殺したペッコロタンゼ』が、10月23日(金)から25日(日)まで、J:COM北九州芸術劇場 小劇場で上演される。

物語の舞台となるのは、架空の「A町」と「B町」。いがみ合う二つの町の間にある公園で、一人の死体が発見される。そこから、二つの町が対立するようになった歴史が少しずつ見えてくる。

作・演出を手がける飛ぶ劇場代表の泊篤志さんに、新作の着想や作品に込めた思い、一風変わったタイトルについて聞いた。

表向きは収まっていても、腹の中では収まっていない

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稽古を確認する泊代表

今回の作品の出発点にあるのは、泊さんが日常の中で感じてきた「対立」だ。

揉め事が起き、話し合いによって一度は決着する。しかし、表向きには収まったように見えても、当事者の中には割り切れないものが残っていることがある。

「手打ちが行われても、腹の中では収まっていない。それが何かのきっかけで、またムクムクと起き上がってくることってあるなと思って」

そんな構図は、個人の間にも、国と国の間にもある。そこで泊さんが選んだのが、「町と町」だった。

「国同士の話にすると大きくなりすぎるんで、町同士ぐらいでやると、個人間の話なのに大きな世相も見えてくるかなと思いました」

着想の元になるのは、日々の生活の中で感じた「ん?」という小さな違和感。それをずっと留めておくのだという。

「いくつかある中で、『今回、タイミング的にこれかな』みたいな」

「争いは、どこかで収めないと」

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飛ぶ劇場代表の泊篤志さん(提供:飛ぶ劇場)

では、この作品を通して何を描きたいのか。

泊さんは「言っちゃうとすごくチープなんですけど」と前置きして、シンプルな言葉で語った。

「争い事は、やはりどこかで収めないと、と感じますね」

相手への腹立たしい気持ちについても、こう話す。

「どっかで蓋をして置いとくぐらいの方がいいんだろうな。際限なく解放してしまうと、いいことはないだろうなって」

A町とB町の人々を通して描かれるのは、そう簡単には収まらない対立だ。

楽しくも居心地悪く

テーマだけを聞けば、重い作品を想像するかもしれない。

しかし泊さんは、身近にある話を「ちょっと寓話的に取り出している」と説明する。

「そこが、楽しくも居心地悪く見えてくるといいなと思います」

稽古を見学すると、思わず笑ってしまう場面がある一方で、長く積み重なってきた対立や分断に正面から向き合う場面もあった。

泊さんは、葉山太司さんと寺田剛史さんがコンビで登場する場面について「かなり面白い」と話し、キャラクターそのものの面白さも素直に楽しんでもらえるのではないかと語る。

『誰が殺したペッコロタンゼ』というタイトル

そして、どうしても気になるのが『誰が殺したペッコロタンゼ』というタイトルだ。

泊さんによると、モチーフになっているのはマザーグースの「誰が殺したクックロビン」。

先にあったのは、タイトルのほうだという。

「僕、ほぼほぼタイトルから始まってるんで」

「誰が殺した○○」という言葉が浮かび、マザーグースの歌を調べていくと面白いと感じたという。描きたかったものとタイトルが「ちょうどピタッと来た」とも話す。

チラシのビジュアルとタイトルを見て、マザーグースを思い浮かべた人もいるかもしれない。

そのタイトルからどんな物語が展開していくのか。そこは、実際の舞台で確かめてほしい。

初めて演劇を見る人にも「フラッと」

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『誰が殺したペッコロタンゼ』稽古風景

飛ぶ劇場の作品を初めて見る人に、予備知識は必要なのだろうか。

泊さんの答えはシンプルだった。

「何も考えずに、フラッと立ち寄ってもらえたら」

演劇を普段見ない人にこそ、味わってほしいものがあるという。

「目の前で俳優が演技をしているっていうのを、なかなか見たことないと思うんです。そのリアリティはテレビとか映画より断然勝るので、そこを楽しんでもらえればと思っています」

最後に泊さんは、「タイトルが気になった人は、ちょっとぜひ見てほしいなと」と話した。

『誰が殺したペッコロタンゼ』。

そのタイトルに「何のことだろう」と引っかかったなら、すでに作品への入口に立っているのかもしれない。

公演概要

飛ぶ劇場 Vol.49『誰が殺したペッコロタンゼ』

作・演出:泊篤志

出演:桑島寿彦、内山ナオミ、寺田剛史、木村健二、葉山太司、宇都宮せいや、佐藤恵美香、德岡希和、乗岡秀行、木下遥斗、山根夕季

日替わり出演:23日(金)中原彬登/24日(土)脇内圭介/25日(日)太田克宜

日時:2026年10月23日(金)15:00★/19:00、24日(土)14:00/18:00★、25日(日)14:00 ★アフターイベントあり

会場:J:COM北九州芸術劇場 小劇場(北九州市小倉北区室町1丁目1-1-11 6F)

料金:一般前売り3,500円、学生2,000円、高校生以下1,000円(当日券は200円増)

※学生・高校生以下は要学生証提示。日時指定・全席自由。未就学児は入場不可。

チケット:こりっちチケット https://ticket.corich.jp/apply/470906/

北九州芸術劇場 Q-station(窓口:リバーウォーク北九州5F/オンライン:https://q-geki.jp/events/2026/tobugekijyou49/ /電話:093-562-8435 12:00〜17:00 土日祝除く)

託児:有料・定員あり・要予約(093-562-2655、公演初日の7日前まで受付)

問い合わせ:info@tobugeki.com

公式サイト:https://www.tobugeki.com/