
門司港を拠点に活動する合同会社ポルトは、清滝エリアにある築100年の古民家をリノベーションした宿泊施設「古民家オーベルジュ『FARO kiyotaki』」の開業に向けて、クラウドファンディングを実施しています。クラウドファンディングプラットフォーム「For Good」にて支援を募っており、締め切りは2026年5月31日です。
「FARO」はイタリア語で「灯台」という意味があります。名前には、訪れる人の心に温かな光をともしたい、そして衰退が続く門司港のまちに希望の火を灯す場所にしたい、という思いが込められています。宿のシンボルとなる提灯は、210年の歴史を持つ八女提灯の老舗・伊藤権次郎商店に特別に制作を依頼しました。
ポルトは2019年からゲストハウスPORTOを運営し、空き家活用やクリエイティブ事業も組み合わせて門司港で活動してきました。代表の菊池勇太さんは1989年生まれで、北九州市立大学を卒業後、環境コンサルティング会社やマーケティングリサーチ会社を経て、2018年に地元・門司港へUターンし、起業しました。現在、岡野バルブ製造株式会社の取締役や大英産業株式会社街づくり事業本部のアドバイザーなども兼任しながら、地域の再生に取り組んでいます。
プロジェクトの舞台である清滝地区は、明治・大正・昭和初期に料亭が集まっていた歴史あるエリアで、政財界の著名人も多く訪れていました。菊池さん自身もこの地で生まれ育っています。一般的にオーベルジュは「建物の中で食事と宿泊が完結する」施設ですが、ポルトが目指すのはエリア全体での「食泊一体」です。現存する唯一の料亭「三宜楼」で「三宜楼茶寮KAITO」を運営する有限会社海人をはじめ、地域の飲食店と連携し、清滝というまち全体を一つのホテルと見立てる運営に挑戦します。
このプロジェクトが生まれた背景には、門司港が抱えるさまざまな課題があります。たとえば、文化的価値のある古民家でも担保評価が難しく、融資を受けられないことがあります。また、漁獲量の減少や流通構造の変化で地元の飲食店が良い魚を仕入れにくくなっていること、付加価値の高い仕事が少ないため若者の雇用機会が限られていることも課題です。今回リノベーションする建物も、築100年と状態は良好ですが、金融機関からの借入が難しいと判断された物件です。ポルトはクラウドファンディングと私募債の発行を組み合わせて、この壁を乗り越えようとしています。

起業から7年、菊池さんはアルバイトを含めてスタッフ20名を雇用し、門司港で50軒以上の空き家を再生してきました。「急速な衰退を食い止めることはまだできていない」と語りつつも、「課題の多い門司港でもやればできる、という希望を日本中の地域に広げたい」と今回の挑戦に意気込みを見せています。
総事業費は約2,900万円です。クラウドファンディングではまず内装やインテリア費の一部として300万円を第1ゴールに設定し、達成した場合は約500万円を第2ゴールとして挑戦する予定です。スケジュールは6月にプレオープン、7月にはグランドオープンを予定しています。
リターンは5,000円からの応援支援コースのほか、ゲストハウスPORTOの2名宿泊チケット(1万円)、新たに立ち上げるノウハウ共有コミュニティ「PORTO LOCAL LAB」への初年度入会権(個人3万円・法人7万円)、菊池さんとのオンライン壁打ちセッション1時間(5万円)、門司港ディープ視察ツアー(10万円)などが用意されています。All-in方式のため、目標金額に達しなくてもいただいた支援金はすべてプロジェクトに活用されます。
クラウドファンディングページは、以下よりご覧いただけます。
https://for-good.net/project/1003048


