HKスポーツボクシングジム(小倉南区)が初の主催興行 6月16日に小倉北体育館で

北九州市に拠点を置くHKスポーツボクシングジム(小倉南区下曽根)が、6月16日(日)に初の主催興行「HonKi Battle vol.1」を開催します。興行を約1か月後に控えた、同ジムの桑原秀彦会長にお話をうかがいました。(取材日:5月9日)

桑原秀彦会長

桑原会長の熱い思いとジムの歩み

桑原会長は小倉高校出身で、高校時代はバスケットボールに打ち込んでいました。しかし、在学中に鬼塚勝也選手(北九州市出身・元WBA世界スーパーフライ級チャンピオン)の試合をテレビで観たことがきっかけでボクシングに興味を持ち、独学で練習を始めました。熊本大学に進学後はボクシング部に入部し、九州地区の大会で優勝するなどの実績を残し、その後プロテストにも合格しました。

大学卒業後は愛知県で会社員をしながらボクシングを続けていましたが、さまざまな事情により一旦ボクシングから離れました。しかし、ボクシングのことを忘れようとしていながらも、街中で「テナント募集」の張り紙を見つけると、その物件を見学した。ということもありました。そんな折、奥さまから「ジムを開きたいなら開いたらどう?」と声をかけられたことがきっかけで、33歳のときに「HKスポーツボクシングジム」を開業しました。

HKスポーツボクシングジムの特徴

HKスポーツボクシングジムは、ジュニア(小学生、中学生)の全国優勝者を複数輩出していることが特徴です。「HonKi Battle vol.1」のメインイベントに出場する岡本恭佑選手は全国優勝を3度果たし、同ジム出身で現在東洋大学ボクシング部に在籍している古藤昇大選手は小学6年から中学3年まで全国大会を4連覇しています。

指導方針について尋ねると、「そんなに変わったことは言ってないと思うけど、『日本一になりたかったら日本一練習しろ』ということはよく言っています」と答えていただきました。

ジムの会員数は50人弱で、現在は小学2年生から50代まで幅広い年代の方が通っています。パリ五輪代表に内定している男子フェザー級の原田周大選手も同ジムに在籍しています。

主催興行「HonKi Battle vol.1」を行うきっかけ

主催興行は桑原会長が長年温めてきた夢でした。大会名には「本気で上を目指している、本気で頑張っている」という気持ちが込められています。また、「vol.1」と付けたのは、2回目、3回目と継続していきたいという思いの表れだといいます。

出場選手について

桑原会長にお聞きした、出場選手の特徴をまとめました。

西尾亮佑選手

西尾亮佑選手は現在35歳で、本大会がデビュー戦となります。ボクシングのプロテストの受験資格は満34歳までと決められていますが、西尾選手は34歳の6月に入門し、3ヶ月後の9月にプロテストに合格しました。桑原会長によれば、「考えながら練習している選手」とのことです。ちなみに、今回の相手選手は17歳(高校3年生)とのことでした。

堀田清太選手

堀田清太選手はアマチュアでの実績を持っていたことから、B級でデビュー(通常はC級でデビュー)したそうです。この試合に勝てば2勝目となり、A級に昇格できるとのことです。

山名生竜選手

山名生竜選手は2021年の新人王決定戦(S・フェザー級)で決勝まで進出した実績を持っています。2022年6月にさいたまスーパーアリーナで行われたバンタム級3団体統一戦、井上尚弥対ノニト・ドネアのアンダーカードにも出場しています。既に4敗していますが、「実質2敗しかしていないと思います。強い選手です」(桑原会長)とのことです。

岡本恭佑選手

岡本恭佑選手は2022年の新人王(フェザー級)です。昨年12月に行われた日本フェザー級ユース王座決定戦では惜しくも敗戦しましたが、「内容は悪くなかった」と桑原会長は評価しています。今後の活躍が期待される選手です。

今後の展望

桑原会長は、ジムの選手たちをまずはランカー、そしてチャンピオンを狙える位置まで育てたいと考えています。最終的には、日本チャンピオン、そして世界チャンピオンという目標を段階的に達成していきたい、と話しました。

桑原会長のメッセージ

桑原会長は、今回の主催興行について「ジムの選手が全勝して、みんなで笑って終わりたい」という強い思いを持っています。インタビューの最後に「本気バトルを本気で見に来てください!」と熱いメッセージを残してくれました。


出場選手インタビュー

岡本恭佑選手

年齢:20歳(九州国際大学在学中)

階級:フェザー級

戦績:8戦6勝1敗1分け

――ボクシングを始めたきっかけをお聞かせください

小学校2年生の時に父にすすめられて始めました。試合に負けるのが嫌なので毎日練習に通っていました。

――ボクシングの面白さ、やりがいはどのあたりにありますか?

試合に勝ったときに周りの人が一緒に喜んでくれるところです。ボクシングが好きなので、減量も苦になりませんし、「我慢した分ご飯がより美味しく感じられます。

――試合に向けての意気込みをお願いします

いつも通り勝つだけです。集中して、ボディーで相手を倒したいと思います。

――将来の目標は?

北九州から世界チャンピオンになることです。自分の試合を通して勇気や感動を与えられるような選手になりたいと思います。

山名生竜選手

年齢:22歳

階級:スーパーフェザー級

戦績:8戦4勝4敗

――ボクシングを始めたきっかけをお聞かせください

パリ五輪に出場する、幼なじみの原田周大選手が中学時代に全国大会で優勝した姿を格好いいと思い、高1のときにボクシングを始めました。

――ボクシングを始めて感じたことはありますか?

周りのボクサーに日本一になったり全国大会に行ったりしている選手が多く、自分も運動神経が悪いほうではないので、同じくらいの結果を残せるだろうと初めは思っていましたが、いざやってみたら思い通りにはいきませんでした。

――ボクシングの面白さ、やりがいはどのあたりにありますか?

これまでにやってきたバスケットボールや水泳、空手などに比べて、勝ったときの喜びや負けたときの悔しさが大きいところです。

――試合に向けての意気込みをお願いします

世界レベルの選手や同じ目標を持つ仲間に負けないよう、モチベーション高く練習に取り組んでいます。次の試合では絶対に勝ちたいです。

堀田清太選手

年齢:31歳

階級:スーパーライト級/ライト級(今回は65kg契約)

戦績:プロ2戦1勝1敗、アマチュア時代に58試合経験し約3分の2で勝利

――ボクシングを始めたきっかけをお聞かせください

元々野球をやっていましたが、団体競技ではなく個人競技のほうが向いていると感じ、高校1年生のときに始めました。漫画「はじめの一歩」の影響もありました。大学卒業後、7年間のブランクの後、プロボクサーになりました。

アマチュアでの実績があったので、B級デビューでした。次の試合に勝てばA級に上がれます。

――試合に向けてどのような調整を行っていますか?

メインはしっかり集中して練習をすることです。気持ちを高めていくためのスケジュール調整も大切にしています。

――試合に向けての意気込みをお願いします

相手を倒して勝ちたいと思います。

西尾亮佑選手

年齢:35歳

階級:スーパーフライ級

戦績:(今回がプロデビュー戦)

――ボクシングを始めたきっかけをお聞かせください

中学の卒業アルバムに「ボクシングの世界チャンピオンになることが夢」と書きました。何も成し遂げてない今の自分を中学生の自分が見たらがっかりするだろうと思い、夢をかなえようと34歳のときにボクシングを再開しました。

――ボクシングを再開して感じたことはありますか?

とにかく楽しいですね。プロボクサーになるという夢を桑原会長にかなえてもらったので、恩返しをしたいと思います。

――逆に大変な部分は?

個人事業主として、ペット用品販売とWebエンジニアの仕事を掛け持ちしながらボクシングに取り組んでいるので、練習時間の確保が難しいことがあります。

――試合に向けての意気込みをお願いします

お客さんに楽しんでもらえる試合ができればと思います。

HonKi Battle vol.1

開催日: 2024年6月16日(日)

開場:12:00

試合開始:12:30

チケット:前売5,000円、当日6,000円

会場:小倉北体育館(北九州市小倉北区三郎丸3丁目4−1)

お問い合わせ:HKスポーツボクシングジム(093-473-3233)