アイドル歌手の田中久美さんが、デビューから40年の節目を迎えました。1983年、ホリプロタレントスカウトキャラバンでの優勝をきっかけに、翌年3月にシングル「スリリング」でデビュー。現在は北九州を拠点に活動を続ける田中さんが、9月28日に下関で40周年記念ライブを開催します。
40年の歳月を振り返り、デビュー当時の思い出や今の活動について、お話を伺いました。
――デビュー40周年を迎え、どのように感じていますか?
田中久美さん:芸能界から離れていた時期もあったんですが、本当にあっという間の40年でした。今回、40周年記念で同級生とライブをすることになって。10年も20年も会ってないはずなのに、時間が経った気がしないんですよ(笑)。まるで高校生に戻ったみたいな感覚です。
――田中久美さんのデビューまでの道のりを聞かせてください。
田中久美さん:1983年8月に行われた、「ホリプロタレントスカウトキャラバン」というオーディションに優勝したのがきっかけです。すぐに上京し、翌年3月にシングル「スリリング」でデビューしました。
――初めての上京に不安はありませんでしたか?
田中久美さん:最初は「これからどうなるんだろう」という不安の方が大きかったかもしれないです。実際に東京に着いてみると、まず言葉のイントネーションの違いに戸惑いました。
――デビュー前の準備期間はどのように過ごしましたか?
田中久美さん:めちゃくちゃ厳しかったです。堀越学園への編入手続きがうまくいかなくて、実は2学期の間、全然学校に行けなかったんですよ。ひとりで寮から会社に行って、会社近くのレッスン場でレッスンを受ける毎日でした。
レッスン場では、一般のレッスン生に交じって発声やダンスの練習をしました。あとは「人と話しなさい」と言われて、会社で電話応対の練習をしたこともあります。「ホリプロでございます」みたいな(笑)。おかげでイントネーションの心配もなくなりました。
それから、座り方や歩き方まで厳しい指導を受けました。ヒールなんて履いたこともないのに、ヒール歩きの練習までさせられて。今までの生活とは全然違って戸惑いましたけど、今考えると本当にいい経験だったと思います。
――デビュー当時のことを教えてください。
田中久美さん:高校1年生の終わりごろ、1984年3月にデビューしました。実はそれから2年間の芸能活動の記憶があまりないんですよ。昔の映像や記事を見て、「ああ、こんなこと言ってたんだ」って思うことばかりで(笑)。
――同級生、同期にはどなたがいましたか?
田中久美さん:堀越の同級生には、岡村有希子ちゃん、亡くなっちゃいましたが岡田有希子ちゃん、長山洋子ちゃん、わらべの倉沢淳美ちゃんがいました。桑田靖子ちゃんは同級生ですがデビューが1期上で、1学年下の荻野目洋子ちゃんは同期でした。
――当時の活動の中で、特に印象に残っていることはありますか?
田中久美さん:当時、全国各地のテレビ局で行われた新人賞や音楽祭で堀越の同期と一緒になることが多く、まるで修学旅行のようでした。おかげで、どこに行っても楽しく仕事ができました。
――その後の活動についてお聞かせください。
田中久美さん:デビューして約2年でホリプロを辞め、地元に戻りました。その後、一時期井筒屋さんで働いたんですが、そのときにちょっとした騒動が起こってしまって(笑)。(編集部注:田中久美さんを一目見ようと大勢の若者が井筒屋に詰め掛けました)
現在は、北九州を拠点に歌手活動を続けています。最近、昭和歌謡がブームになってきて、私たち世代の歌がまた注目されるようになり、若い人たちも聴いてくれるようになりました。実は、25年くらい前に「昭和歌謡をやりたい」って言い出したんですが、そのときはあんまり相手にされなくて(苦笑)。それが今、こうして注目されるようになって、続けてきてよかったなって思います。
ホリプロ時代から応援してくださっている方もたくさんいて、本当にありがたいです。井筒屋で出会った方々との交流も今でも続いていて、地元に戻ってからも多くの方に支えられてきました。皆さんの応援があったからこそ、この40年間歌い続けられたんだと思います。その間に結婚して子どもも生まれ、いろんなことがありました。振り返ると、本当に貴重な経験の連続でしたね。感謝しかありません。
――今回の40周年記念ライブの見どころはどこでしょうか?
田中久美さん:デビューして40年の私と渡辺かえ(岡村有希子)ちゃんに加え、堀越で同級生だった河上幸恵ちゃん、元宝塚歌劇団の森奈みはるちゃんをお招きしています。それぞれが、今歌っている曲だけではなく、昔歌っていた曲も披露します。
河上幸恵ちゃんはホリプロの寮で同じ部屋だったんです。普段は絶対に話せない秘話も飛び出すかもしれませんよ。2時間の予定ですが、話が尽きなくて終わらないかもしれません。
――最後に、今後の目標をお聞かせください。
田中久美さん:北九州でもっと活動の場を広げていきたいですね。また、後進の育成にも携わり、これまでの経験を若い世代に伝えられたらいいなと考えています。
(協力:フェアリーシスターズ Office & Studio)
日時
2024年9月28日(土)16:00 開演
会場
マリアージュ下関 (フルーレゾン)
下関市一の宮町4丁目2-8
料金
¥5,500 (税込) ※軽食・1Drink付
田中久美
第8回ホリプロタレントスカウトキャラバン グランプリ受賞。
1984年「スリリング」でデビュー。
2000年より、地元で歌手活動再開。
現在は、北九州を中心にボーカリストとして活動中。
渡辺かえ
平尾昌晃ミュージックスクール福岡校出身。
1984年、岡村有希子「哀しみのレイン・トリー」でレコードデビュー。
7年間の歌手活動を経て下関へ帰郷
現在、カモンFMやJ:COM下関の番組出演を中心に活動中。
森奈みはる
宝塚歌劇団元花組トップ娘役。
退団後はテレビドラマ「水戸黄門」をはじめ、舞台を中心にミュージカルや劇団☆新感線「蒼の乱」「薔薇とサムライ1、2」
他、コンサート、ツイキャス配信等で活躍中。
河上幸恵
第36回「スター誕生!」グランドチャンピオン。
1983年「ブルーエトランゼ」でデビュー。
4年間の活動を経て神戸へ帰郷。2019年活動再開。
ラジオ関西「河上幸恵のゆる~くふわっと魔法の時間」パーソナリティー。
YouTube「河上幸恵チャンネル公式」。