・北九州市に来たばかりで知り合いがいない
・外食してリフレッシュしたいけど、このご時世、人を誘いにくい
などの理由で、いわゆるソロ活を余儀なくされる機会も多々あるかと思いますが、初めてのお店に一人で入るのはなかなか勇気がいるものです。
そこで、一人で行っても馴染みやすい、一人なのに不思議とさみしくない!そんな、北九州市のカウンターのあるお店をご紹介していきたいと思います。
店主さんとおしゃべりしたり、他のお客さんと仲良くなったり。 “一人だからこそできる楽しみ方”をぜひ北九州市で極めてください。
【oitoma】
最初の一歩
小倉駅から歩いて5分、都会のオアシスのようなお店をご紹介します。
駅から飲み屋街の方に歩いていくと、かわいらしい看板が灯っており、目を引かれます。外からも一階のカウンターの様子が伺えるので入りやすい!いざ入店。
一階はL字型のカウンター席と、プラス、お客さんが多ければ手前で立ち飲みスタイルもアリのようです。おひとり様にやさしいスタイル。
おひとり様以外は、二階がおすすめ。見てください、このお洒落な雰囲気・・・!こんな素敵な空間が広がっているなんて、ちょっとしたサプライズ感があって誰かを連れていきたくなります。
オイトマがオイトマである所以
店主さんは先輩から譲り受ける形で2020年、ここで『Beer café Bravo!』というお店をオープン。ですが、オープン後すぐにコロナによって休業状態に。再開するタイミングで、名前を【oitoma】に変えたそうです。
ん?休業していたからお暇・・・??
そんなユーモアも一つの理由ではあるそうですが、“オイトマ”にはいろんな思いも込められています。みんなが“お暇”をしに来る場所であってほしい。仕事中だろうが飲み会の途中だろうが、ここに来ればいつでも自分をオフにできる場所であってほしい。
なんと言ってもお店のコンセプトは「だらだらしてほしい」なんです!
その思いがお客さまに伝わっているからか、不思議なことに店名を変えてから穏やかなお客さまが増えたそう。滞在時間が長いお客さまが多く、お店としては困るかなと思いきや、店主さん曰く、逆に「お客さんが早く帰ると不安でしょうがない」とのこと(笑)。
「お店はできるだけ自分の家のような感覚にしたいので、お客さんというよりは友達が来たくらいの感じ」なんだとか。なるほど、お客さまに長居してほしい、という店主さんの気持ちも納得です。
それぞれのおひとり様スタイル
カウンター利用の男女比は半々くらいで、料理を楽しむ人、スタッフさんとおしゃべりをする人、本を読む人などそれぞれのおひとり様スタイルを楽しんでいるそう。店主さんは初めてのおひとり様には軽く一声かけて、そっとしておくかどうか判断するとのことなので、おひとり様を没頭したい人も安心です。常連さんの中にはまったく話さないのによく来てくれる人もいるそうで、料理やお店の雰囲気など、「何かがその人にハマっているんだろうなと思うと嬉しい」と店主さん。その人がどんな過ごし方をしたいのか一人一人きちんと尊重してくれるので、それぞれがそれぞれ違うことをしているのに、不思議とオイトマの雰囲気はひとつにまとまっていてなんだか居心地がいいんです。そういえば友達の家に行ってもゲームをしたり、漫画を読んだり、みんな好き勝手していたけど不思議と居心地よかったなぁ、なんてことを思い出しました。
オイトマといえば、ビール!
オイトマはビール好きにはたまらないラインナップが魅力。わたしはあまり詳しくないので、おすすめを選んでいただきました。
国産の奈良『ファンクション』は“セゾン”をいうスタイルに分類されるクラフトビール。ビールはこの“スタイル”を覚えると、味の好みがはっきりしてどのお店に行ってもビール選びに迷わなくなるそうです。
セゾンはベルギーで秋冬に農家さんが仕込んで夏の休憩時間に自分たちが飲むためにつくったビールで、夏だけのビアスタイルなので、特に今の時期おすすめ。この『ファンクション』は白ワインのような酸味と甘みがあって飲みやすく、一杯目にも向いています。
「ビールは遊び心がある」と店主さん。十分詳しいのですが、試飲会をしたりとまだまだ勉強中ということで、これからも飽くなき探求心でたくさんの美味しいビールがお店に登場すると思うとわくわくしますね。
そんな店主さんが一押ししているのはベルギービール。酵母が特徴的で香りや味わいが豊かで芳醇なものが多いとのこと。「できるだけ時代に合っているものを選んでいる」とのことで、オイトマに行けば、ビールの“今”を味わうことができます。もちろんビールだけでなく、ノンアルコールや果実酒も。ワインにもこだわっており、赤、白だけでなくオレンジも取り揃えています。
厳選された料理メニュー
お料理もとにかくすべてが美味しいオイトマ。料理に関しては、詳しくコアにやるよりは純粋に楽しんでもらおう、という思いでオーソドックスなものにメニューを絞り、フレンチを知るきっかけになれば、と店主さん。メニューを絞っているとはいえ、季節や仕入れによってメニューは変わるので、何度来ても楽しめます。
私がまずいただいた“パテ・ド・カンパーニュ”は、どのお店も同じものはなく、一番シェフの個性が出るメニューなんだとか。そう聞くと、しっかり味わって食べようと思うし、カンパーニュが美味しかったらこのお店は間違いない!という指標にもなりますよね。まんまと店主さんの策略にハマり、俄然フレンチに興味がわいてきます。
そんなわけで、おひとり様なのに温野菜から“ブリック包み焼き”、メインから“皮付きポークのトロ煮”も注文。嬉しいのは、オイトマさんの料理は一人でも食べやすいサイズ感が多いということ。私のようにフレンチに興味がわいて気になるメニューは食べないと気が済まない!という方も、後悔しないように思う存分食べていただければと思います。
魅力が尽きないオイトマ
店内にはレコードやターンテーブルなどもあり、美味しいお酒と料理だけでなく音楽も楽しめるオイトマ。かかっている音楽もいつもオシャレなので、おひとり様は音楽に耳を傾けるだけでも贅沢な時間が過ごせると思います。若いスタッフさんがイベントをしたり、今後は場所貸しも考えているそうなので、お洒落な空間で音楽イベントなどを開催したい人には最適です。
ふとした時間の隙間に、自分を解放したいときに、寄りたくなる。お暇には休暇という意味と、帰るという意味があります。オイトマは自分の思考や立場を少し休みたくなったときに、帰りたくなる場所。まさにお暇のようなお店です。ぜひ羽を休めに、ふらりと立ち寄ってみては?
店舗情報
小倉北区鍛冶町2丁目4-11
営業時間/17時頃~22時半頃(日曜日は22時まで)
定休日/月・火曜日
※臨時休業などの情報はInstagramをご確認ください
もちろんみんなでわいわいするのも楽しいですが、ひとりの楽しみ方は無限大!特に北九州市は人懐っこい人が多いので、店主さんもお客さんも気軽に話しかけてくれてすぐに打ち解けられる、ソロ活にはもってこいの地域です。これからもひとりで行ってもさびしくない、親しみやすいお店を紹介していきますので、お楽しみに!
協力:門司港ゲストハウスポルト
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