インタビュー企画「KITAQ Style 1000 Project ~北九州市の“人”をもっと知る~」

北九州でカウンターを極める【7】~『キッサネコノジ』編~

・北九州市に来たばかりで知り合いがいない

・外食してリフレッシュしたいけど、このご時世、人を誘いにくい

などの理由で、いわゆるソロ活を余儀なくされる機会も多々あるかと思いますが、初めてのお店に一人で入るのはなかなか勇気がいるものです。

そこで、一人で行っても馴染みやすい、一人なのに不思議とさみしくない!そんな、北九州市のカウンターのあるお店をご紹介していきたいと思います。

店主さんとおしゃべりしたり、他のお客さんと仲良くなったり。 “一人だからこそできる楽しみ方”をぜひ北九州市で極めてください。

【キッサネコノジ】

最初の一歩

若戸大橋の真下、海沿いに近代建築が立ち並び、景観が美しい若松南海岸通り。歩くだけでも心地の良いこの通り沿いに、【キッサネコノジ】はあります。若松駅からは徒歩10分ほど、若戸渡船に乗れば渡船場から2分ほどの場所です。

キッサネコノジがあるのは“ねこのじterasu”の一階。ねこのじterasuには雑貨屋さんやカメラマンさんの拠点が集まり、シェアショップのようになっています。
一階のキッサネコノジさんの入り口には、「おひとり 又は おふたりでご利用ください」の文字。そう、キッサネコノジさんは少人数推奨のカフェなんです。おひとり様でも安心して入れますね。

美しい景色と本気のノスタルジー

ゆったりと落ち着ける雰囲気の店内には、二人掛けと一人掛けのソファが設置されています。そして・・・

こちらがカウンター!海を臨める最高のロケーションです。大きな窓なので店内のどこにいてもこの美しい景色を眺めることができます。窓側を向いたソファ席があるのも嬉しいですよね。
私はもちろん、特等席であるカウンターに陣取らせていただきました。

見てください、この景色…!海は年中通して穏やかで波がなく、見ていて心が落ち着きます。変化がないかと言うとそうではなく、大きな船が通りかかったりして、海を見ながらいくらでもぼーっと過ごせそう。
景色ももちろん素晴らしいのですが、古い建物特有の肌になじむ、気の張らない居心地の良さも魅力の一つ。築65年ということで雨が降ったらお店を閉めるそうですが、「傷んだところも味」と店主さん。お客さまは「それでいい」と言ってくれるし、そこを含めて気に入ってくれる人が集まってくるそうで、景色だけでなく建物も愛されていることがわかります。

“放置系”カフェ

キッサネコノジはお店のドアにも貼ってある通り少人数を推奨しており、おひとり様も多いそうです。コロナをきっかけに、というわけではなく、もともと「人のことなんて気にしないで静かにのんびりしてほしい」というのが店主さんの理想とするカフェの形でした。結果的に時代のニーズとマッチし、“落ち着いた大人の空間で少人数でゆったりと過ごしたい”という人たちに重宝されるようになったんですね。

おひとり様のお客さまはおじいちゃんおばあちゃんから若い人まで多種多様で、男性一人、というお客さまも多いんだとか。本を読んでいる方が多いそうですが、何もせずぼーっとしているだけの人も多いとのこと。一人でゆっくりできる場所ってなかなかないですもんね。常連さんにとっては、とっておきのサードプレイスなのかもしれません。

このシリーズでは、一人で行っても店主さんやまわりのお客さんが話しかけてくれるお店を紹介することが多かった気がしますが、キッサネコノジさんは店主さん曰く、“放置系”。そっとしとくのが一番!ということで、なるべく過度な接客はしないように配慮しているそう。「みなさんの好きにしてほしい」という店主さんの想いの通り、店内ではみなさん思い思いに過ごされているようです。二人で来ても何もしゃべらず各々ぼーっとしているだけのお客さまがいたりと、キッサネコノジは自由気ままに過ごせる癒しの空間のようです。
実際にのんびり過ごしたお客さまからは「一度座ってしまったら立てない」「帰りたくない」と言われることも多いそうで、実際にカウンターで過ごした私としては全くの同意見でした…ずっと居たかった!

キッサネコノジのはじまりとは

そんな中毒性のあるキッサネコノジはオープンして今年で15年目。キラキラした若者向けのカフェが多かった当時、「疲れている大人がゆっくりくつろげるカフェってないな…だったら自分がつくるか!」ということで自らカフェを始めることに。もともとカフェ巡りが好きだった店主さんは、一緒にカフェ巡りをしていた友人と「いつかお店を出そうね」という話をしていたそうで、たまたまこの場所と出会い、そして二人のタイミングもかみ合って、実際にキッサネコノジをオープンさせました。やりたいね、と話していてもなかなか実行に移すのはむずかしいものですが、お互い信念が強く、そして二人のバランスも良かったようです。店主さんはずっとお店をやりたいとは思っていたものの、料理やお菓子など、自分が何か作れないといけない、自分が何か生み出さないといけないと思い悩んでいたそう。しかし、できないことに手を出すのではなく出来ることをやればいい、と気づいた店主さん。店主さんはお店がつくりたい、そして友人はお菓子がつくりたい。「一緒にやればいいんだ!」という思いに至ったことがキッサネコノジ誕生のきっかけとなりました。

シンプルイズベストなメニュー

キッサネコノジのメニューは軽食からスイーツ、紅茶まで様々ですが、この15年で好きなものが残り、シンプルなメニューに落ち着いたそうです。

シンプルとはいっても、目移りする豊富なラインナップ。最近はクリームソーダ目当てのお客さまも多いとのことで、私もパインのクリームソーダをいただきました。鮮やかな黄色と、青い海と空のコントラストで狙ってなくても映える…!

そして気になってしかたなかったので、厚切りトーストのりんごバターもお願いしました。パンは店主さんが大好きな戸畑の『パンの食卓 一の粉』さんのパンを使用。キラキラ輝く黄金色のりんごバターを分厚いトーストと一緒に噛みしめると、じゅわっと口いっぱいに広がる爽やかな甘さ・・・ひとくちひとくち幸せを噛みしめる至福の時。
マヨネーズは使っていないというサンドイッチも15年前からある人気のメニューで、ファンが多いそうですよ。

さて、あまりの居心地の良さについ時間を忘れて長居してしまった私、せっかくなので紅茶もいただくことに。(まさに立ち上がれなくなる、を体現した瞬間)
せっかくなので、一緒にお店を立ち上げた『GOURD』さんのクッキーも一緒に。(『GOURD』さんは現在門司港に店舗を構え、仕入れがあればキッサネコノジでもいただくことができます)
オープン当初はまだ紅茶の種類がたくさんあるお店は少なかったそうですが、店主さんは紅茶好きということで数種類の紅茶が用意されています。飲むとなんだかほっとして心がポカポカする紅茶とキッサネコノジさんとの相性がまた最高なんです。(さらに長居してしまうことに気付いた瞬間)

ねこのじterasuの仲間たち

冒頭でもご紹介しましたが、キッサネコノジがあるのは“ねこのじterasu”というシェアショップの一階。一階には自然素材で雑貨を製作している『手しごと雑貨 ニコ屋』さんも入居しています。色とりどりのかわいい雑貨たちに胸が躍りますね。“手しごと”だけあって、丁寧につくり込まれており、愛情を込めてつくられていることがわかります。ワークショップを開催したり、オーダーも受け付けているとのことです。

現在キッサネコノジは店主さんお一人で切り盛りされていますが、ねこのじterasuは「一人になって大変だったのでみんなを巻き込んだ」と店主さん(笑)。ねこのじterasuのお店はみんな“同志”とも語っていて、ふだんはいい距離感で各々自由にやりながらも、どこか心強い存在として支えになっているんだろうなぁ、と感じました。

愛がある場所キッサネコノジ

都市部からは少し離れた、“郊外にある景色のいいカフェ”が、自分のやりたいことに合っていた、という店主さん。「綺麗なところより味のあるここがやりやすい」とおっしゃっていましたが、店主さんがこの場所を愛し、この建物を愛しているからこそ、お客さまもこの雰囲気に惹かれ、この景色に惹かれてやってくるのだと思います。
とにかく時間があっという間に過ぎてしまうキッサネコノジ。毎日のようにそこにいる店主さんも、「海の顔は毎日変わる」とおっしゃっていたので、季節や時間帯によっても顔が変わる海を想像して、またのんびりしに来よう、と心に誓いつつお店をあとにしました。ぜひみなさんも、時間に余裕をもって、のんびりゆったり過ごしにキッサネコノジを訪れてみてください。

店舗情報

 

若松区本町1丁目11−14

営業時間/12時~17時(16時オーダーストップ)

定休日/日曜日

※臨時休業などの情報はInstagramをご確認ください

さいごに

もちろんみんなでわいわいするのも楽しいですが、ひとりの楽しみ方は無限大!特に北九州市は人懐っこい人が多いので、店主さんもお客さんも気軽に話しかけてくれてすぐに打ち解けられる、ソロ活にはもってこいの地域です。これからもひとりで行ってもさびしくない、親しみやすいお店を紹介していきますので、お楽しみに!

協力:門司港ゲストハウスポルト

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