9月23日(金・祝)~25日(日)の3日間、小倉駅近くのAIMビル6階・COMPASS小倉で、“アトツギ”が新規事業の開発プロセスを学ぶ実践型体験イベント「アトツギWeekend北九州」が行われました。
アトツギとは「中小企業の事業後継者」を指す言葉として近年定着してきたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
本イベントは、39歳以下の“アトツギ”向けの、新たな事業の開発プロセスを学ぶ実践型体験イベントで、金曜日の夜から日曜日までの54時間で仲間づくりをしながらアイデアのプロトタイプを作りあげます。
アトツギWeekendは、スタートアップ実践イベント「Startup Weekend 北九州」でオーガナイザーを務める糸川 郁己さんが企画。各地の有志アトツギが一般社団法人ベンチャー型事業承継との協力により実施する取り組みです。
初開催となるアトツギWeekend北九州vol.1では、北九州のアトツギである有限会社白石工業取締役の白石 周朔さんが中心となり、福岡、大分、山口のアトツギたちがオーガナイザーとして開催に向けて会場調整やスポンサー集め、告知などを進めてきました。
そして開催を迎えた金曜の夜、中小企業の2代目、3代目、中には7代目のアトツギ、総勢8名が集まり、会がスタートしました。
和気あいあいとした雰囲気はありつつも、参加者は皆真剣そのもの。
年齢こそ30代以下という共通点があるものの、業種や創業年数もバラバラな「アトツギ」たちが、新規事業を作り上げます。
2チームに分かれたアトツギたちは、プライベートや仕事で日ごろ感じている課題を複数挙げ、その課題を解決する事業を2日間かけて考えます。
それぞれのチームで考えた事業に対して、2日目の14時からは3名の「アトツギ」によるコーチングが行われました。
コーチはそれぞれのチームに「気づき」を与える質問を連発。その結果、2チームのうち1チームは、事業を一から練り直すという事態に。Startup Weekend 北九州でも見かけた光景です。
しかし、参加者は「アトツギ」として日ごろから家業に向き合っているからか、事業のアイデアが次々と出てきます。
下関市出身の実業家・森若 幸次郎さんの講話を挟み、「アトツギ」たちは遅い時間までチームごとに議論を重ねました。
そして3日目。
夕方に行われるプレゼンテーションに向けさらに事業をブラッシュアップします。前日に事業をピボットしたチームも、事業内容が二転三転しながらもしっかりと事業を組み立てます。
16時30分にスタートしたプレゼンには、アトツギ3名を含む9人が見学者として参加。
両チームとも熱量の高いプレゼンを披露しましたが、2日目に事業をピボットした「チームのじ」に軍配が上がりました。
金曜日の夜から日曜日までの54時間、8人のアトツギたちが走り続けた「アトツギWeekend北九州」は無事終了しました。
ファシリテーターを務めた糸川さんはこの3日間を振り返って「家業を継ぐという生まれながらに与えられた役割だけでなく、自分事として実現したい夢や志を持つきっかけが得られ、それを共に語り合える仲間と繋がることが出来る場が出来た。この場が次に続くようこれからも取り組みたい」と話してくれました。
北九州、いや九州にはまだまだたくさんの「アトツギ」たちがいると思います。少しでもこのイベントが気になった方はぜひ次回、ご参加ください。
今回が初回の「アトツギWeekend北九州」と、既に8回行われている「スタートアップWeekend北九州」は相互に補完しあえる関係のコミュニティだと感じました。この両コミュニティの盛り上がりが、今後の北九州市の活性化に大きく寄与するのではないかと考えます。