北九州市の伝統工芸と酒造りが出会い、新たな地域ブランドが誕生した。
福岡県北九州市に本社を構える溝上酒造株式会社と、400年の歴史を誇る北九州市の伝統工芸「小倉織」のブランドを展開する株式会社小倉縞縞が共同企画した日本酒「天心 介」が完成。4月21日、北九州市長に完成報告が行われた。
■ 歴史を重ねて生まれた一本

小倉織は400年、溝上酒造は80年の歴史を持つ。北九州が誇る2つの伝統が出会い、初の共同企画の商品が誕生した。
長年の構想が実り、北九州の伝統が食の領域で交差した。「北九州で一緒に何かできないかという思いがありました。今回ようやく形にできて、本当にうれしいです」と、株式会社小倉縞縞 専務取締役の築城弥央さん。「日本酒の最終形状として、どこまで差別化を出せるかを考え抜きました。味は辛口ですが、最初はまろやかで、あと口はキリっと締まる仕上がりになっています」と、溝上酒造株式会社 代表取締役の溝上智彦さんは語った。
■ 見た目と味わい、どちらも新しい

完成した日本酒は、甘さと辛さが交錯する味わい。市長もその場で試飲し、「甘いだけでなく、辛いだけでもないですね。上顎では辛さ、舌では甘さを感じる。不思議なバランスで、優しさと力強さが同居しています」と感想を述べた。
「見た目で感じた印象を、飲んでも裏切らない仕上がりにしました」と築城さん。パッケージにもこだわり、「紙の箱ではなく、小倉織の生地で包んでいます。こうすることで、捨てずに使ってもらえることにもつながればと思っています」と語った。
■ 海外での反響と広がる展望

このお酒は、4月上旬にイタリア・ミラノで開催されたイベントでお披露目された。現地のレセプションには200人以上が来場し、完成した商品が披露された。
「ミラノでは、まず見た目で驚かれ、飲んで“これは期待を裏切らない”と言ってもらえたのが嬉しかったです」と築城さん。「海外でも、北九州の伝統が伝わるという実感がありました」と振り返った。
■「PREMIUM」「BASIC」の2種展開

商品は、ラベル違いで「PREMIUM」「BASIC」の2種類が用意されている。4月24日(木)から、数量限定で溝上酒造直営店および酒類販売店にて販売を開始する。
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