肌荒れトマトを活用した「トマトのおんがえしカレー」 北橋市長へお披露目 #PR

子ども食堂支援の協定を結んでいる九州栄養福祉大学(小倉北区)と響灘菜園株式会社(若松区)は2022年初頭から、同社で発生する約100トンの肌荒れトマト等を活用したカレーの開発に取り組んでいます。

同社の生鮮トマト生産量は、年間およそ3,000トン。しかしその中で約3%を占めている肌荒れ・空洞果などのトマトは、店頭での日持ちがしないなどの理由により廃棄を余儀なくされています。

このプロジェクトで開発されたカレーは、若松区のモンゴルカレー(株式会社マル商)のサポートによりレトルト化し、北九州市内の子ども食堂への支援を予定しています。
市内の子ども食堂で毎年食べ続けられること、そして子どもの卒業後にお土産として配ってもらったり、懐かしんで食べてもらったりすることが、このプロジェクトの最終目標です。

これまでの活動

今回の活動

前回の記事で紹介した通り、肌荒れトマトを活用したレトルトカレーの商品名が「トマトのおんがえしカレー」に決定しました。廃棄されるトマトがレトルトカレーになり、”子ども食堂等で食べてもらう=復活しておんがえしする”様子をイメージしてつけられたものです。

「トマトのおんがえしカレー」の商品化に向け、プロジェクトは進みます。

12月27日(火)には、北橋健治北九州市長へのお披露目会が行われました。

お披露目会には響灘菜園株式会社の猪狩英之社長と土谷加奈子さんを始め、商品のレシピを担当した九州栄養福祉大学の大村美智子教授、室井由起子准教授と学生6人、商品パッケージとネーミングを担当した西日本工業大学の梶谷克彦教授と学生8人、その他関連する団体、企業から総勢24名が参加しました。

響灘菜園・猪狩社長は「1年間で生産する約3,000トンのトマトのうち、約3%にあたる100トンのトマトが毎年廃棄になっています。SDGsの目標のひとつ『つくる責任』を考え、九州栄養福祉大学と北九州市子育て支援課に相談して今回の取り組みがスタートしました。今後弊社がサステナブルな取り組みを進めていくきっかけにしたいと考えています」と話しました。

今回のプロジェクトはコロナ禍の下で進行したため、コミュニケーションが難しかったと話すメンバーも少なくありませんでした。レシピを担当した九州栄養福祉大学食物栄養学部食物栄養学科の緒方美優さんもそのひとり。以前「コロナ禍でリモート会議が中心だったため、味や情報を伝えることが難しく、レシピの開発に苦労しました」と話していました。

緒方さんはこの日のお披露目会で「このレトルトカレー1つにつき、トマト1個(約100グラム)が使われています。酸味を和らげるためにサツマイモを使い、子どもたちが好むような味に仕上げました。子どもたちがこのカレーを食べることで食品ロスやSDGsについて少しでも考えてほしいと思っています」と商品に込めた思いを披露しました。

九州栄養福祉大学の大村美智子教授(後列右から2人目)、室井由起子准教授(後列中央)と学生たち

ネーミングやパッケージデザインは西日本工業大学デザイン学部情報デザイン学科の梶谷ゼミが中心となって進めており、北九州市のグラフィックデザイン事務所・株式会社岡崎デザインの岡崎友則さんが監修を行います。

同学科の廣渡新さんは「味は抜群だが店頭に並ぶことのないトマトを『復活トマト』としてアピールしたいという九州栄養福祉大学さんの思いを込め『復活トマトたっぷり100グラム入り』ということをアピールして商品を展開予定です。『美味しさでフードロス対策に取り組んでいく』という気持ちが伝わるように『鶴のおんがえし』を参考に『トマトのおんがえしカレー』と名付けました」と、ネーミングの理由などを明かしてくれました。

同学部の仲宗根盛太さんはパッケージデザインについて「SDGsを意識、ストーリーを前面に出して『おんがえし』感を意識したデザインを提案しました。見た目だけではなく、陳列されたときのことを考えながらデザインを考えているので、とても貴重な経験をしています」と話しました。

西日本工業大学デザイン学部情報デザイン学科梶谷ゼミの学生たち

北橋市長は「廃棄トマトの活用はSDGsの観点でも素晴らしい着眼点だと思います」と話した後「食品ロスを減らすことと子ども食堂を応援するというコミュニケーションを大事にしながら、企業、大学、市の産学官一体となったパートナーシップによって目標到達を目指しており、SDGsの理念にかなう素晴らしい取り組みです。ぜひこの取り組みを多くの市民に知ってもらい、私たちの社会に根を下ろして発展することを願っています」と、本プロジェクトに対しての感想を述べました。

その後、市長、北九州市子ども家庭局の清田局長、高橋部長が試食。市長の「トマトの味が前面に出てくると思っていたのですが、そこまで酸味も強くなく上品ないい味でした」との感想に、参加者一同胸をなでおろしました。

「トマトのおんがえしカレー」商品化は2023年の2月~3月を目標としています。

本プロジェクトの続報は、引き続きキタキュースタイルでお伝えします。

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「ベジホーム!」とは、響灘菜園が提供しているトマト栽培アプリです。
水を与える量や、実や葉を残す量などをアプリ上で指示すると、スタッフの方がその通りに育ててくれます。
トマトの生育状況は毎週アプリ上で公開されるので、自分のトマトの育ち具合を確認することができます。

そしてなんと、アプリ上で自分で“育てた”ミニトマトは、月に1度箱詰めされて送られてくるんです。
まさにリアル果物育成ゲームですね。

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