小倉北区で人材派遣業等を営む株式会社イコールの特集記事第1回は代表の花田 佳征さんインタビューです。Web3.0やメタバースにも取り組み、着々と将来への道筋を描いている花田代表にお話をうかがってきました。
ーー株式会社イコールさんの事業内容をお聞かせください
メインは人材派遣業です。新規事業としてDXやWeb3.0に通じる事業に取り組んでいて、別会社で建設業も営んでいます。
ーー人材派遣の仕事を始めるようになったきっかけを教えてください
もともとは電子タバコの販売をやっていました。最初はトントン拍子で売上も伸びましたが、大手が参入したことで売上が低迷し始めました。ちょうどそのときに他の事業も視野に入れていたこともあり、建設業の会社を作りました。
最初は3人でスタートし、その後も割とスムーズにスタッフが増えていったのですが、中にはスキルや年齢などの問題で建設業で働くことができないという方もいました。その方たちに選択肢を与えられるような会社にしていこうと考え、労働者派遣事業の許可を取得し人材派遣の会社を設立しました。
ーーゼロから人材派遣業を始めるのは大変じゃありませんでしたか?
何も分からない状態で人材派遣業を始めたので、契約書や単価などですごく苦労しました。契約書を何度も作り直すよう言われたり、単価が低すぎて赤字になったりしたこともあります。
ーーどのように仕事を獲得していったのでしょうか?
取引先の企業さんを増やすために、Excelで営業する会社さんのリストを作って、順番に連絡していきました。その結果、約20社から受注することができました。
どちらかというと、働く人を集めるほうが大変でした。ハローワークの外を歩いている人に声をかけたりしたこともあります。
人材派遣業に関しては、会社の理念としても掲げている「地方創生」の一環と考えて取り組んでいます。
当社は他社さんと比べて、給料も高いんじゃないでしょうか。
自分たちが利益をたくさん取るというよりも、企業としての経験値を増やしていくことで、後に大きな収穫になっていくのかなと考えています。
ーーちなみに、どういった業種へ派遣されているのでしょうか?
一般的に、人材派遣会社の派遣先は自動車メーカーの工場が多いのですが、当社は自動車関係はさほど多くなく、携帯電話のショップや倉庫作業など幅広い業種に派遣しています。
ーー現在運営している求人サイト「JOINT JOB」についてお聞かせください
過去に大手の求人媒体で自社スタッフの求人をしていたのですが、費用対効果があまりよくなかったんです。だったらいっそのこと自社で求人サイトを運営したほうがいいんじゃないかと思いました。ちょうど北九州に特化した求人サイトもなかったこともあり自社で求人サイトを立ち上げました。
大手の求人媒体と違い、お金を出したから上位に表示されるというものでもなく、全てランダムに表示されています。北九州に特化したサイトなので、北九州の工場や飲食店など、いわゆる中小零細企業さんとかに使っていただきたいと思っています。
2023年9月までは掲載料を無料にしているんです。その後も、掲載料の問題でこれまで大手の媒体に求人を出すことができなかった企業さんにとって掲載しやすい価格にする予定なので、利用してくださる企業さんが増えていくんじゃないかなと思っています。僕らもそこで価格を高くして利益を出そうとは考えていません。
求人サイトの運営も地方の活性化の一環になればと考えているので、地域に寄り添った求人媒体でありたいと思います。
ーーメタバースやNFTなどの新規事業を始めたきっかけを教えてください
世の中がデジタル化されていく中で、お金も例外ではないと思っています。仮想通貨やメタバース空間がこの北九州にあれば、地方創生につながっていくんじゃないかと考えたことがきっかけです。
現在は、自社でメタバースの空間を作ったり、NFTやアバターを作ったりしています。将来的にはそれをブロックチェーンの仕組みに乗せていきたいと考えています。
これまでは北九州=工業の街というイメージでしたが、IT産業にも強いところを見せることで街の活性化につながるといいなと思います。
ーー会社や事業の将来像をお聞かせください
時代の流れが早すぎて会社の将来のイメージがわかないのですが、メタバースにしろNFTにしろブロックチェーンにしろ、継続してやっていくつもりです。
その中で、北九州でIT企業としての知名度を上げ、多くのエンジニアやプログラマーを雇用できる会社にしていきたいです。
将来はメタバースの空間でスペースワールドやかつての姿の旦過市場を作れたらいいなと考えています。
また、リアルな社会では働きにくい障がい者の方や引きこもりの方がこの仮想空間の中だったら働ける、といったことを実現できるよう、思いを同じくする社員と一緒に取り組んでいきたいです。
当社の強みは、今取り組んでいる人材派遣やWeb3.0、メタバースなどの事業に時間をかけられることです。Web3.0やメタバースのことを多くの人が認知するまでにはあと5年~10年ほどかかりそうですが、当社は覚悟を持って取り組み続けます。時間をかけ強くして、それをこの街に反映させたいと思ってます。
ーー花田さんご自身が将来やりたいことはありますか?
僕はこの街でずっと生きていくと思うので、この街のことしか考えていません。
子育てしやすい、住みやすい等などといった北九州市の魅力をどれだけ発信していけるかが街の課題だと感じています。
新しいことに挑戦する人たちが北九州市に集えば、おのずと街も良くなると思います。そこで働く企業の売上も、働く人の給与もアップすることで福祉のサービスや教育が受けられます。
僕はいろんなことをするタイプの人間なので、10年後は全く違うことをやっているかもしれません。ただやり始めたことはやめずにやり続け、最終的には北九州でWeb3.0やメタバースに関して突出した企業になることを目指しています。