ギラヴァンツ北九州、永井龍の意地の一発で今季初の逆転勝ち PO戦線生き残りをかけて最終節へ(2025年11月23日)

勝ち越しゴールを決めた永井龍

11月23日(日)、ギラヴァンツ北九州はホーム・ミクニワールドスタジアムで6位・ツエーゲン金沢と対戦した。0-1で迎えた71分、井澤春輝のヘディングシュートで同点に追いつくと、アディショナルタイムにエース・永井龍が決勝ゴール。劇的な今季初の逆転勝利を収め、J2昇格プレーオフ進出への望みをつないだ。

運命の次節は11月29日(土)、味の素フィールド西が丘で松本山雅FCと対戦する。プレーオフ進出には、勝利して勝ち点3を挙げることが必須条件だ。その上で、得失点差で並ぶ金沢、奈良クラブ、そして現在得失点差で北九州が1点リードしている栃木SCとの争いを制し、最終順位で6位以内に食い込む必要がある。


キタキュースタイルがメディアとして初めてギラヴァンツ北九州の試合を取材したのは、ちょうど2年前のホーム最終戦だった。 その時のレポートがこちらだ。

ギラヴァンツ北九州 ホーム最終戦1-2で惜敗もJリーグへの残留確定https://kitaq.style/giravanz_231126/

結果次第ではJリーグ会員資格を失い、翌シーズンをJFLの一員として過ごす可能性すらあったあの一戦。辛くもJリーグには残留したものの、最終順位はJ3最下位。つまり「Jリーグ全60チームの中で一番弱い」チームとなった瞬間でもあった。

あれから2年が経過した。 キタキュースタイルは、ホームゲームの8割程度を現地で取材してきた。大手紙の担当記者が転勤等で入れ替わるなか、定点観測を続けてきたことで、チームの変化を肌で感じている。

チームは大きく変わった。指揮官に増本浩平監督を迎え、当時を知る田中悠也、長谷川光基、山脇樺織、井澤春輝、平原隆暉、高吉正真、高昇辰、岡野凜平の8選手は、いまやチームに欠かせない主力へと成長を遂げた。

昨年は7位でフィニッシュし、あと一歩でJ2昇格プレーオフ進出を逃した。 そして今年。最下位からの再生を遂げたチームは、最終節までJ2昇格プレーオフ進出の可能性を残して戦い続けている。

最終節の松本山雅FC戦は、単なるリーグ最終戦ではない。増本監督のもとで積み上げてきたものの真価が問われる、集大成の一戦となる。 他会場の結果がどうなるかは、神のみぞ知る領域だ。ギラヴァンツ北九州にできることは、目の前の敵を倒し、勝ち点3を掴み取ることだけ。その先にしか、奇跡の扉は開かない。

2年前のあのホーム最終戦、スタジアムを包んだ重苦しい空気と悔しさを知る選手たちが、今度は歓喜の瞬間をたぐり寄せようとしている。


11月29日(土)の松本山雅FC戦は、小倉駅JAM広場でパブリックビューイングが行われる。

さあ戻ろう、J2の舞台へ。