子ども食堂支援の協定を結んでいる九州栄養福祉大学(小倉北区)と響灘菜園株式会社(若松区)は2022年初頭から、同社で発生する約100トンの肌荒れトマト等を活用したカレーの開発に取り組んでいます。
同社の生鮮トマト生産量は、年間およそ3,000トン。しかしその中で約3%を占めている肌荒れ・空洞果などのトマトは、店頭での日持ちがしないなどの理由により廃棄を余儀なくされています。
このプロジェクトで開発されたカレーは、小倉北区に本社を置く株式会社マル商のサポートによりレトルト化し、北九州市内の子ども食堂への支援を予定しています。
市内の子ども食堂で毎年食べ続けられること、そして子どもの卒業後にお土産として配ってもらったり、懐かしんで食べてもらったりすることが、このプロジェクトの最終目標です。
- 九州栄養福祉大学食物栄養学部と響灘菜園株式会社のコラボ企画により「食でつながるフェスタin北九州」でトマトカレーを披露(2022年3月)
- 九州栄養福祉大学と響灘菜園 肌荒れトマトを活用したレトルトカレーを子ども食堂へ(2022年9月)
- 商品名は「トマトのおんがえしカレー」に決定 肌荒れトマトを活用したレトルトカレー(2022年12月)
- 肌荒れトマトを活用した「トマトのおんがえしカレー」 北橋市長へお披露目(2022年12月)
昨年12月に北橋北九州市長(当時)へのお披露目を行い、「トマトのおんがえしカレー」商品化に向けプロジェクトは佳境に入りました。
2023年4月に、西日本工業大学梶谷ゼミの学生が制作し、株式会社岡崎デザインが監修する「トマトのおんがえしカレー」のパッケージデザインが決定。
そして、5月19日(金)には本プロジェクトに賛同していただいた、北九州市に本社を置く業務用食材の卸・小売業「極東ファディ株式会社」が運営する小売店舗「ファディ」22店舗での販売がスタートしました。
そして、24日(水)には、武内北九州市長へのお披露目会を行いました。
武内市長は冒頭、「この取り組みは食品ロスの削減や子育て支援、パートナーシップによる課題解決などSDGsの理念にかなうもので、企業、大学、行政が社会課題解決に向けて取り組んでいくモデルケースだと思います。今日初めて商品を拝見ましたが、温かみがあるデザインで、まるで絵本の1ページのようです。「トマトのおんがえしカレー」は関わったみなさんの想いが輪になってつながり、それが形になったものだと思います。今後、北九州市の社会課題の解決を新しい人の輪で、そして新しい創意工夫で解決していく、そういう街にしたいと思います」と挨拶。
そしていよいよ試食開始。「私はちょっとカレーにはうるさいですよ」と笑わせた後、「酸味と甘みのバランスが取れており少しスパイシー感もある。ほっこりする味ですね」と感想を話しました。
また、29日(土)と30日(日)の2日間は、ファディの小倉店、下曽根店、永犬丸店の3店舗にて、デザインを担当した西日本工業大学とレシピを担当した九州栄養福祉大学の学生による試食販売が行われました。
キタキュースタイルは29日(土)に上記3店舗を訪問。店頭で「トマトのおんがえしカレー」の販促活動を行う学生にインタビューを行いました。
まずは小倉店(小倉北区浅野)を訪問。小倉店を担当したのは西日本工業大学の仲宗根さん、石田さん、園田さん、九州栄養福祉大学の猿渡さん、武谷さんの5名でした。
園田さんは「社会問題に関わる機会はめったにないので、このプロジェクトに関われたことに非常に感謝しています。普段は接客のアルバイトをしていますが、自分から商品を勧めることは少ないので今日は新鮮な経験をしています」と話し、武谷さんは「響灘菜園さんで生鮮トマトとしては販売できないトマトをカレーに利用し、子ども食堂を通じて多くの子どもたちにカレーを届けられて嬉しいです。店頭での販売で緊張していますが、棚にある商品を全部買っていただけるよう頑張ります」と意気込みました。
続いては、下曽根駅前のサニーサイドモール1階にある下曽根店(小倉南区下曽根新町)を訪問。西日本工業大学の矢永さんと廣渡さん、九州栄養福祉大学の田頭さんの3名が売り場でお客様に声をかけていました。
パッケージのデザインやネーミングに関わったという矢永さんは「肌荒れトマトが持つ深いストーリーをどう視覚的に伝えるかを工夫しました」と振り返りつつ、「お客さんが商品を手に取ってくださるのを見て店頭での販売にもやりがいを感じました」と話しました。廣渡さんは「響灘菜園さんに取材に行ったときに、スタッフの方が大切にトマトを育てていたので、その気持ちを商品を通して伝えられたらと考えていました。実際に商品が並んでいるのを見て達成感を感じました」と述べました。そして田頭さんは「カレー1人前にトマトを丸々1個使うにあたり、多くの水気が出るなど開発時には苦労がありました。試食で子どもが美味しそうに食べてくれると嬉しいです」と笑顔で話してくれました。
最後に永犬丸店(八幡西区八枝)を訪問。西日本工業大学の阿部さん、九州栄養福祉大学の栗橋さんと石井さんの3名が担当していました。
阿部さんは「ゼミのメンバーでいろんなネーミング案を出し合いました。『トマトのおんがえしカレー』というネーミングは自分が考えたものに近いので、お店で売られているのは感慨深いですね」と話しました。栗橋さんは「みんなで一から考えた商品を手に取ってもらえるのは嬉しいです。見た目も可愛く味も美味しいのでもっと広まってほしいですね」、そして石井さんは「試食で美味しいと言ってもらえ嬉しかったです。今日は店頭の商品を全部売って帰りたいです」と喜びの表情を見せました。
店頭販売を行う全店舗での売り場づくりを担当した、ファディで店舗販売部門を担当する松田(まった)さんは、「もともと別のSDGsの企画を社内でやっていたのを見ており、今回の企画を知ったときに関わりたいと申し出ました。今回はお客様にどう売っていくのかということだけではなく、SDGsをどう伝えていくのかが大切だと感じた。売り場ひとつで売上が変わってくるのでプレッシャーを感じましたが、同じくらいやりがいを感じています」と話してくれました。松田さん、ご協力ありがとうございました!
「トマトのおんがえしカレー」1つにつき、トマト1個(約100グラム)が使われています。酸味を和らげるためにサツマイモを使い子どもたちが食べやすい味に仕上げました。子ども食堂のサポートにもつながる「トマトのおんがえしカレー」、ぜひおためしください。本商品に込めた思いは前回の記事「肌荒れトマトを活用した「トマトのおんがえしカレー」」にてご覧いただけると幸いです。
「トマトのおんがえしカレー」は下記のファディ各店舗でお求めいただけます。(税込378円)
- 小倉店 北九州市小倉北区浅野3-6-6
- 小倉駅前店 北九州市小倉北区京町3-1-1(小倉駅前セントシティB1)
- 守恒店 北九州市小倉南区守恒2丁目8-25(マルショク新守恒店内)
- 下曽根店 北九州市小倉南区下曽根新町10−1 サニーサイドモール小倉1階
- 本城店 北九州市八幡西区御開3-11-3
- 永犬丸店 北九州市八幡西区八枝2-2-22
- 桃園店 北九州市八幡東区桃園1-4-45
- イオン戸畑店 北九州市戸畑区汐井町2-2 イオン戸畑店1階
- 下関店 下関市秋根北町10-10
- 長尾店 福岡市城南区樋井川3-5-3
- 小戸店 福岡市西区小戸1-15-14
- 粕屋仲原店 糟屋郡粕屋町大字仲原字釜屋2725-1
- 御笠川店 大野城市御笠川2-17-10
- 太宰府店 太宰府市大佐野6-1-1
- 飯塚店 飯塚市大字横田590-1
- 古賀店 古賀市天神4-4-25
- 久留米店 久留米市小森野2-17-12
- 中津店 中津市沖代町1-1-7
- 時津店 西彼杵郡時津町左底郷字中通276番1
- 山口店 山口市維新公園5-2-12
- 徳山店 周南市新宿通6-1-6
- イオン唐津店 唐津市鏡字立神4671 イオン唐津店1階
今後は、子ども食堂での「トマトのおんがえしカレー」などを予定しています。続報はまたキタキュースタイルでお届けします。
「ベジホーム!」でミニトマト“ぷるりん”を育てよう
「ベジホーム!」とは、響灘菜園が提供しているトマト栽培アプリです。
水を与える量や、実や葉を残す量などをアプリ上で指示すると、スタッフの方がその通りに育ててくれます。
トマトの生育状況は毎週アプリ上で公開されるので、自分のトマトの育ち具合を確認することができます。
そしてなんと、アプリ上で自分で“育てた”ミニトマトは、月に1度箱詰めされて送られてくるんです。
まさにリアル果物育成ゲームですね。