福岡北九州フェニックス職員インタビュー 下田遥香さん

2022年からプロ野球独立リーグ「ヤマエ久野 九州アジアリーグ」に参入した福岡北九州フェニックス(2023年シーズンより北九州下関フェニックス)の職員さんにインタビューしてきました。第1回はファンクラブの運営やスタジアムMCなどを担当する下田遥香(しもだはるか)さんにお話をうかがってきました。

ーー下田さんがフェニックスで働くようになったきっかけを教えてください

小学校から高校までソフトボール部に所属していました。高校のときに野球に携わる裏方の仕事がしたいと思い、進学した九州共立大学で硬式野球部のマネージャーを務めました。NPBの球団職員になるという目標に向け、試合時のアナウンスをしたりスコアを書いたりしていました。

就活のときに、NPB12球団で受けられるところを全部受けました。全て落ちてしまったので違う業界で働いていたのですが、2021年の春に北九州に野球チームができるという話を耳にしたんです。そのときの私は、まだ野球チームで働くことを諦めきれていなかったので、ここで行動しないと後悔すると考え、求人が出ていないにも関わらず球団に連絡しました。そのときはまだチームを立ち上げて間もなかったこともあり断られたんですが、それでも諦めきれずに、その年の夏にもう一度チームに連絡をしたところ、面接していただき入社できることになりました。

ーー下田さんの球団での担当業務をお聞かせください

主に、ファンクラブの運営と事務系の仕事をしています。試合の日には受付やグッズ販売、たまにスタジアムMCをやっています。
入社する前は外での仕事が多いのだろうと思っていたのですが、実際に入ってみると、思っていたよりも社内で行う仕事が多かったです。

場内アナウンスをする下田さん(下田さん提供)

ーー2022年を振り返ってどうでしたか?

新しい野球チームの立ち上げに携わることができたのはとても貴重な経験でした。
ただ、全てが初めてで分からないことが多く、周りの方々に教えてもらいながら仕事を進めていました。少ない職員数で数多くのことをやらなければならないので、頭の中が混乱することもありましたが、さまざまな経験ができて達成感もある濃い1年でした。

ーー1年間で何が一番大変でしたか?

堀江さんや西岡監督はよく知られているのですが、チームの認知度がまだ低いので、自分で何かできることはないだろうかというモヤモヤ感がありました。

ーー逆に嬉しかったことを教えてください

球場にきたお客さんがフェニックスを応援してる姿を見たときに感動しました。あとは、試合のない日を中心に職員でツイキャスをやっているのですが、球場でお客さんに「ツイキャス見てるよ」と言われたのも嬉しかったです。

個人的に嬉しかったのは、スタジアムMCを経験したことです。
7月に行われた平戸(長崎県)での試合で、フェニックスの特徴を知ってもらおうと、普通のアナウンスではなくフェニックスのスタジアムMC・MUNEさんっぽく「叫ぶ」感じでスタジアムMCをやったんです。それが好評だったと聞き、とても嬉しく思いました。

ーーそれはめったにない経験ですね

フェニックスの職員は藤井が企画、亀川が広報と得意分野を持っているのですが、私は自分が望んで入社した割にはできることが少ないと感じていて、球団の力になれているのかとても不安に思っていたんです。

シーズン終了後のスポンサー報告会でも堀江さんにアナウンスを褒められたときは、チームに役立てることが見つかった気がして少し自信がつきました。

ーーフェニックスってどんなチームですか?

プロ野球選手ってみんながライバル関係だと勝手にイメージしていたんです。でもフェニックスは西岡監督が話しやすくフラットな感じの方なので、選手ともコミュニケーションがとれているように見えました。年代に関係なく選手同士も仲が良く、チームワーク抜群のチームです。

フェニックスのベンチはとても明るい雰囲気です

ーーおすすめの試合の見方を教えてください

試合のときに座る席によって見え方が全然違うんですよ。
フェニックスのベンチの上で見ると、西岡監督と選手との会話が聞こえますし、反対側から見るとフェニックスのベンチの様子を見ることができます。試合全体を見たい方はネット裏がおすすめです。いろんな席で楽しんでもらえたらと思います。

マニアックな見方になりますが、打席に入る前のネクストバッターズサークルにいる選手と次のバッターが喋っている姿や、ブルペンで次に登板するピッチャーが準備をしているところなど試合以外の部分でも楽しめると思います。

試合の楽しみ方はさまざま

ーー自分なりの楽しみ方が見つかるといいですよね

そのためには、球場をもっと楽しい場所にする必要があると感じています。「明日の休みは何して遊ぶ?じゃあフェニックスの試合を見に行こうか」みたいな感覚で来ていただけるような。グッズやキッチンカーが全部詰まったテーマパークという感じで来ていただけるといいですね。女性の方は推しメンを見つけてもらうのもおすすめです。フェニックスの試合は一度見てもらえば絶対にハマるはずです。

ーー来年の抱負をお聞かせください

独立リーグで日本一になるということと、フェニックスのことをもっと知ってもらうことが目標です。来年からチーム名が北九州下関フェニックスになるので、北九州の方だけではなくて、下関の方にも応援してもらえると嬉しいです。地域でイベントを実施したり、小学校で野球教室を開催したりして、地域の方々と一緒に楽しいことができたらなと思っています。

フェニックスはシーズンオフに地域イベントにも出店。2022年10月に行われた「食肉祭」ではストラックアウトを実施

ーー下田さん個人の目標はありますか?

ファンクラブ担当なので、ファンクラブの方の全員の顔と名前を一致させたいと思っています。2022年は初年度ということもあり290名の方々に入会していただきました。2023年の会員数の目標は300名です。ファンクラブ限定イベントを行い、楽しんでもらいたいですね。

来年は、もっと選手と触れ合える機会を作っていきたいなって思います。独立リーグの魅力は選手との距離が近いところなので、その特徴を活かしてできることを考えていきたいです。ファンの方がかなえたいことを少しでも実現できるよう頑張ります!

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