障がい者支援団体【Rainbow mill】がクラファン実施中 障がいを持つ子が心から楽しめる「出張式プレイルーム」を作りたい

北九州市を中心に活動する障がい者支援団体【Rainbow mill】(レインボーミル)が、障がいを持つ子が心から楽しめる「出張式プレイルーム」を作るためのクラウドファンディングを実施しています。2024年2月25日(日)まで。


障がいを持つ子どもを遊ばせるときに、このような悩みを持つご両親が少なくないそうです。

  • 障がいがある子どもを思いきり遊ばせることができる場所がない
  • 自分の子の特性を気にしながら遊ばせるときに遠慮してしまう

Rainbow mill代表の木村愛美さんは、このような悩みに寄り添い、解決するために出張式プレイルーム「Rainbow-circus」号プロジェクトを開始。クラウドファンディングを活用して、さまざまな形での協賛を募っています。

木村さんの長男は、重度知的障害の自閉症です。人ごみや騒がしい場所を苦手にしていますが、子どもが遊ぶための施設である「プレイルーム」ではとても落ち着いているそうです。しかし、実年齢が10歳になり、小さな子どもも多いプレイルームで遊ぶこと自体が難しくなっているとのこと。お気に入りの施設も、長女の小学校入学に伴い、2024年3月までしか利用できず、遊べる場所が徐々に減ってきています。
また、人ごみが苦手な長男と公園が大好きな長女を一緒に遊ばせようとしてどちらかに合わせると、どちらかが我慢して苦しい思いをすることになってしまうといいます。

「子どもたちの遊び場に関して同じような悩みを抱えているお母さんたちがいるんじゃないか」と考えた木村さんは、これらの問題を解消するために、出張式プレイルーム「Rainbow-circus」号プロジェクトを立ち上げました。

Rainbow millが出張式プレイルームのクラファンを始めるまで

講演会での木村さん

木村さんが主宰するRainbow millは、「障がいを持っている子の親が取り残されない社会づくり」を一番のビジョンとして活動しています。

今回のプロジェクトは、最初は物件を借りてプレイルームを設置するという企画だったそうです。しかし、事務所を持たずにフットワークよく活動するRainbow millの良さが失われてしまうのではないか、という意見により再検討。数回のミーティングを重ねました。

そこで生まれたのが、「車を活用した出張式のプレイルームを作る」というアイデアです。この案の利点は、さまざまな場所にプレイルームを作れること。利用頻度が課題になっている市民センターを活用できるので負担も軽く、固定費も車の維持費程度で済むという理由で、この案の実現を目指すことになりました。

プロジェクトに賛同し、応援してくれる人たちを増やしたい

必要な資金を調達するための方法はいくつもあります。木村さんがクラウドファンディングを選択したのは、このプロジェクトに賛同し、応援してくれる人たちを増やしたいと考えたからだと明かしてくれました。

クラウドファンディングだけでなく、さまざまな形での協賛を募っています。
「このプロジェクトは、ぜひ行政と一緒に進めていきたいと考えています」と木村さん。子育て支援に携わっている部署と連携して取り組むことで、子どもたちがより遊びやすい環境 を作れるのではと考えているそうです。

また木村さんは、このプロジェクトを通して、さまざまな就労移行支援事業所さんと繋がりたいという意向を持っています。そのきっかけとして、今回のクラウドファンディングにおいて、出張型プレイルームでの訪問時に事業所さんの商品を委託で販売する、というリターンを用意しています。

「プレイルームで遊んでいる子どもが成長した先にはこういう事業所があるよ、という選択肢もあることをお母さんたちに伝えたいんです」と先を見据えます。

Rainbow mill代表の木村愛美さん(右下)

このプロジェクトの先の目標は?

木村さんに、このプロジェクトの先の目標を尋ねました。

普段は運動インストラクターとして、年齢問わず運動での健康維持を目的としたレッスンをしている木村さん。その一環として、障がいを持つ子どもたちの運動指導を行っています。子どもたちはピンク色の髪をした木村さんに親しみを込め「ピンク先生」と呼んでいるそうです。

「Rainbow millでの経験を生かし、『ピンク先生』として、子育てに関するニュースが出たときに、障がい者の親の目線で話すことができるコメンテーターになりたいんです」と明かしてくれました。

木村さんは、長男が障がいを持っていることが二歳のときに分かったので、悩み始めたのも早かったといいます。

「そこからは、子どもに対して早めの支援を受ける事が出来たので、他のお母さんたちよりも立ち直りが早かったと思います。おかげで今、フリーランスで仕事をしながら、育児もしつつ、この活動もできているんだと思います。

私たちの団体は『お母さんたちが取り残されない社会』を目標に掲げていますが、これにはお母さんたちの自立も含まれています。障がいを持つ子どもにばかり手をかけるんじゃなくて、お母さんたちだって羽ばたくことができる、というところに重きを置いています。これらの経験を踏まえ、同じような立場のお母さんたちにアドバイスができたら、と考えています」と理由を話してくれました。

もう一つの目標は、Rainbow millの法人化です。

今回のクラウドファンディングで目標金額の80万円を達成したら、ネクストゴールを設定して、非営利団体を作りたいと考えているそうです。法人が軌道に乗ってきたら、同じような特性を持つ子どもの親だけで作る放課後デイサービスを運営していくという案を温めています。

「社会復帰まで至れないお母さんたちが、自分たちの子どもと同じような子どもの支援ができる場所として、『放課後デイサービス』は最適だと思います」と木村さんは語ります。

取材場所をご提供いただいた「雑貨&カフェ リマポエポエ」さんの店内

さいごに

「このプロジェクトを進めるにあたっては、私が登壇する講演会などで寄付のお願いをしていくなど、小さなところからスタートしていきたいと考えています」と木村さん。

現在は「Rainbow-circus」号の車体デザインにとりかかっているとのことですが、「この車を『障害者の支援のためのロバのパン屋』のように覚えてもらいたいです。ロバのパン屋って、車が通ったらパン屋だってすぐわかりますよね。同じように、『Rainbow-circus』号が通ったら、あれは障害者の支援をするために巡回している車だよね、と分かってもらえる存在になりたいです」と力を込めました。

↓↓クラファンでの支援はこちらから↓↓↓

出張式プレイルーム。障がいっ子が心から楽しめて、ママさん達がほっとできる場所

取材協力:雑貨&カフェ リマポエポエ
北九州市門司区柳町1-4-15-1F