北九州下関フェニックスが大谷球場を取得 歴史ある野球場で新たな地域密着活動へ

プロ野球独立リーグ・九州アジアリーグに所属する北九州下関フェニックス(運営:北九州下関フェニックス株式会社、代表取締役:竹森広樹)が、北九州市八幡東区の大谷球場を正式に取得したことを発表した。

97年の歴史を持つ大谷球場

大谷球場は1927年に竣工、翌1928年に開場した歴史ある野球場。当初は官営製鐵所の福利厚生施設として建設され、昭和初期から中期にかけて八幡製鐵所と門司鉄道局による定期戦「製門戦」の舞台として「西の早慶戦」と呼ばれ、多くの名試合を生んだ。

プロ野球では西鉄ライオンズや洋松ロビンスの公式戦も開催。社会人野球では新日本製鐵八幡硬式野球部の本拠地として都市対抗野球大会などで活躍した。平成16年(2004年)に北九州市に無償譲渡され、以降は北九州市立大谷球場として運営されてきたが、令和6年度をもって、施設所有者の日本製鉄(東京)から借り受けている管理権を返還した。

フェニックスの地域密着戦略

2021年に設立され、2022年より九州アジアリーグに参入したフェニックスは、2024年にリーグ参入3年目でリーグ初優勝を達成。2025年シーズンは「頂戦~新生フェニックス~」をスローガンに連覇を目指している。

多目的利用で地域貢献

球団は「地域密着」「野球を通じたまちづくり」を掲げて活動してきており、今回の取得により「さらに多くの市民の皆さまに親しまれ、地域の誇りとなる球場運営を目指す」としている。

より柔軟な運営体制を構築できることから、地域イベントや学校・企業との連携による多目的利用、また青少年育成の場としても球場を広く開放していく予定だという。

「球団としての夢」を実現

竹森広樹社長は大谷球場取得について「やはり自前の球場でないと出来ないことが多いので、球場取得は球団としての夢であった」と説明。将来的には、堀江貴文ファウンダーが以前から話していたボールパーク構想を目指したいとしているが、「独立リーグの現状や建築費の高騰で何ができるのか少しずつ精査して、出来ることから進めていきたい」と段階的な整備計画を示した。

当面は「まず野球教室や地域イベントでの活用を考えている。今シーズンは野球教室がメインになると思います」と具体的な活用方法を明かした。公式戦の開催については「現状ではリーグの公式戦を開催する球場としての要件を満たしていないので、リーグと話し合い来季の終わりくらいには公式戦を開催できるようになりたい」と今後の目標を語った。

大谷球場の取得により、フェニックスの地域密着活動がさらに充実することが期待される。今後の詳細な活用計画や球場整備については、順次発表される予定だ。

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