4月21日(日)、小倉南区若園地区で「第4回 北九州タウンパレード」が開催されました。昨年までは「WAKAZONO タウンパレード」として開催されていましたが、本年より改称されました。実行委員長を務める北九州市立大学社会システム研究科2年・小野瑠夏さんは、「私たちの活動をもっと広めていきたい、思いに共感してくださる方と一緒に創り上げたいという思いを込めました」と話します。
小倉南区役所や小倉南図書館、小倉医療センターが集中している若園地区は、行政や医療サービスを受けやすい利便性を持つ地域です。若園小学校や企救丘中学校、北九州高校、北九州市立大学と学校もそろっています。北九州市立総合療育センターは、医療と福祉の機能を持ち、近隣の特別支援学校との連携を図りながら、医療・福祉・教育の3つの領域から総合的に障害児を支援しています。
高齢者や子育て世帯に加え、障害者にとっても住みやすい街とされている若園地区では、地域の資源を最大限に活用し、「高齢者や障害者が住みやすい街は、誰にとっても住みやすい街である」というインクルーシブ・コミュニティの理念に基づき、全国に先駆けた共生モデル事業「ともに暮らす街̶わかぞのインクルーシブ・コミュニティ (WinC) 構想」を進めています。
その一環として、2021年に「WAKAZONO タウンパレード」が始まりました。4回目を迎えた今回は、前回同様にJR城野駅前をスタート地点に、若園4丁目公園までの「みなみっこ通り」を、老若男女や障害の有無に関わらず、思い思いの格好で1時間ほど歩くパレードが行われました。若園4丁目公園では、音楽やダンスなどを楽しむタウンフェスも開催されました。
小野さんは、高校生が実行委員として初めて企画段階から参加したことについて、「高校生が実行委員として正式に参加してくれるようになったことで、『みんなとともに暮らす』『みんなと創り上げる』こと、前進したんじゃないかなと思います」と述べ、その意義を強調しました。
また、小野さんはこのパレードを、「ゆくゆくは小倉南区の祭りにしたい」という思いを持っているそうです。「小倉南区に伝統的なお祭りがないので、新しい伝統をともにつくっていきたいです。例えば、(ここ若園と)曽根にある小倉東高校で同じタイミングでパレードを開催して、同じ日にみんなで歩くことでパレードが北九州全域に広がっていくと面白いですよね」と、活動を北九州全域に広げていきたいという展望も示しました。
「北九州タウンパレード」の開催に合わせて、4月1日から小倉南図書館では、パレードが目指すインクルーシブ・コミュニティの理念に沿った障害者アートの展示も行われています(4月30日まで)。
小野さんが留学していたデンマークにある、障害者のためのアートスクールから、昨年に引き続き今年も作品が届き、展示しています。「作品は大學堂のホームページで販売しているのでお気に入りの作品を見つけていただきたいです」と小野さん。
「北九州タウンパレード」は、若園地区の地域資源を活かしながら、世代や障害の有無を越えて、みんなで共に暮らせる街づくりを目指す取り組みです。小野さんの言葉からは、このパレードを通して、若い世代の参加を促し、地域の人々とともに新しい伝統を作り上げ、活動を北九州全域に広げていきたいという強い思いが伝わってきました。今後も、「北九州タウンパレード」の発展と、インクルーシブ・コミュニティの実現に向けた取り組みに注目していきたいと思います。
主催:北九州タウンパレード実行委員会
共催:ともに暮らす街—わかぞのインクルーシブ・コミュニティ(WinC)構想委員会/若ワク会/九州フィールドワーク研究会(北九州市立大学人類学ゼミ・野研)