インタビュー企画「KITAQ Style 1000 Project ~北九州市の“人”をもっと知る~」

30分の物語を3度繰り返す話題作 東京デスロックの「再生」を劇団+現地バージョンで上演(7月9日、10日)

(C)bozzo

2022年7月9日(土)、10日(日)の2日間、北九州芸術劇場小劇場にて、演出家・多田淳之介さんが率いる劇団「東京デスロック」の『再生』が上演されます。

『再生』は2006年が初演。これまでにさまざまなバージョンで日本全国にだけでなく韓国でも上演されています。

今回は、『再生』劇団+現地バージョンツアーと題し、劇団バージョンに加え、地域の演劇人とともに2週間の滞在制作をする「現地バージョン」を同日に上演。
2022年7月9日(土)、10日(日)の北九州芸術劇場での公演を皮切りに、7月23日(土)、24 日(日)には三重県文化会館、2023年2月25日(土)、26日(日)には長久手市文化の家(愛知県)で公演が行われます。

公演に先立ち、演劇のライブ性にこだわり、躍動感あふれる演出で高い評価を得る演出家・多田淳之介さんと、『再生』北九州バージョンに出演する平嶋恵璃香さん(ブルーエゴナク)、田中凜さんにお話を伺いました。

演出家・多田淳之介さん インタビュー

稽古に取り組む演出家・多田淳之介さん(左)

ーー『再生』の初演は2006年とお聞きしました。

今回は5年ぶりの再演です。2011年、2017年に再演しているので、だいたい5年おきですね。上演する時代背景も変わってきているので、再演のたびに内容も変化しています。

ーー今回は北九州のほかに三重と長久手(愛知)の3カ所での上演となります。

北九州と三重、長久手の三つの劇場でこの作品を一緒に作りましょうというところから始まりました。通常ですと劇団バージョンだけを上演するんですが、北九州に知り合いの俳優さんもいますし、北九州芸術劇場で作品を作らせてもらったこともあるので、ただ作品を見せるだけじゃなくて一緒に何かできたらいいなと考えていました。30分のシーンを3回繰り返すので、30分作ると、90分の作品が出来上がるというとてもコスパの良い作品になっているので、短い滞在期間で作れるという部分も大きいです。

ーー稽古はどれくらいの日数行うんでしょうか?

通常、1カ月半~2カ月ほどかけて稽古するんですが、今回は驚きの10日間です(笑)

ーー『再生』を初めて見るときはどこに注目すればいいでしょうか?

いわゆる「物語」のある通常のお芝居とは違って、『再生』にはパフォーマンスっぽい要素もあります。演劇やアートを通してどのようなことができるのか実験的なことを含めて作品を作りました。既成概念を疑って何か面白いことができないだろうか、ということに興味のある方にはとても楽しんでもらえると思います。

演劇って、生身で場所と時間を共有して伝わるものなのに、新型コロナの影響で演劇自体も上演が難しくなり、生身同士のやりとりが難しくなってしまいました。今回はお客さん自身が生身で感じることを楽しんでほしいなと思います。「ひさびさにご馳走を食べる」というイメージですね(笑)

ーー劇団バージョンと北九州バージョンの違いを教えてください

出演者の年代が大きく異なります。

劇団バージョンの出演者は一番年下で29歳で、上は60代の方まで参加しています。
それに対して北九州バージョンは、最年長が30歳であとはもう20代ばかりです。21歳22歳という方もいるので通常バージョンとは年齢層が大きく異なります。作品の中で子どもの頃に聴いていた音楽をたくさん流すのですが、両バージョンでこれだけ年代が違うと、流れる曲も全く別のものになると思います。

北九州バージョンのほうは、地元の人たちにとって、より「自分たちのお話」に感じてもらえるんじゃないでしょうか。
北九州の歴史や聞いたことのある地名、おなじみの食べ物なども盛り込む予定です。

ーー北九州バージョンの出演者に期待することはありますか?

メンバー間はお互い知り合いだったり、共演の経験があったりするんですが、世代の違いもあり一緒に出演するのが珍しい組み合わせなので、今回共演したことが今後の北九州や福岡の演劇界の新しい繋がりになってくれるといいなと思っています。今回のように短期間で作品作りをすることも、それぞれの今後の活動に役立ててもらえるといいなと思います。

出演者 インタビュー

【左】田中凜さん【右】平嶋恵璃香さん(ブルーエゴナク)

『再生』北九州バージョンに出演する平嶋恵璃香さん(ブルーエゴナク)と田中凜さんにお話を伺いました。

ーー田中凜さんは本格的なお芝居に参加するのが初めてだと聞きました。

田中さん「北九州芸術劇場で行われた『大学演劇ラボ』で初めてお芝居に関わり、そこで『再生』のオーディションの案内をもらったので応募してみました。自分以外はみなさん演劇経験の豊富な方なのでとても緊張しています」

ーー演劇を始めようと思ったきっかけを教えてください

田中さん「高校のときからずっと演劇をやっている、大学で一番仲良しの友だちに誘われて『大学演劇ラボ』に応募したのがきっかけです。実際にお芝居をやってみたら結構楽しくて、ちょっとはまりかけてます」

ーー平嶋恵璃香さんは演劇を始めてどのくらい経ちますか?

平嶋さん「高校のときに演劇部に入ったのが始まりで、今年で15年経ちました」

ーー演劇の楽しさってどういうところにありますか?

平嶋さん「本番も好きなんですが、作品を作るのが好きな俳優さん、スタッフさん、演出家や作家の方が集まって一つの物語を作っていくっていう『創作の現場』も大好きです」

ーー『再生』の稽古が始まって感じていることはありますか?

田中さん「1人だけ初心者なんですけど、皆さんに優しくしていただいているので楽しいです」

平嶋さん「現場や演出家の方によって進め方が違うんですけど、多田さんの現場というか『再生』は他の現場と比べても不思議な作り方をすると思うので、多田さん含めて全員が探り探り入っている感じがして、立場に関係なくみんなで一緒に1から作品を作っているなと感じます。これからどうなるかまだ分かりませんが、ちょっと楽しみですね」

ーー『再生』のテーマにある「生」や「死」について考えることはありますか?

平嶋さん「コロナ禍で不幸なニュースも目につくようになったので、以前よりは考えるようになったような気がします。コロナ禍前後で違う世界になったと思っていて、考え方も変わってきました。どうやって死ぬかっていうのはどうやって生きるかっていうことでもあるので、今は死にネガティブな印象を持っていなくて、どうやってポジティブに生きようかと日々考えています」

ーー普段の生活で心がけていることはありますか?

田中さん「今までは大学で知り合うことが多かったのですが、演劇の方々とも関わるようになって、人と関わるということは自分の世界が広がることだと改めて感じました。いろんな世界を知って、もっと楽しく生きられるといいなと思ってます。友だちに誘われたら、体力が許す限りはいろんなところに行ったり、いろんなことをするようにはしています」

平嶋さん「喧嘩したらすぐ謝るようにしています。それこそ死ぬとか生きるとかに関わってくるんですけど、喧嘩して仲直りしないまま死んじゃった、ということが起こってほしくないんです。母ともよく話すんですが、喧嘩をしていても、笑顔で『いってらっしゃい』って言うことはずっと心がけています」

ーー最後に『再生』出演への意気込みをお聞かせください。

田中さん「劇団バージョンと北九州バージョンで出演者の年齢層が違うので、この年齢だからこそできる『生と死』を演じることができたらと思います」

平嶋さん「人が変われば別物になるのが『再生』という作品だと思うので、劇団バージョンと北九州バージョンを一緒に上演するにあたって、お客さんに『違うもの』を届けられたらと思っています」

東京デスロック『再生』公演詳細

日時

2022年7月9日(土)
13時開演:北九州バージョン
17時開演:劇団バージョン

2022年7月10日(日)
13時開演:北九州バージョン
17時開演:劇団バージョン

会場

北九州芸術劇場 小劇場

作・演出

多田淳之介

出演

[劇団Ver.]夏目慎也、佐山和泉、原田つむぎ、松﨑義邦(以上 東京デスロック)、岡田智代、波佐谷聡、田中美希恵
[北九州Ver.]隠塚詩織、加茂慶太郎、五島真澄(PUYEY)、田中凜、平嶋恵璃香(ブルーエゴナク)、松永檀、やわらあさ(演劇関係いすと校舎)

料金

【劇団Ver.】
一般
3,500円

ユース
2,500円(24歳以下・要身分証提示)

高校生〔的〕チケット
1,000円(枚数限定、劇場窓口・電話/前売のみ取扱、要学生証提示)

【北九州Ver.】
一般
2,500円

ユース
1,500円(24歳以下・要身分証提示)

高校生〔的〕チケット
1,000円(枚数限定、劇場窓口・電話/前売のみ取扱、要学生証提示)

【劇団・北九州1日通し券】
一般
4,500円

ユース
3,000円(24歳以下・要身分証提示)

高校生1日通しチケット
1,500円(枚数限定、劇場窓口・電話/前売のみ取扱、要学生証提示)

※未就学児入場不可

プレイガイド

お問い合わせ

北九州芸術劇場
TEL 093-562-2655(10:00~18:00)

北九州芸術劇場 「再生」特設ページ