リバーウォーク北九州14Fにある“歴史を映し出す地図の博物館”ゼンリンミュージアム(北九州市小倉北区)で、企画展「福多(おお)か博愛の街 福岡・博多」を開催しています。期間は2022年9月3日(土)~12月25日(日)。
展示概要
九州の人でさえ同義語だと思っている人がいる「福岡」と「博多」ですが、その成り立ちは互いに異なり、別々の街として発展を遂げてきた歴史があります。性格の異なる二つの都市が共存することから、双子都市とも称された「福岡」と「博多」。両者が一つになって誕生した福岡市は、九州の経済・交通の中心として、またアジアの交流拠点として発展を遂げています。
本企画展では、その「福博の街」の歴史を、約30点の地図や資料から紐解きます。
企画展は、第1章~第3章に分かれています。
第1章は「国際港湾都市 博多」、第2章は「武士の町 福岡 商人の町 博多」、そして第3章は「福岡市の誕生」です。
第1章 国際港湾都市 博多
第1章の「国際港湾都市 博多」では、博多の町の歴史を紹介。「博多」という地名の由来や平安時代に栄えていた博多の町の様子などを説明しているエリアです。博多は、宋(中国)との貿易が盛んであったこともあり、日本初の「中華街」は博多に存在したとのこと。しかし、1200年代後半の蒙古襲来の後に博多の「中華街」はなくなってしまったそうです。
また、現在の中洲川端駅近くのエリアが碁盤の目状になっているのは、豊臣秀吉の町づくりによるものだそうです。毎年7月に行われる「博多祇園山笠」に、「流(ながれ)」という単位で参加しているのは、このときの町割りが元になっているとのこと。
第2章 武士の町 福岡 商人の町 博多
第2章は「武士の町 福岡 商人の町 博多」。福岡城を築城した黒田長政は、武士の町である「福岡」と商人の町である「博多」が相容れないことに気づき、それぞれの町に奉行所を立てて別々に自治を行っていたそうです。福岡と博多は別の町として認識されており、行き来も容易ではありませんでした。
第3章 福岡市の誕生
第3章は「福岡市の誕生」。
明治21年(1888年)に市制が公布され、翌年「市」となる際に、「博多市」になることが有力とされていましたが、蓋を開けると「福岡市」に決まりました。しかし、「博多市」を求める意見は根強く、明治23年(1890年)「市名変更の議」が提出されますが、結果は変わらず「福岡市」となります。
歴史ある「博多」の地名はここで一旦消滅。福岡市が政令指定都市に昇格した昭和47年(1972年)に「博多区」として復活しました。(ただし「博多区」のエリアは、旧来の「博多」に比べると大幅に拡張されています)
また、天神にある新天町商店街の誕生時のエピソードや、福岡市が昭和38年(1963年)に発行した「10年後の福岡」と題された市政だよりなどが展示されており、福岡市に縁のある方なら確実に楽しめる展示物が盛りだくさんです。
会期中の平日午後2時からは、ゼンリンミュージアムのスタッフ(Zキュレーター)の説明を聞きながら企画展を楽しむこともできます。Zキュレーターは日替わりなので、日によって違う説明を聞くことができるとのことでした。
特別デザインのチケットホルダーを配布
また、企画展の開催期間中の有料入館者全員に、特別デザインのチケットホルダーが配布されています。同じデザインのポストカードをゼンリンミュージアムとリバーウォーク北九州1階の地図柄グッズのお店「マップデザインギャラリー」で販売しています。
【ご注意】館内は撮影不可です。(当記事は許可を得て写真を撮影しています)。
ゼンリンミュージアム 詳細情報
住所
北九州市小倉北区室町1丁目1−1 リバーウォーク北九州14F
開館時間
10:00~17:00(最終入館 16:30)
休館日
月曜日(ただし祝日の場合は翌平日)
※年末年始等に臨時休館の可能性あり
入館料
一般 1,000 円
※通常の入館料で企画展も見ることができます