【舟券なしでも楽しめる】ボートレース若松(若松競艇場)の場内施設を徹底ガイド

北九州市の財政を支える(後述)大切な事業である「ボートレース若松」。

ボートレース若松に行ったことがない方がお持ちのイメージは「施設が汚い」「ガラの悪い人が多そう」といったものではないでしょうか。

「同じ公営ギャンブルでも、小倉競馬場みたいに子どもを遊ばせる場所がないから行きにくい」という声も耳にしたことがあります。

行ったことがある方はご存知だと思いますが、ボートレース若松はレースを見たり舟券を買ったりするスペース以外にも以下のような施設が備え付けられています。

  • 子どもが遊ぶための場所
  • 研修やセミナー会議などに使える施設
  • 女性しか入れないエリア

お子さんを連れて遊びに行くこともできれば、ちょっとした会議、集まりで利用することも可能。過去には「子ども食堂」が開設されたこともあります。

この記事では、ボートレースを見なくても十分に楽しめるスポット「ボートレース若松」の施設をご紹介します。

ボートレース若松(若松競艇場) 場内各施設

クレカ若松

はじめに紹介するのが、ボートレース若松の敷地内東側にある「クレカ若松」です。

クレカ若松

クレカ若松外観

クレカ若松は2018年(平成30年)に作られた施設で、地域の方々のイベントや会議、セミナーなどに利用することができます。

1階にある多目的ホール(収容人数:81人)は部屋の片面が鏡張りになっているので、ヨガや太極拳に使うと便利そう。

1階多目的ホール。奥のカーテンを開くと一面が鏡張りになっています。

多目的ホールの控室。単体でも借りられます。24人収容可能で使用料が1時間250円と格安。

2階の市民ホールは収容人数が120人(スクール利用)と、クレカ若松内で最大のスペース。講演会やセミナーにぴったりです。収容人員18人の会議室も2室あります。

また、奥にある「ROKU」は(一財)BOAT RACE振興会が全国のボートレース場に設置を進めている特別観覧施設です。レース視聴用のモニタ、券売機が置かれています。

写真奥の壁を取り除くと隣の市民ホールと一体で使えます。このときの収容人数は立食形式で200人。カラオケや電子ピアノも完備

もちろん、観覧以外にも使用可能。キッチンも設置されており、大規模パーティーなどつかうことができます。毎月1回開催されている「子ども食堂 くれかきっちん」もこの「ROKU」で行われています。

広めのカウンターキッチンが備えられています。ここだけ見るととてもボートレース場には見えません

わかわくらんど

こちらは、ボートレース若松の館内東側にある「わかわくらんど」。

生後6カ月から小学校3年生向けの子育てスペースです。

1歳から小学校3年生まで遊べるディスカバリーエリア

ベビーエリア(生後6か月から2歳まで)

アクティブエリア(3歳から小学校3年生まで)にあるサイバーホイール。中に入ってぐるんぐるん回転して遊びます

施設が休業中ということで見ることができたのが授乳室。カーテンで仕切ることができ、至れり尽くせりです。部屋の中ではお湯を沸かすことも可能。

わかわくらんど内の授乳室。2人使用可

また、写真はありませんが子ども用トイレも完備。

レースの開催日だけでなく、開催されていない土曜・日曜・祝日も利用可能です。(非開催日はボートレース若松の入場料がかかりませんので無料で遊べます)

2021年(令和3年)3月20日(土・祝)より、時間等の制限付きで営業を再開します。

利用時間等は下記のページでご確認ください。

レッドロック

ボルダリングパーク「Red Rock」では、本格的なクライミングが楽しめます。

小学生用のウォールと幼児用のウォールがあり、ボルダリングとプロジェクトマッピングを組み合わせたアトラクション「ワンダーウォール」も設置されています。

ちなみに、「Red Rock」の名称の由来は、ボートレース若松の所在地(若松区赤岩町)とのこと。赤岩=Red Rock です。

小学生用ウォール(休業中につき、ホールドが取り付けられていない場所があります)

幼児用ウォール(休業中につき、ホールドが取り付けられていない場所があります)

「Red Rock」も「わかわくらんど」同様、ボートレースが開催されている平日、ならびに全ての土曜・日曜・祝日で利用が可能です。

2021年(令和3年)3月20日(土・祝)より、時間等の制限付きで営業を再開します。

ボタニカルカフェテラス

ここからは館内を紹介します。

たばこの煙の中にまみれて舟券を購入……というのは遥か昔の話。

ボートレース若松は、喫煙スペースを除き全館禁煙です。

どこでも比較的快適に過ごせるのですが、中でもとびきりリラックスできるスペースを2カ所紹介します。

まずはボタニカルカフェテラス。緑に囲まれたカフェです。

ボタニカルカフェテラス入口

水面側がガラス張りになっているので、レースを見ながらの飲食が可能です。

レースを見ながらの飲食が可能

レディースコーナー

レディースコーナーも完備しています。とても清潔。

女性しか入れませんのでリラックスできます

ゆったり座ってレース観戦ができます

フードコート

観戦中にお腹が空いても大丈夫。東スタンド1階にはフードコートが設けられています。

フードコートでは最大70人が食事を楽しめます

2021年4月16日(金)からは、人気のカレー店「モンゴルカレー」が出店しました。

戸畑で店舗営業していましたが、このたびボートレース若松に移転です

チキングリルカレー(650円)。パリパリのチキンの皮が超絶美味

洞海うどん

西スタンドにはうどん店「洞海うどん」が。

洞海うどん

こちらは取材の後に食べた焼うどん定食(620円)。美味しくいただきました。

洞海うどんの焼うどん定食(620円)

炭火やき鳥 かっぱ

洞海うどんのお隣には「炭火やき鳥 かっぱ」が。やき鳥を食べながらボートレース観戦も良し。唐揚げも絶品らしいです。

炭火やき鳥 かっぱ

ロイヤル席

ゆったりと観戦したいときは4階にあるロイヤル席がおすすめです。モニター完備の座席がなんと1,000円。(SG・G1開催時は3,000円)

4階ロイヤル席

1人につきモニタ1台

新聞を読みながらゆったりと座れるソファも完備。レースの合間にはここで休むのも良さそうです。

他場のレースも視聴可能。スポーツ紙も読み放題です

コーラ、コーヒーなどソフトドリンクは無料です。何杯でも飲めます。

ソフトドリンク飲み放題

ボートレースの楽しみ方

ボートレース若松はナイター開催が行われており、第1レースは午後3時頃から行われています。最終レースは午後8時40分頃スタート。

夜の水面を時速約80kmで走る競走用ボートは迫力満点です。

ボートレースとは

取材日に出走していた北九州市出身の女性レーサー・高田綾選手。エステティシャン、歯科助手を経てボートレーサーに転身しました。

ボートレースは原則として6艇で走ります。7人または9人で走る競輪や8台で走るオートレース、最大18頭で走る競馬に比べると的中しやすいのが特徴。例えば、2着までに入る選手を当てる「複勝式」だと3分の1の確率で的中します。

女子のレーサーが多いことも、ボートレースの特徴として挙げられます。

競輪やオートレースにも女子選手はいますが、男女の選手が同じレースで走ることはありません。(オートレースには男女混合戦があります)

しかし競艇は男女混合で行われるレースもあり、男女の選手が同条件で戦います。(最低体重は男女で異なります)

インコースが圧倒的に有利なのもボートレースならでは。

基本は艇番順(内から1号艇、2号艇、3号艇……)に並んでスタートします。ターンするときに他艇の波の上を越える必要がない1号艇が一番有利です。6人中最も弱い選手でも、1号艇なら勝てることがあります。

また、舟券が的中しやすいような番組が組まれています。

ボートレース若松の場合、5Rが「進入固定戦隊 ゴレースジャー」で、進入コースが艇番順に固定されます。よってインコースの1号艇が圧倒的に有利です。

8Rは「エイトビート」と呼ばれるレースで、1~3コースに格上であるA級選手が入ることが多くなっています。エイトビート=A(級)とB(級)と。

ボートレース場は全国に24場あり、一番東にあるのが群馬県のボートレース桐生、最も西にあるのが長崎県のボートレース大村です。

福岡県内にはボートレース若松のほか、ボートレース芦屋、ボートレース福岡と3カ所のボートレース場があります。

舟券の種類

舟券の種類(賭式)は以下の7種類です。競輪、競馬、オートレースと同じです。

単勝式:1着の艇を当てる

複勝式:2着までに入る艇を当てる

2連勝複式(2連複):1着2着の艇を当てる

2連勝単式(2連単):1着2着の艇を着順通り当てる

3連勝複式(3連複):1着2着3着の艇を当てる

3連勝単式(3連単):1着2着3着の艇を着順通り当てる

拡大2連勝複式(ワイド):1着~3着までの2艇を当てる

ボートレース若松へのアクセス

ボートレース若松での過ごし方、楽しみ方はお分かりいただけましたでしょうか。

最後に、ボートレース若松へのアクセスを紹介します。

電車をご利用の場合

JR筑豊本線奥洞海駅から徒歩4分

無料バスをご利用の場合

黒崎バスセンター、戸畑駅、門司駅/小倉駅バスセンターから無料バスが運行されています。時刻表はこちら

ボートレース若松(若松競艇場)の収益金について

まず、平成30年に北九州市が調査したボートレース若松に関するアンケートの結果をご覧ください。(出典:北九州市公営競技事業 経営戦略

  地域や社会に役立っている どちらかといえば地域や社会に役立っている どちらかといえば地域や社会にとって迷惑である 地域や社会にとって迷惑である
舟券購入経験あり 30% 52% 12% 6%
舟券購入経験なし 6% 53% 32% 8%

舟券を購入した経験のない人は4割程度が「(どちらかといえば)地域や社会にとって迷惑である」と考えていることが分かります。また、ボートレース若松に遊びに行くことについては、舟券を購入した経験のない人の85%が「(どちらかといえば)抵抗がある」と回答しています。

ではここで、ボートレース若松の収益金の使途を紹介します。

ボートレース若松の収益金

北九州市では、ボートレースと競輪の収益金が、子育て環境や教育の充実、文化・スポーツの振興などにつながる事業の財源の一部として活用されています。

北九州市が発足した昭和38年以降、約1,600億円が一般会計に繰り出されています。

平成30年12月1日の、若戸大橋・若戸トンネル無料化には、ボートレース若松の収益金約25億円が活用されました。

新型コロナウイルス感染症対策にもボートレースと競輪の収益金が活用されています。参考ページ

このように、ボートレース若松は北九州市にとって、なくてはならない存在であることが分かります。

依存症などの問題もあり、公営ギャンブルを手放しで推奨することは難しいですが、現実にボートレース若松の収益金が市の財政の一部を担っていることは覚えておいていただけると嬉しいです。

ボートレース若松は、ボートレースを見なくても、そして舟券を買わなくても楽しめる施設です。

ぜひ一度、足を運んでみてください。

(取材協力:ボートレース若松