子ども食堂支援の協定を結んでいる九州栄養福祉大学(小倉北区)と響灘菜園株式会社(若松区)は2022年初頭から、同社で発生する約100トンの肌荒れトマト等を活用したカレーの開発に取り組んでいます。
同社の生鮮トマト生産量は、年間およそ3,000トン。しかしその中で約3%を占めている肌荒れ・空洞果などのトマトは、店頭での日持ちがしないなどの理由により廃棄を余儀なくされています。
このプロジェクトで開発されたカレーは、若松区のモンゴルカレー(株式会社マル商)のサポートによりレトルト化し、北九州市内の子ども食堂への支援を予定しています。
市内の子ども食堂で毎年食べ続けられること、そして子どもの卒業後にお土産として配ってもらったり、懐かしんで食べてもらったりすることが、このプロジェクトの最終目標です。
これまでの活動
今回の活動
最初の目標である、「トマトカレーのレトルト化と子ども食堂への配布」に向け、2022年8月21日(日)にレトルトカレーの試食会を行いました。
トマトカレーのレシピは、若松区のカレー店「モンゴルカレー」が監修します。
当日は、同店代表の丸谷真一郎さんが下記3種類のトマトカレーを用意しました。
- 九州栄養福祉大学食物栄養学部が考案したレシピ通りに作ったトマトカレー
- モンゴルカレーのルーをベースにしたトマトカレー
- 2.のカレーにキーマ感を強めたトマトカレー
試食会に参加したのは、九州栄養福祉大学の大村先生と学生2名、西日本工業大学の梶谷先生と梶谷ゼミの学生3名、北九州市子ども家庭局子育て支援課、そして当プロジェクトに肌荒れトマトを提供している響灘菜園株式会社の土谷 加奈子さんです。
試食会終了後に、参加者全員で感想を出し合いました。
今回、レトルトカレー1食に使用するトマトは約1個(100g)。カレーに占めるトマトの割合が多いことから、どうしてもトマトの酸味が強く出てしまいます。試食会でも酸味を指摘する声が挙がりました。
試食会を終え、今回の試食会に参加した九州栄養福祉大学食物栄養学部食物栄養学科の緒方 美優さんは「コロナ禍で皆が集まれない中、Webミーティングを重ねて試作を進めてきました」と話し、続けて「レトルトカレーの作成にあたり、人件費、材料の値段や調達まで考えなければならないことを知り、レトルト化の大変さを感じました」と振り返りました。
響灘菜園株式会社の土谷さんは「カレーを数種類食べ比べる機会など今までになかったので、楽しんで試食しました。子ども向けにレシピを考案する過程での『トマトの酸味』を和らげる食材に苦労した話や思いを直に聞くことができ、とても参考になりました。参加者の中にはトマトが嫌い、という人もいましたが、その方の『美味しかった』という感想が聞けたときの九州栄養福祉大学の学生さんの嬉しそうな笑顔がとても印象に残っています。色々な方の思いが一つの製品となっていく過程に参加させていただき感謝いたします。今後のパッケージなど出来上がってくるのがとても楽しみです」と話してくれました。
試食会を経て、九州栄養福祉大学からは「当初考案したレシピで使用していた、酸味を抑える目的の『さつまいも』をさらに際立たせてほしい」との要望が出るなど、より良い商品を作るための改善はさらに進みます。
試作品を用意したモンゴルカレーの丸谷代表は「今回のプロジェクトにおいては、レシピを考案した学生たちの思いはもちろん、事業の継続性、そして思い出に残る味づくり(他製品との差別化)全てのバランスを取ることが大切だと考えています。今後も試作を重ね、関係者全員に納得していただける商品を作りたいと思います」と、次回の試作品制作に向けて早くも考えをめぐらせていました。
商品のネーミングとパッケージデザインの制作は西日本工業大学デザイン学科の学生が担当します。西日本工業大学デザイン学部情報デザイン学科の阿部 巧さんは「今回の試食会では、素材の良さやレシピの考え方が製品に活かされていることを感じることができました。この経験をネーミングやデザインに反映させて良い製品づくりのお手伝いができるように頑張っていきたいと思います」と意気込みを見せました。
本プロジェクトの進行の模様は、引き続きキタキュースタイルでお伝えします。
当プロジェクトにご賛同していただける方はTwitterでシェアをお願いいたします。(左の「Twitterでシェア」の文字をタップして、そのままツイートボタンを押してください。2022年9月30日までのシェアが対象となります)
シェアいただいた方から抽選で、響灘菜園よりトマト関連の商品をお送りします。
※当選のご連絡は当メディア・キタキュースタイル(株式会社プランチャ)がTwitterのDMにてお送りします。お届け先のご住所、お名前は商品の発送にのみ使用します。
「ベジホーム!」でミニトマト“ぷるりん”を育てよう
「ベジホーム!」とは、響灘菜園が提供しているトマト栽培アプリです。
水を与える量や、実や葉を残す量などをアプリ上で指示すると、スタッフの方がその通りに育ててくれます。
トマトの生育状況は毎週アプリ上で公開されるので、自分のトマトの育ち具合を確認することができます。
そしてなんと、アプリ上で自分で“育てた”ミニトマトは、月に1度箱詰めされて送られてくるんです。
まさにリアル果物育成ゲームですね。