元日本ハム・斎藤佑樹さんを招いて北九州高校が創立記念講演

2022年11月1日(火)、福岡県立北九州高等学校(小倉南区)にて創立記念講演「夢に向かって ハンカチ王子からのメッセージ」が行われました。

元北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹さん、そして同校OBで明治大学の釜崎太教授の2名が登壇し、北九州高校の生徒たちに向けてエールを送りました。

北九州市に来るのは3度目という斎藤さん。ファイターズ時代に北九州市民球場に来たときには、ピッチャーという立場から「狭い球場だな」と感じたそうです。また、早稲田大学野球部OBには小倉高校OBが多いことなど、北九州市との縁を話してくれました。北九州市のイメージは?という問いには「やんちゃですね(笑)」と答え、場内を沸かせました。

講演は斎藤さん、釜崎教授両名の話の合間に生徒からの質問を受け付けるという形で進みました。

斎藤さんが早稲田実業3年時に、駒大苫小牧の田中将大投手(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)と投げ合った第88回全国高等学校野球選手権大会決勝戦に関する質問には、「前年秋の神宮大会準決勝で駒大苫小牧に負けていたんです。甲子園で駒大苫小牧に勝つには1-0で勝つしかないと思い決勝戦に臨みました。再試合の経験は今でも自分を支えてくれています」と前年秋からの田中将大投手との関係を振り返りつつ、丁寧に答えてくれました。

怪我が多く、試合に多く出られなかったという野球部員からの怪我への向き合い方についての質問には「プロ野球の世界に入ってからは怪我で思うようにプレーできない時間が長かったのですが、ファンや両親など応援してくれる方がいる限りはその人たちのために頑張ろうと思いました」と自らの経験を踏まえて回答。リハビリをしていたときの斎藤さんは、トレーナールームの雰囲気を明るくすることを心がけ、その結果雰囲気も自分自身も明るくなったといいます。

その他、進路に悩んでいる生徒からの質問や、先日立ち上げた「株式会社 斎藤佑樹」の展望に関する質問にも斎藤さんは誠実に回答。逆に斎藤さんから生徒に質問するなど、コミュニケーションを取りつつ講演が進んでいきました。

講演の終盤、釜崎教授が斎藤佑樹さんの名前の由来について尋ねました。斎藤さんによると、「佑」の字には人を助けるという意味があり、「人を助ける樹(みき)」のような人間になってほしいという願いを込め「佑樹」と名付けられたそうです。このエピソードにちなんで、「自分のために生きると限界がきますが、人のために生きると限界を突破できます。僕は、困っている人がいたら手を差し伸べる人になりたいと考えながら日々生活しています」と話してくれました。

高校時代には生徒会長も務めたという釜崎教授。「人のために行ったことを自分の喜びとして感じられるような人に成長してもらえれば、必ずみんな幸せになれると思います」と母校の後輩たちにメッセージを送りました。

最後に斎藤さんによる「これまで、人との出会いをすごく大事にしてきました。引退して会社を立ち上げたとき、高校時代の同級生が一緒に仕事しようぜと言ってくれるようになり、とても嬉しいです。卒業して、いつどこで大切な出会いがあるか分からないので、人との縁を大切にしてください」というエールで約1時間の講演が終了しました。

講演終了後、生徒から花束を贈られる釜崎さん(左)と斎藤さん