今回は、2017年2月にオープンしたミクニワールドスタジアム北九州(北九州スタジアム)について紹介いたします。
北九州市の中心駅である小倉駅(新幹線口)から徒歩7分という最高の立地にあるこのスタジアムはサッカー・Jリーグに所属するギラヴァンツ北九州がホームグラウンドとして使用しており、「ミクスタ」の愛称でサッカーファンや北九州市民に親しまれています。
この記事ではスタンドやピッチだけでなく、普段は入れないエリアの紹介もしていきますので、北九州市民の方、ギラヴァンツ北九州のサポーターの方はもちろん、それ以外の方も是非最後までお読みいただければと思います。
ミクニワールドスタジアム北九州(北九州スタジアム)とは
ミクニワールドスタジアム北九州は、2017年2月にオープンした収容人数15,300人の球技専用スタジアムです。
2017年2月18日のこけら落としでは、「サンウルブズvsジャパンラグビートップリーグオールスター」の試合が、3月12日には「グランドオープン」としてギラヴァンツ北九州vsブラウブリッツ秋田の試合が行われました。
現在はJリーグ・ギラヴァンツ北九州の試合の他、高校サッカーや北九州市の市民体育祭、また会議室を使用してイベントなどにも使用されており、北九州市民にとって身近な存在になりつつあります。
ミクニワールドスタジアム北九州(北九州スタジアム)のスタンド
メインスタンド
こちらが、メインスタンドを正面から見たところです。収容人数は4853人。
ギラヴァンツ北九州の試合では、中央の赤っぽい座席をG指定席、その両サイドをS自由席、一番上の階をA自由席として使用しています。
バックスタンドの一番前から撮影したこの写真、ピッチとの距離の近さを感じることのできる一枚です。
メインスタンド内の写真です。G指定席として使用する席にのみ背もたれが設置されています。
背もたれのある「G指定席」。
メインスタンドの最前列から撮影。ピッチまでの距離はわずか8メートルです。最前列とピッチが同じ高さである「ゼロタッチ」を採用していますので、迫力と臨場感が段違いです。
バックスタンド
バックスタンドを正面から見た写真です。収容人数は2254人。
赤い座席の中に黄色い座席で「KITAKYUSHU」と描かれています。
バックスタンドを上から見たところ。海からの近さもよく分かります。
この通り、バックスタンドのすぐ後ろは海です。
バックスタンドから見ても、ピッチはすぐ目の前。球技専用スタジアムならではの臨場感を味わうことができます。
Jリーグ史上初の“海ポチャ”
2017年6月10日のギラヴァンツ北九州vsガンバ大阪U-23の試合中に、ボールがバックスタンドの向こう側にある海へと落下。「Jリーグ史上初の“海ポチャ”」となりました。ボールはこの“海ポチャ”に備えて待機していた漁船が無事回収。
Jリーグ史上初の海ポチャはこうして生まれました🌊 @Giravanz_staff#giravanz #kitakyushu#Jリーグ pic.twitter.com/qpgUPlB9iE
— Jリーグ (@J_League) 2017年6月10日
現在、“海ポチャ”に備えて待機する漁船は試合時に「海のボールパーソン」として紹介されています。紹介の模様は映像でご覧ください。
サイドスタンド
こちらはサイドスタンド。こちらは南サイドスタンドと呼ばれる、ギラヴァンツ北九州のサポーターが応援するエリアです。試合時には大勢のサポーターがここから選手に声援を送ります。収容人数は4117人(反対側の北サイドスタンドは4076人)。
サイドスタンドの中から座席を撮影。
サイドスタンドの一番前から撮影。やはりピッチまでの距離が近い!前半はギラヴァンツ北九州のキーパーを、後半はギラヴァンツ北九州の得点シーンを間近で見ることができます。
こちらサイドスタンドの上層。
このサイドスタンドの上層からはフィールド全体を良い眺めで見ることができます。
サイドスタンド上層からの眺めはこの通り。フィールドから離れることなく、全体を見渡すことができます。最大傾斜角は37度。
売店
こちらがスタンド内の売店です。(訪問時は非開催日ですので営業していません)
このように、各売店前にはモニターが設置されていますので、ゴールシーンを見逃すこともありません。
こちらは南サイドスタンド下の「にぎわいプロムナード」の売店です。
にぎわいプロムナード内にはテーブルとイスもたくさん用意されていますので、飲食しながらモニター観戦も可能です。
トイレや授乳室、更衣スペース
今回は特別に、ミクニワールドスタジアム北九州の内部(の一部)を案内してもらいました。
場内にはこのようにトイレや授乳室等が分かりやすく案内されています。
更衣室とトイレ
ミクニワールドスタジアム北九州の女子トイレには更衣室が用意されています。観戦前にユニフォームに着替えるのに便利です。
こちらが更衣室内の写真です。荷物を置く棚が完備されています。
トイレや更衣室が混まないよう、さまざまな工夫が施されています。こちらは個室が空いているときに「空」のプレートを表示させることで、空き状況が一目でわかるようになっています。
こちらは女子トイレの洗面所前。混雑対策として、鏡が設置されていません。
鏡は洗面所の真後ろに。洗面所と分けることで女子トイレの混雑を防いでいます。
授乳室
次に授乳室をご案内します。
哺乳瓶のマークが目印です。
中に入るとベビーカー置き場。
そしてソファとテーブル、ポットが用意されています。
テーブルの手前にはおむつ交換台。
室内で何かトラブルがあったときのための内線電話。もう至れり尽くせりで、安心して子連れ観戦ができます。
ミクニワールドスタジアム北九州(北九州スタジアム)の会議室など
続いて、3階のVIPフロアを紹介いたします。
VIPラウンジ
こちらが3階の中央にあるVIPラウンジです。ゆったりと座れるソファが多数用意されています。
テレビも備え付けられているくつろぎのスペース。
テーブルには小倉織。ミクニワールドスタジアム北九州内では地元北九州市の名産品、商品が多数使われています。
VIPラウンジからピッチを見下ろしたところ。高さといい角度といい、非常に見やすい場所です。
観戦用シートもあります。一般の席とは違う高級仕様。
ビジネスラウンジ
次にビジネスラウンジをご紹介。
ビジネスラウンジは3つの部屋からなっており、このような間仕切りで区切られます。
バーカウンターも完備。(バーカウンターはVIPラウンジ、スカイボックスにも完備されています)
音響機器はこのビジネスラウンジにのみ用意されています。
スカイボックス
3Fで最後に紹介するのはこちらのスカイボックス。VIPラウンジよりはややカジュアルな感じです。
こちらもテレビ完備。
バーカウンターも設置されています。ちょっとしたパーティーに使えそうですね。
スカイボックスの観戦用シート。VIPラウンジ、ビジネスラウンジと同様に高級仕様です。
スカイボックスの観戦用シートからの眺め。ギラヴァンツサポーターが陣取る南サイドスタンド寄りです。
ミクニワールドスタジアム北九州(北九州スタジアム)の設備
記者席
4Fに移動します。ここはテレビカメラを設置するスペースです。DAZNで見る映像もここから撮影。
ここは記者さん向けの席。ひじ掛け付きの4人掛けです。
記者さん用の席ですから当然電源が必要。ということでコンセントも完備。
記者席からの眺め。ピッチ全体を見ることができるので、ゲームの動きを正確に把握できます。
実況放送室
続いては実況放送室へ。中継設備端子盤があります。
実況放送室からの眺め。こちらもゲーム全体が把握できますね。
大型映像操作室
こちらでスタジアムの大型映像装置を操作します。
こちらが機器ラック。中央より左が音響機器類です。(左から音響架1・2、出力制御架、電力増幅架1・2)中央より右は大型映像送出架。
ミクニワールドスタジアム北九州(北九州スタジアム)のその他のスポット
ミクニワールドスタジアム北九州のその他のスポット、設備をご紹介します。
こちらの大型映像装置は、ギラヴァンツ北九州の試合のときの選手紹介などに使われます。
バックスタンド裏にある注意書き。魚つりは禁止です。
北九州市内各地で目にするギラヴァンツカラーの自動販売機はミクニワールドスタジアム北九州の中にもあります。(この自動販売機はバックスタンドの裏側に設置されています)
スタジアム入口にある北九州スタジアムの銘板(チタンインゴット製)は東邦チタニウムに寄贈していただいたもの。北九州市と東邦チタニウムは、工場が北九州市内(若松区、八幡東区)にあるという関係です。
その他にもミクニワールドスタジアム北九州では地元製品がたくさん使われています。
企業名(50音順) | 資材・製品名 | 主な使用箇所 |
---|---|---|
(株)桐井製作所 | 鋼製天井、壁下地材 | 天井、壁の下地 |
(有)小倉クリエーション 【協賛企業】 (株)安川電機、第一交通産業(株)、(株)ゼンリン、(株)九電工 |
小倉織(染織家 築城則子デザイン監修・壁面装飾) | 2階コンコース 壁面 |
小倉セメント製品工業(株) | プレキャストウォール | 南擁壁 |
(株)第一特殊金属 | 金属製手摺 | 各スタンド等全般 |
東京製鐵(株) | H形鋼 | 建屋各所の鉄骨 |
TOTO(株) | フラットカウンター 多機能トイレパック(衛生陶器用品) |
3階VIPフロア |
東邦チタニウム(株) | チタン銘板(チタンインゴット) | スタジアムプラザ |
日鉄住金高炉セメント(株) | 新日鐵高炉セメントB種 (セメント材料) |
スタジアム躯体 |
日本鉄塔工業(株) | 照明塔 | 観客席海側 コーナー2箇所 |
福岡ILB(株) | 保水性インター「クールペイブ」 (インターロッキングブロック) |
スタジアムプラザ及び北側通路 |
三菱マテリアル(株) | セメント材料 | バックスタンド躯体 |
吉野石膏(株) | 石膏ボード | 内装 |
顔出しパネルもあります。スタジアムに来た記念に是非1枚。
こちらは北九州スタジアムへの寄付者(法人・個人)の銘板(ネームプレート)。「北九州スタジアム寄附金」は平成27年、28年に募集していたものです。
ミクニワールドスタジアム北九州(北九州スタジアム)へのアクセス
さいごに
私が子どものころの小倉駅周辺は、南口(現在の小倉城口)だけが栄えていて、北口(現在の新幹線口)には人が集まるような場所がほとんどありませんでした。
しかしこのミクニワールドスタジアム北九州ができたことで、人の流れは確実に変わっています。
山陽新幹線の全列車が停まる駅(小倉駅)から10分もしない場所に作られたこんな立派なスタジアムを、北九州市民はもっと誇っていい。
ミクニワールドスタジアム北九州(北九州スタジアム)は北九州市、そして北九州市民の大きな財産です。
最後になりますが、本記事のための取材を快く引き受けてくださった日本施設協会様、そしてご許可くださった北九州市の担当部署様、誠にありがとうございました。