ギラヴァンツ北九州・池元友樹さんが引退後初イベント参加。今後の抱負も語る

 

 昨シーズン限りで現役を引退し、先月ギラヴァンツ北九州のクラブコーディネーターとして引き続きクラブに携わっていくことが発表された池元友樹さん。2月13、14日の2日間にわたり、クラブ外部のイベントに登場。引退後初めて公に元気な姿を見せた。

 池元さんが参加したのは積水ハウスが開催したイベントの子供サッカー教室。初日の13日、未就学児から小学校高学年の子供たちが、池元さんと一緒に玉入れやボール遊び、チームを分けてのミニゲームなどを楽しんだ。
 「選手時代にスクールコーチたちと一緒にサッカー教室に参加したことはあったが、1人での指導はこれがはじめて」という池元さんだったが、子供たちへの目配りや盛り上げ方などはとても初指導とは思えないほど。約1時間半のイベントは終始活気と笑顔であふれていた。

 池元さんはイベント終了後にメディア取材に応じ、質問に答える形で現在の心境や抱負などを語った。

 まずは「やっぱりこういう時間は本当に楽しいですし、この機会をいただいたこと、来て下さったお子さんや保護者の方に感謝します」とあいさつ。今後の活動について、子供たちをはじめとした街の人たちとの交流のほか、「色んな選手達を見て、北九州のサッカースタイルにあった選手を見つけたり、アカデミー(育成目的の下部組織)とトップチームの連携などに取り組みたい」とし、チームの強化面へ関わっていくことにも意欲を見せた。指導者への道についての質問に対しては「ないですね。難しい仕事ですから」と笑顔で否定。ライセンスの取得も現時点では考えていないという。

 ギラヴァンツ北九州は2月14日まで島原、沖縄でキャンプを行ったが、視察した池元さんは「メンバーが大きく入れ替わったことに不安と楽しみの両方を感じていたが、去年から残った選手はより自覚や責任感をもって、プレーや行動が変わっているなという印象をうけた。新加入の選手達も、北九州のサッカーを体現しようと努力していると思いました」と新チームを評した。
 また、J1・川崎フロンターレとのトレーニングマッチについて「J1優勝チームと戦うからといって受け身にならず、自分達から積極的に仕掛け、動いていてとても良かった。もちろん課題もたくさんありましたが、そこは修正していけると思います」と感想を語った。

 現役時代は、地元・北九州市小倉北区出身ということもあり「Mr.ギラヴァンツ」と呼ばれた。若い頃にはギラヴァンツ以外のチームのサポーターからも「池元は北九州のプリンス」と言われることもあった。

 引退記者会見では自身がそう称されていたことに対し「もっと重要なところで活躍してきた選手が他にもいる中、昇格などの場面には関係してこなかった自分がMr.ギラヴァンツと呼ばれるのには正直違和感があった。でもこれまで色んな形でクラブに関わってくれ、力を尽くして下さった方々の思いを受け継いでいる自信はある。なのでそう呼んでいただけるのは光栄です」と真っ直ぐに答えた。

 ファン、サポーターだけでなく、チームメイトからも「いけさんはギラヴァンツの象徴」と言われたレジェンドだからこそ、ギラヴァンツ北九州と、地元である北九州という街にできることは少なくないはず。「このクラブをもっと良くしたい」という思いを胸に、池元さんの新たな歩みは始まったばかり。今後も引き続き元気に活動する姿を見せてくれることを期待したい。