10代から広がる「ダメ。ゼッタイ。」の声——北九州市が若者とともに薬物乱用防止を呼びかけ

薬物乱用の危険性について、市民一人ひとりの意識を高めようと、北九州市では6月14日(土)、JR小倉駅JAM広場およびその周辺で「薬物乱用防止キャンペーン」が実施されました。この取り組みは、全国で一斉に行われる「ダメ。ゼッタイ。」普及運動(6月20日〜7月19日)の一環として行われたものです。

この日のイベントには約100人が参加

現在、10代を中心とした若年層による大麻の乱用が全国的に問題視されており、福岡県内でも令和6年の大麻検挙者数が過去最多となった令和5年と同水準を記録。社会全体での対策が求められています。こうした背景を受け、北九州市では若者自身が啓発の主役となることで、より実効性のあるメッセージを発信しようと今回のキャンペーンが企画されました。

オープニングセレモニーでは、北九州市副市長・大庭千賀子氏が主催者を代表して挨拶し、参加団体への感謝を述べました。続いて、公益社団法人北九州市薬剤師会会長・小野春夫氏が登壇。「わが国では薬物乱用、とくに大麻の広がりが深刻な状況にある」としたうえで、「薬剤師会として、学校や市民センターを通じて正しい知識を伝える啓発活動を今後も継続していく」と語りました。

また、ヤングボランティア代表として小倉工業高校の生徒会長が登壇し、「薬物は自分だけでなく、大切な家族や友人にも影響を与える」と危機感を示し、「誘われてもきっぱり断る勇気とその場から逃げるを持つことが大切」と力強く呼びかけました。「かけがえのない自分自身を守る」という言葉には、若者の主体的な決意がにじんでいました。

市内の高校生も多数参加していました

その後、参加者たちは小倉駅周辺に移動し、啓発グッズを配布しながら市民に薬物乱用防止を呼びかけました。市内の高校6校をはじめ、ボーイスカウト、ガールスカウト、ライオンズクラブ、薬剤師会、保護司会など、約100名が参加。世代や立場を越えた協働のかたちが、小倉の街なかに広がりました。

小倉駅前で啓発グッズを配布する北九州市立高校の生徒
小倉駅前で啓発グッズを配布する戸畑高校の生徒

今回のキャンペーンは、北九州市保健福祉局 医務薬務課を中心に、関係機関が連携して実施されたもの。薬物乱用を「自分には関係ない」と捉えず、地域全体で防いでいく。その出発点として、若者のまっすぐな声が地域社会に確かなインパクトを与える一日となりました。