GOP(ギラヴァンツ オープンマインドプログラム)の紹介

GOP(ギラヴァンツ オープンマインドプログラム)とは

GOP(ギラヴァンツ オープンマインドプログラム)は、スポーツを「観る」「する」「支える」という3つのプログラムで構成されています。

専門家の指導により心理的安心に配慮した観戦講座や、Jリーグの基準を身に付けたプロのコーチが行う運動体験によって、心と体が温まり、自然に心が開かれていくことを目指したプログラムを実践しています。

2021年で5年目を迎えたGOPには、引きこもりがちの方や不登校気味の方、その保護者・支援者の皆様が、これまでに延べ800人以上参加してきました。

GOPは、北九州市ひきこもり地域支援センター「すてっぷ」とギラヴァンツ北九州が連携して2017年にスタート

2019年には「2019北九州SDGs未来都市アワード」企業部門にて「SDGs賞」を受賞しました。

2021年度のGOP開催につきましては、ただいま日程を調整中です。

開催が決定しましたら、ギラヴァンツ北九州のホームページに掲載されます。

2020年度 GOP活動内容

GOP「観る」

2020年のGOPは10月17日(土)の観戦体験からスタート。

ミクスタで行われた対V・ファーレン長崎戦を観戦しました。

試合前の「観戦講座」では、2020年GOPアンバサダーの川島コーチが実演に参加。

より楽しくサッカー観戦をできるような話に、参加者の顔から笑みがこぼれる場面も。

サッカーをより楽しめるよう、観戦前に「サッカーの楽しみ方」を実演入りで教えてくれます

お忙しい中、今年もギラヴァンツ北九州・玉井社長にお越しいただきました。有難うございました。

ギラヴァンツ北九州・玉井社長

試合観戦はバックスタンドから。

前半はギラヴァンツ北九州のゴールキーパー・永井 堅梧選手(現・清水エスパルス)の再三のファインセーブによりV・ファーレン長崎に得点を許さず0-0で終了。

後半に入り、ディサロ 燦シルヴァーノ選手(現・清水エスパルス)のゴールで1-0としたものの、試合終了間際に長崎のカイオ セザール選手にゴールを許し1-1に。惜しくも引き分けとなりました。

笑顔を見せる方、悔しさを隠し切れない方、さまざまな参加者の表情が印象的でした。

バックスタンドからの試合観戦。惜しくも引き分けに終わってしまいました

GOP「する」

GOP運動体験

「する」=運動体験は11月18日(水)に北九州市内の体育館にて実施。

今年の運動体験は鍬塚(くわづか)コーチ(右)と川島コーチが担当しました。

今年の運動体験は鍬塚(くわづか)コーチ(右)と川島コーチが担当

まずはじゃんけんのゲームからスタート。

「僕とじゃんけんをして“負けてください”」というコーチからの難題(?)や、「誰とでもいいから5回連続じゃんけんに勝ってください!」などの指令(?)もあり、じゃんけんにしてはかなり体を動かしたのではないでしょうか。

参加者の方の体も心も少しずつほぐれてきたようです。

みんなでじゃんけん。結構体を動かします

その後、4つのグループに分かれてゲームを行いました。

チームで協力しながらのゲームですので、同じチームのメンバーとは自然とコミュニケーションを取るようになります。

チームに分かれてボールを使ったゲームを実施

最後にサッカーボールを使ったゲームを実施。チーム対抗戦なので、勝利を目指して参加者の皆さんが奮闘。
参加者とか付き添いの職員さんとか関係なく、皆が一緒になってサッカーボールを追いかけていました。

昨年同様盛り上がった状態で終了。参加者の方からは「心地よい汗をかいた」との声も挙がりました。

GOP「支える」

「支える」はボランティア体験。11月28日(土)のファジアーノ岡山戦で行いました。

まずは試合前にスタジアムの周辺を清掃。

あさの潮風公園や西日本総合展示場(本館、新館)のあたりまで足をのばしてゴミ拾いをしてきました。

試合前にスタジアム周辺のゴミ拾いを実施

開場後はスタジアム内のゴミ捨ても実施しました。

スタジアム内のゴミ置き場を順番に回って、ゴミがある程度たまっていたらゴミ袋の入れ替えを行います。

スタジアム内のゴミ回収も行います

ボランティア体験のあとは試合観戦。この日も引き分けという結果となりました。

2020年度 GOP-J活動内容

GOP-Jとは

小倉東ロータリークラブとギラヴァンツ北九州との共催で2019年度ににスタートした、児童・生徒を対象にしたのが、ギラヴァンツオープンマインドプログラム for ジュニア(GOP-J)です。

運動体験は9月25日(金)、10月23日(金)、11月24日(火)に、ボランティア体験は11月15日(日)に実施しました。

ボランティア体験ではスタジアム周辺~あさの潮風公園、西日本総合展示場のゴミ拾いを実施。

スタジアム周辺をゴミ拾い

GOP-Jでは、運動体験を行う日にミクスタ内の見学を実施しています。

こちらはホーム用のロッカールーム。普段は絶対に見ることのできないエリアに入れる貴重な経験です。

ホーム用のロッカールームを見学

ピッチにも降ります。(注:芝生の部分には入らず、人工芝の部分のみを歩きました)

客席との距離の近さをリアルに感じることができました。

ピッチにも降ります。貴重な体験!!

運動体験は室内の練習場で行います。ここも普段は入れないエリアですよね。

この写真はじゃんけんをしている場面です。

ここでも「僕とじゃんけんをして“負けてください”」とコーチに言われます。

参加者同士でじゃんけん

ボールを8の字に回しています。これが案外難しい。

ボールを8の字に回しています

その他、ボールを使ったゲームを多数実施します。

最初は硬い表情だった子どもたちも、体を動かすにつれ表情が柔らかくなってきました。

ギラヴァンツ北九州が“ひきこもり”支援に取り組むきっかけ

GOPの立ち上げメンバー。左から中川さん、田中さん、下田さん

GOPの仕組みを作ったのは、ギラヴァンツ北九州・育成本部の下田本部長、北九州市地域引きこもり支援センター 前センター長の田中美穂さん、そして一般社団法人「街に心の栄養を」の代表理事を務める中川康文さんの三人です。

お三方に、GOP立ち上げ時の話を伺ってきました。


前社長の縁で下田本部長と知り合った田中さんは、「はじめはサッカーと引きこもり支援の接点がどこにあるか分からなかった」と当時を振り返ります。

しかし下田本部長の話を聞くうちに「ひきこもりがちな人たちにも、スポーツの力で心が動くことを体験してもらえるのではないか」と考えるようになったとのこと。


とはいえ、“引きこもり”支援はJリーグにも前例がありませんでした。

下田本部長は3つの不安を持っていたといいます。

「前例がないこと」、「全く異なるジャンルに入っていくことの怖さ」そして「3つの体験(運動体験、観戦体験、ボランティア体験)が機能するか」

その反面、田中さんや中川さんのような専門家がいたことは心強かったそうです。

「専門のことは専門家に任せよう」と考えることができたと。


中川さんは「3つの体験」のうち「ボランティア体験」を重視していたといいます。

「『運動体験』『観戦体験』だけをやるイベントはどこにでもある。社会と接点を作ることがポイントだと考えていたので『先に貢献して喜ばれた実感』が大切なんじゃないかと思っていました」

中川さんは続けます。

「ひきこもりがちな方々を『できない人』と扱う世界に不満があるんです。決して『できない人』じゃないんですよね。たまたま機会がなかっただけで」

そこで中川さんが作成したのが以下のような約30枚の資料。

Jリーグの理念に寄り添うことが重要だと考え、イベントの内容を設計したそうです。

活動4年目を迎えたGOPですが、中川さんは初年度を振り返って「1年目は何とかやり遂げられたがとにかく苦しかった」といいます。

しかし、本山選手(当時ギラヴァンツ北九州在籍)の「こんな素晴らしい企画をやっているんですね。応援します」という言葉、そして玉井社長の「ギラヴァンツに関わってくれてありがとうございます」との言葉に励まされたそうです。

GOPを通して実現したい社会とは

GOPという活動をどうしていきたいか、そしてGOPを通してどんな社会を実現したいか、お三方に伺いました。

下田本部長は「このGOPという活動を将来にわたって長く続けたいと考えています。その上で、新しい方向性がないか探りたいです」と。ホームタウン活動のひとつとして、GOPを大切に考えていることがよくわかりました。

 

中川さんは「この活動を通じて、お互いの存在を認知しあっている状態が濃くなってほしいですね。僕はそれが地域の中で濃くなるほどいい地域だと思っています」と話してくれました。

 

田中さんは「均一なものを良しとするだけでなく、今まで体験してないものに対する興味関心をもち続ける人の社会、そして違う人を排除するのではなく理解しようという勇気を持てる社会につながっていくと嬉しいですね」と考えているそうです。

 

最後に中川さんがこう付け加えました。

「この活動を通して、ギラヴァンツ北九州がJ1で優勝したときに喜びあえる人を増やしたい、そのときに『街にギラヴァンツがあってよかったね』と言い合えるようになってほしいと思います」

2021年度のGOP開催について

2021年度のGOP開催につきましては、ただいま日程を調整中です。

開催が決定しましたら、ギラヴァンツ北九州のホームページに掲載されます。