[ギラヴァンツ北九州]北九州の中心市街地に、一年ぶり二度目の奇跡が舞い降りた夜。~ギラフェス2018~

北九州の食と街PR本「おいしい北九州」の著者・東恭子さん(@azoofc)による不定期連載・第2回は2018年8月25日に行われた「ギラフェス(ギラヴァンツサマーフェスティバル・ミクスタ満員大作戦)」の模様です。


やってきた。今年もまた「ギラヴァンツサマーフェスティバル・ミクスタ満員大作戦」の日がやってきた。1年前のこの日を思い出してみよう。お得な前売りチケット、来場者全員にプレゼントされた特別ユニフォーム、試合終了後は海から上がる花火。更にギラヴァンツの二つのゴラッソなゴールによる快勝で、クラブ初の大掛かりな集客プロジェクトはほぼ満員のスタジアムで大団円を迎えたのだった。

ああ、あの日は幻だったのか…(遠い目)
普通だとさあここから!とチームは波に乗るとところなのだが、去年のギラヴァンツ北九州は、ギラフェスの後も波に乗れぬままシーズンを終了してしまった。なので私の中で余計に残る「あの夏はまぼろし」感。
同じ轍を踏んではいけない。今年こそはギラフェスの大成功を機にチームも快進撃だ。

中の人でもないのに不安とプレッシャーで胸がいっぱいになり眠れぬ夜を過ごしてからの当日。どうせなら愛と夢で胸がいっぱいになりたいものだと思いながら現着。既にミクスタの隣の浅野町緑地もお祭りムードになっている。イベントステージや、通常はスタジアム内だけのスタジアムマルシェ(スタジアムグルメ)、近隣自治体のPRブース等々。拙著「おいしい北九州」掲載店の「お好み焼きいしん」「小倉かまぼこ」「辻利茶舗」の出店も。(宣伝挟んでみました)その他にも直方焼きスパに八幡餃子、佐賀牛丸焼きに中津からあげなどなど…どれもこれも食べたいものだらけだ。やはりイベントにはご当地グルメ系をメインとした食は外せんという思いを今回も強くした私だ。

ステージの方もギラヴァンツ北九州の公式チアダンスチームのスプラッシュを皮切りに、音楽やダンスが次々と。
個人的にはDrunK!が、アレンジを加えてギラヴァンツ北九州公式応援歌「燃えろギラヴァンツ~太陽に向かって」をプレイしていたのが印象的だった。オリジナルの大内義昭氏亡き後、この曲を継ぐのは彼らなのかも。

いずれミクスタの試合前のイベントや、ハーフタイムでの演奏もあるかもしれんね。

そしてキックオフ約2時間前には選手を乗せたバスがスタジアムに到着。
戦いを前にした選手たちを鼓舞すべく、北九州コールやクラップでエールを送る大勢のサポーター、ファンの皆さん。2階コンコースや歩道橋の上にもたくさん。浅野町緑地側から歩道橋を登って来たこの日初観戦の方々は「こんな風に出迎えてもらったら選手も嬉しかろうねえ。頑張ろうと思うやろうねえ」とニコニコと語っていた。

https://twitter.com/Giravanz_staff/status/1033253508575682561

スタジアムの方はと言えば、開場後しばらくはあまり席が埋まっている感じがなく、これは去年のギラフェスに比べてかなり入場者数苦戦するのではないかと不安が過ったのだが、試合開始前にはほぼ全席種まんべんなく埋まっていた印象。天気予報では午後から一時雨と出ていたが、結果天気が崩れることがなかったのも客足に悪影響を及ぼすことなく良かったと思う。

そして試合結果は1-0でギラヴァンツ北九州の勝利。
良かった…本当に勝って良かった…

去年のような派手な勝ち方ではなかったし、むしろ前半など押し込まれっぱなしでどうなることかと胃が痛くなりそうだったが、とりあえず勝ったことが重要。
どんな試合でも勝たなくていい試合などひとつもないが、いつもは来ないであろう人が大勢集まった試合でしっかり勝つということは、単なる1勝以外の意味を持つのだ。

とりあえず試合後の花火にしても、負けて見ることになっていたらと想像しただけでこの残暑にもかかわらず寒気がするぞ。本城陸上競技場時代には、負け試合の後、アウェーの東京ヴェルディサポーターが達が大はしゃぎしている姿が視界に見切れる中で花火を見上げた経験もあるが、その時の数倍は心的ダメージ大きかったと思う。勝ったおかげで今年のミクスタの花火も、わっしょい百万夏まつりの花火より断然素晴らしかった。(※個人の感想です)

※試合内容などはこちらのページなどを参考に

不安視していた来場者も13000人超え。黄色に染まり、歓喜に沸くミクスタ。勝利の花火を眺め、興奮冷めやらぬまま街に繰り出す人々。小倉駅でも、魚町銀天街でも、すれ違う黄色いユニの人同士がハイタッチをし、サムズアップをする。店の中では楽しそうに飲食し、談笑している。
ああ、これは去年もギラフェスの後見た光景だ。

あの夜私は思ったのだ。ここは本当に北九州なのかと。これは夢なんじゃないのかと。いやむしろ奇跡なのかと。
我が街のサッカーが、街の景色を変えるなんてことが現実におこってしまったのだ。
そして奇跡は今年も起こった。
本来、奇跡も二度目からは奇跡とは言わないものだ。繰り返されればそれは常態だ。
そう。この風景を、ギラヴァンツのホームゲームが行われる日の、小倉の街中の当たり前の日常にしたい。

ギラフェスといえば特製ユニのプレゼントと花火。これを数多くの祭りで盛り上がる北九州の夏の、フィナーレを飾るにふさわしい祭りにしたいのはもちろんだが、年一の祭りで満足している場合ではないのである。目指すのは毎試合後黄色いユニフォームと、アウェーのユニフォームの人であふれる小倉の街中の風景。

ギラフェスでサッカースタジアムで過ごす時間と、街中でのアフターを楽しいと思ってくれた人たちに、一人でも多くまたギラヴァンツの試合のある日にミクスタに行こうと思って欲しい。北九州(とその周辺のまち)で過ごす人たちの、休日の過ごし方の中に、ミクスタでのサッカー観戦という選択肢が加わって欲しい。少しずつ積み上げていけば、必ず五年後、十年後のギラヴァンツ北九州と、北九州市という街は変わる。奇跡が日常になる。

千里の道も一歩より。けど、肝心なのは祭りのあとよ。今年こそはここからチーム成績も上昇気流に乗って欲しい。まずは次のホームゲームに一人でも多くのギラフェスからのリピーターの方に来ていただけますように!

次回ホームゲーム
9/8(土)18:00
ギラヴァンツ北九州対カターレ富山・ミクニワールドスタジアム北九州

その前に、9/2(日)にはアスルクラロ沼津とのアウェー戦のパブリックビューイングもあり。今シーズン二度目のミクスタ開催。前回同様スタジアムDJ八木徹氏による選手紹介もありで、試合前からホームゲーム同様の盛り上がりに期待。
詳しくはギラヴァンツ北九州公式HPを。

(ちなみに今シーズンこれまで行われたパブリックビューイングは全て満席立ち見ありの大盛況)

写真©GIRAVANZ