介護施設「小倉南ケアセンターそよ風」(小倉南区横代北町)を運営する株式会社SOYOKAZE(本社:東京都港区)が、介護とスポーツを融合させた「イマドキシニア」プロジェクトを展開しています。
このプロジェクトは、主に1950年以降に生まれたシニア層を対象としています。高度成長期に個性豊かな生活を送ってきたこの世代に向けて、従来の介護保険サービスに加え、未来社会を見据えた多様性のあるサービスの開発に取り組んでいます。
2021年5月に開始し、現在4年目を迎えたこのプロジェクトは、超高齢社会における健康課題であるフレイル(虚弱)の予防や、多世代交流、地域活性化への貢献を目指しています。全国各地でさまざまなスポーツチームや個人アスリートとの協業を通じて、高齢者の生活の質(QOL)向上に取り組んでいます。
2024年7月29日、福岡県北九州市の小倉南ケアセンターそよ風で、プロ野球独立球団「北九州下関フェニックス」の選手たちと高齢者利用者との交流イベントが開催されました。約20人の利用者が参加し、北九州下関フェニックスからは鈴木理央選手と漁野海人選手が参加しました。
和やかな雰囲気の中、準備運動、ボール投げ、ストラックアウト、じゃんけん大会といった多様なレクリエーションが行われ、それぞれの活動に楽しそうに参加する利用者の姿が印象的でした。
小倉南ケアセンターそよ風と北九州下関フェニックスとの交流イベントは4月から始まり、今回で5回目だそうです。同施設の森田尚樹センター長によると、毎回異なる選手が訪れることで、利用者たちに大きな変化が見られるようになったといいます。
森田センター長は、「ご利用のお客様に素晴らしい笑顔が見られるようになりました。普段はあまり活動的でない方も、若い選手たちが来ると生き生きとして、笑顔で体を動かすようになったんです」と話してくださいました。
北九州下関フェニックスの鈴木理央選手は今回が初めての参加でした。「利用者の皆さんと一緒に楽しむことができ、とても充実した時間を過ごせました」と鈴木選手は感想を述べました。
2回目の参加となる漁野海人選手も、「2回目ということで前回よりも楽しく活動できました」と振り返りました。
選手たちの様子を見守った金本享祐GM(ゼネラルマネージャー)は、この交流の意義について、「選手たちは利用者の皆さんの体調を見ながら丁寧に指導していました。この活動が選手たちの社会勉強になればと思います」と語り、「利用者の皆さんに球場に来ていただき、選手たちのファンになってほしいですね」と期待を寄せました。
さらに金本GMは、「さまざまな選手と交流することで、若い選手たちの頑張りを感じていただき、施設全体が活気づけばいいなと思います」と今後の展望を語りました。
施設では球場観戦も実施しており、4月から6月にかけて北九州市民球場での観戦を行いました。森田センター長によると、車椅子の利用者も含め、多くの方が参加したといいます。
「車椅子の方も一緒に球場に行きました。『もう二度と来られないと思っていた』と話す方もいて、皆さんとても喜んでくださいました」と、森田センター長は利用者の喜びを伝えました。
また、森田センター長は、同施設において今回のようなスポーツ関連のイベント以外にも、さまざまなレクリエーションを企画していると付け加えました。「日頃から食事に関するイベントや夏祭りなど、自宅ではなかなかできないような体験を提供できるよう工夫しています」といいます。
北九州下関フェニックスとの交流イベントを通じて、スポーツの力が高齢者の生活に新たな活力をもたらす可能性が示されました。このような介護とスポーツの融合は、高齢者の健康促進と生きがい創出、そしてスポーツ選手との世代間交流を同時に実現する独自の試みとして注目されています。
SOYOKAZEは今後も北九州下関フェニックスとの協力を継続し、さらなる交流イベントを計画しているとのことです。この取り組みは、超高齢社会における新しいモデルケースとなり、今後ますます重要性を増していくと考えられます。
株式会社SOYOKAZE https://corp.sykz.co.jp/