2022年からヤマエ久野九州アジアリーグに加盟した福岡北九州フェニックスが、3月20日に火の国サラマンダーズとの開幕戦に臨みました。
フェニックスは惜しくも2-7で敗戦。初陣を飾ることができませんでした。
昨日(3月19日)の試合が雨天中止となったため、本日が開幕戦となった両チーム。試合を決したのは昨年の同リーグ覇者、火の国サラマンダーズ(以降熊本と表記)の勝負強さでした。
フェニックスの先発投手は左腕の本野 一哉。大阪府出身の26歳です。
大事な開幕戦のマウンドに立った本野に熊本打線が襲い掛かります。初回に2点、3回に1点を取り熊本が試合の主導権を握ります。
地元での開幕戦、それもチームが発足して初の公式戦を勝利で飾りたいフェニックスは3回裏に3番・妹尾 克哉(兵庫県出身・23歳)のチーム初打点で1点を返しますが、熊本の先発・宮澤に6回まで内野安打2本を含む4安打に抑えられます。
そのまま1-3で終盤を迎え、試合を動かしたのは熊本でした。
7回表に二死2、3塁のチャンスを作った熊本は7番・佐藤の二塁打で2点を追加。さらに8回にもダメ押しの2点を取って1-7とします。
ほぼ勝負が決したと思われた後の9回裏のフェニックスの攻撃。一死無走者で打席にはこの日2三振と精彩を欠いていた5番・宮本 貴章(福岡市出身・24歳)が入ります。この宮本の一振りに、球場内がこの日一番の熱気に包まれました。
宮本が放った打球はレフトスタンド中段へ。チーム初となる本塁打でフェニックスが1点を返しました。
フェニックスは惜しくも開幕戦を勝利で飾ることはできませんでしたが、球場に詰め掛けた1,248人の観客が北九州市に生まれた新球団の船出を見届けました。
この日印象に残ったのは、フェニックスの選手がそれぞれの第一打席で、バッターボックスに入る前にネット裏に向かって深々と頭を下げていたこと。選手たちのこの行動に対して西岡剛選手兼任監督は「ファンの皆さんに一礼した姿は初々しく思うし、ファンの人たちも応援しようという気持ちになってくれたのではないでしょうか」と笑顔で語ってくれました。
3度にわたるけん制死についても西岡選手兼任監督は「リードを誰よりも大きく取ってひとり一回は絶対にけん制でアウトになろうということを、キャンプ中から言ってきました。今日はそのことを選手たちがランナーに出て実践してくれました。たまたまけん制死が1試合に固まっただけですよ」と選手の試みを評価。続けて「1試合でこれだけ牽制球を投げさせたことについて選手たちを褒めてあげたい」と話してくれました。
3月1日より本格的に活動を開始した、西岡選手兼任監督いわく「発展途上」のチームです。今後の福岡北九州フェニックスには期待しかありません。
開幕第2戦は3月21日(月・祝)の13時プレイボール。本日と同じ北九州市民球場、相手も同じく火の国サラマンダーズです。
最終回にホームランを放った宮本選手は、ひとつ前の第3打席で三振を喫した際に審判の判定に納得いかない様子を見せていました。するとすぐに西岡選手兼任監督がベンチを出て、宮本選手に一声、二声かけていました。これに限らず、西岡選手兼任監督は選手とのコミュニケーションを重視しているように見えます。ベンチの雰囲気が明るいのも、この細やかなコミュニケーションによるものではないでしょうか。