美しい街並みの門司港の中で、キラリとその個性を光らせている雑貨屋さんがたくさんあります。
アクセサリー、服、小物など、雑貨は見に付けたり身近に置いておくことで自分をより楽しく、いい気分にさせてくれるもの。
門司港には個性的なお店が多いので、必ずあなただけのお気に入りが見つかります。
今回は、めぐるだけで元気になれる3つの雑貨屋さんをご紹介します。
アクセサリーとエネルギーが得られる場所【Ish/新海運ビル】
身に付けると強くなれる装備品
門司港駅を出て左手、海沿いに少し歩いていくと、『新海運ビル』という建物が見えてきます。
その一階、黒いシックな佇まいに思わず引き寄せられ、ドアを開けると・・・
「いらっしゃいませ〜」と元気な声で迎え入れてくださったのは、こちらの店舗【Ish】の店主である、カナさん。
店内は外観から感じた通り、黒で統一され、洗練されたクールな印象を受けます。
そのオシャレな空間に一瞬緊張してしまいますが、そこはご安心を。
カナさんがその緊張を吹き飛ばしてくれます。
気さくに、おおらかに、ときに豪快に。
「ただいまー!」と言って来店するお客様もいるくらい、Ishのうっとりするような美しいアクセサリーだけでなく、カナさんのその朗らかさに惹かれ、何度も足を運んでしまう魅惑的なお店です。
“ポリマークレイ”と呼ばれる樹脂粘土を焼くことで生み出される、Ishのアクセサリー。
「どうせやるんだったら、自分だけの世界を目指したい!」という決意でクレイ作品に特化し、今やIshの確固たるアイデンティティとなっています。
一本に絞るのは怖さもあったと言いますが、「自分が楽しかったり、心地よさがベースにあってこそ作品に宿る何か、訴える何かが生まれるんだと思います」と語る通り、カナさんのクレイ作品には身に付けると元気になるようなパワーが感じられるんです。
実際、お客様にも「ここぞという時にIshのアクセサリーを手に取ることが多い」と言われたり、「お守りみたいに着けている」と言われることも多いのだとか。
“可愛い”、“綺麗”、“キラキラしたもの”、そういうものを全部排除して“ただかっこいい”ものを作りたかったというカナさん。
クレイだからこそ表現できるその無骨なまでのカッコよさは、着ける人をより美しく、より強く見せてくれます。
アクセサリーを始めるまでは、幼い頃からずっと和楽器一筋で、師範の資格を取るほどの腕前だったカナさん。
しかし、伝統的な世界であるため、自分を表現するにはある程度縛りがある。
カナさんの中で、「自分自身を表現したい」という熱量と、実際に身を置いていた和の世界のバランスが次第に取れなくなってきたことでアクセサリーの世界に踏み込んだそうですが、それまでに和の世界で培ってきた礼儀や所作など、自分が今までに作ってきた引き出しがIshに活かされているといいます。
そうして、いろんなものを見たり聞いたり触ったり感じたりしたたくさんのものを通して築き上げたIsh。
そしてまたIshでも、カナさんはたくさんのものを「お客様に教わっている」とおっしゃいます。
カナさんにとって、自分が作った可愛い我が子を手に取ってもらい、日常に持ち帰ってもらって身に付けることで日々ハッピーになってもらう。それがお店をやる上でのベースではありますが、それと同じくらい、「この場所がなければ会えなかった方達と会うためにこの場所を作ったんだな」という思いを強く抱いているそう。
Ishという場所でのお客様との出会いがカナさんをレベルアップさせ、そうして生み出されるアクセサリーによって今度はお客様がパワーをもらい、強くなっていく。
【Ish】はそんな、お互いが成長できるパワースポットです。
【Ish】 店舗情報
北九州市門司区西海岸1-4-16 新海運ビル102号室
11:00-17:00
定休日/水木(祝日の場合は営業)
階段の途中にある小さな癒しの空間【pont/新海運ビル】
雑貨屋さんの聖地「新海運ビル」
レトロな建物が立ち並ぶ風情豊かな門司港を歩いていると、「私もこの街でお店を開いてみたいな・・・」と夢見ることもあるのでは。
そんな妄想を抱きながらぜひ行ってほしいお店。
ふとしたきっかけで、門司港にお店を開くことになった【pont】さんです。
【pont】があるのは、【Ish】も入っている新海運ビルの中3階。
新海運ビルは昭和初期に建てられた趣のある建物で、その一室一室に店舗が入っている商業施設となっています。
店主のエリさんも、門司港で雑貨屋を巡っているお客さんの一人でした。
ある日、お気に入りのお店でのふとした雑談の中で、思いがけずポロっと「私も自分でお店をしてみたいな」と口をついたというエリさん。そのお店の店主さんは「してみたらいいじゃない」と背中を押してくれたそう。
そのタイミングで出会ったのが、この“207号室”。
こちらの部屋は“チャレンジショップ”としての募集だったこともあり、思い切って始めることができたと言います。
ツテもなく、どうやって商品を仕入れたらいいのかすらわからない状況からのスタートだったそうですが、知り合いの作家さんにお願いしたり、せっかくお店を開けるなら、と自分でも作品を作るようになったというエリさん。
もともとかごバッグが好きだったこともあり、それに合うようなラタン(籐)製のアクセサリーを作って販売しています。一つ一つ丁寧に編み込まれたデザインが素敵ですよね。
エリさんはお花が好きということで、花や枝など自然がモチーフになった雑貨が並ぶ【pont】。2階と3階の間にある、小さな癒しの空間です。
【pont】 店舗情報
北九州市門司区西海岸1-4-16 新海運ビル207号室
10:30-16:30
営業日/土日祝
本当の自分を表現できる服に出会える【ねずみとひかり】
門司港で宝物さがしをするなら
門司港には個性的なお店も多いですが、ひときわ異彩を放っているのでは、と思われるお店がこちら、【ねずみとひかり】さんです。
一言でいえば古着屋。でも一言では言い表せない、古着屋という括りでは説明のつかないちょっと、いやかなりユニークなお店です。
中に入ると、こんな感じ。
雑多なんだけど、「よし、この中から掘り出し物を見つけてやるぞ!」とワクワクしてくるような、いい意味でのごちゃまぜ感。
実は、こんなに大雑把に(失礼)置いていますが、中にはメゾンマルジェラ、ヨウジヤマモト、コム・デ・ギャルソンなど…
ものすごく貴重なものも潜んでいるのです。
こんな少し変わった古着屋の店主は、フランスを拠点にアーティスト活動をされていたという有吉さん。
この雑多な空間、「敢えてそうしている」と有吉さんはおっしゃいます。
「ぐしゃぐしゃにある方がオーラを感じるでしょう?きちんと整っていると、一枚一枚全部見ないといけない。」
うーん、確かに。
「自分でも何が置いてあるか把握できてない」と有吉さんは笑います。
お客さん自身がきちんと自分に合ったものを発見してくれるので、有吉さんも気づかされることが多いのだとか。
「その人の良いところを引き出すには、ファッションの中心にあるようなものはうちにはいらない。少し外れたものを置いて、お客さんに化学反応を楽しんでもらっています。」
流行りのものを置かないのは、その人が“軸”になるから。
時代や流行に左右されず、その人が本当に好きなもの、惹かれるもの、自分を表現できるものを選んでもらう。
「自分にもこんな一面があったんだと発見してもらえると嬉しい」と有吉さん。
そんな発見は、こういうディスプレイでないと生まれないのだそう。
確かに、お店に入ったときは情報量が多い気がしてしまいますが、ずっと居ると自分が気になるもの、ときめくものが光って見えてくる気がします。
だからなのか、ふしぎと長居してしまう、居心地の良さもある。
自分らしい服、自分を表現できる服が見つけられる【ねずみとひかり】。お店を出る頃には新しい自分になれているような、自分を変えてくれる服に出会えるお店です。
【ねずみとひかり】 店舗情報
北九州市門司区港町5-4
11:00-18:00
定休日/不定休
さいごに
門司港はノスタルジックな雰囲気の漂う街ですが、新しいものも個性的なものも大らかに受け入れるふしぎな街でもあります。
まわりに合わせたり、流行に流されたり、そんな自分に疲れたら門司港のお店を巡ってみませんか?
きっとそのままのあなたでいられる、のびのびとしたひと時が過ごせるはずです。
協力:門司港ゲストハウスポルト